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世界を大きく変えるアジャイル行動

 近年DXやSX、GXなど変革に関するキーワードが増えています。
 変革、つまりは変えることなんですが世界的に見ると「まずは変えてみる」という動きが加速しています。ということを今回はお話しして行きます。

「アジャイル」と「ウォーターフォール」

 一般的な方々はこの2つのワードをそれほど聞いたことがないかもしれませんが、ITなどの開発を行う際に使われる手法です。

 「ウォーターフォール」はまずはしっかりとしたプランニングをして成功に導くことに重点をおき、時間をかけて進めるやり方です。

 社会全体に影響するような大型のシステムなどを安定稼働させるためには必要な取り組み方で、失敗が少なく長期的稼働を前提に検討するため、長期的に利用するシステムを作り込むためには必要な考え方です。
 この「ウォーターフォール」的な進め方はITの開発だけではなく、たとえば企業の事業企画や国の施策などでも頻繁に使われています。企業においても国においても中長期的に安定した施策を実施することを前提とした設計が求められるため同様の進め方が非常に多いです。

 一方、最近新興国や新興企業などで利用されることが多い手法が「アジャイル」です。

アジャイルは何が良いのか?

 アジャイル型の特徴は試しながら、成功まで誘導を行なっていくことで、即実行に移せるところが特徴です。一方で計画をしっかり立てて失敗しないストーリーを描く「ウォーターフォール」と異なり、失敗をすることも「前提」にあります。

 特に日本においては「失敗」=「良くないこと」という意識が強いですが、このアジャイル型の場合即座に様々なことを試しながら、環境変化に順応し本来の目的を達成することもできます。

 ただし、不確定な要素が発生した際には順応ができるということは、進める中で新たな要素が発生した際、追加の工数やコストが発生しますので、予算や計画を予め正確に立てることが難しく、進める中で変動することもあります。

 またあらかじめ計画ができない。ということは「目的」がはっきりしていないとブレが大きくなる事もあります。

 「あれ?アジャイルってそんなに良くないのでは?」

 と特に日本においては感じらる方が多いかもしれませんが、逆に今発展を遂げている各国はこの「アジャイル」的な取り組み方の方が多いかもしれません。

 なぜアジャイルで進められるのでしょうか?

目標(ゴール)設定が明確

 一つは目標設定が明確なところにあるように思えます。

 抽象的な目標では、途中に曖昧になってしまい、「何かしらを実行することが目標」となりがちです。特に日本においてはあちらこちらでこの現象を見かけることが多いです。

 例えば働き方改革などでも最初は「コミュニケーションの頻度を上げてエンゲージメントを高める」という目標を立てていると、途中で「コミュケーション手段を導入したら改革する」と目標がズレ、結果的には手段導入後「手段を使う人が増えない。どうすれば良いのか?」なんて話になることもあります。

 この場合、ウォーターフォール型で進めると「コミュニケーション基盤を導入するコストと導入工数、使うための教育」だけが企画として定義されてしまい、本当に現場で使われるかどうか、現場でのニーズなどは企画段階では判断できないため、結果的には導入したとしても一律利用などが進まず効果が出ないことになります。

 しかし決済者からすると「システムを導入することに関するコストと工数」「利用者全体の想定利用率とその効果」が記載されていれば費用対効果が見える化するため、安心して「実行」への指示ができる様になります。

 ただ、この企画段階ですでに「コミュニケーションの頻度をあげてエンゲージメントを高める」ことから「コミュニケーション基盤という手段を入れること」が「目的化」されるため、「目標の曖昧化」につながってしまいます。

 一方でアジャイル型の場合、とりあえず実行するため、「コミュニケーションの頻度を上げる」ことを「手段」などを試しながら上げていくことになります。

 手段もシステムを導入するだけではなく、やり方を変える、今の足枷を無くす、など色々なことを試しながら進めていくことになるため、都度試しながら進めていくことになります。当然ながら当初想定していた「手段」が合わなければ別の「手段」に変える必要もあるでしょうし、範囲を広げてみたら別の「手段」の方が会うこともあります。 
 最終的には目的を達成できる「手段」が手に入るとともに、現場を巻き込んでいますので、多くの人が使えるようになっています。つまり当初の目標をしっかりと意識し進められるのです。
 アジャイルの場合は「手段」が不明確ですから「最終的に必要となるコスト」は最初から見えませんし、「工数」も最初からは弾けません。

環境変化に即座に対応できる

 もう一つの利点は「環境変化に強い」ことです。
 「ウォーターフォール」の場合企画を決めて進める場合は企画段階で計画したことを正確に進める必要があります。途中で環境変化が起こってしまうと、計画そのものが崩れてしまいます。
 一方「アジャイル」の場合は随時試しながら進める訳ですので外部環境の変化に随時対応することができます。

時代の変化が早い=即時対応が必要

 新興国や新興企業がアジャイル型で進めているのは「世の中の変化が早く」「ニーズも多様化」し、即時に変化に対応しながら、ニーズを見極め、目標を捉えて進めていく事で既存ビジネスや先進国よりも早いペースで次々と対応を進めています。

 DXを進めるためには安定して進めるべきところととは別に変化に即時対応することが必要なところをしっかり見極め、両輪で進めることが必要です。

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