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入梅
2014年12月3日 21:58
男が木の枝にのっかって昼寝をしていると、覗きが趣味の悪友が北から飛んできて、上の枝に止まった。寝ぼけ眼だった男は、悪友が数年前に見せた、あの表情をしていると気がつき、一気に目覚めた。悪友は男が目覚めたことを認めると、興奮を抑えた声で言った。「おばあさんが、きびだんごを作っている」 そうか。そうか。とうとう来たのだ。男の口元が大きく歪んだ。やっと、やっと、なんの躊躇いもなく、煩いもなく、あ