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ITとDXを明確に分ける

IT導入とDXは何が違うんですか?
こういう質問がいまだに多いのはデジタル活用…よりはデジタルそのものがいまいち理解されていないことに起因しているかもしれません。
今回はこの辺りを紐解いていきましょう。

IT導入の初期

 ITが本格的に働き現場に展開されたのは今から約30年前、Windows95登場によりインターネットが普及し、企業に中にもパソコンが導入されました。
この時代の使い方は紙で行っていた作業をパソコンに「置き換える」

 まさにIT活用でした。例えば手紙はメールに姿を変え、紙書類もワードへ、OHPもパワポへと形を変えました。今までは手書きが普通だったものが、キーボードを使って入力をする、まさに仕組みがデジタル化したものでした。

 このアナログがデジタルに変わった30年前からオフィスで行っているIT活用が今でも続いています。

IT導入だけでは「根本」は変わらない

 IT導入の初期はあくまでも手段が変わっただけであり、今までと大きく行動は変わっていません。手で書いていたものがキーボードで入力することになり、マウスなどでレイアウトを変えられる。簡単に修正ができる。などの違いはありますが、手紙で連絡をする、書類を作成し情報を共有することそのものが変わっていないのです。

 ただ、デジタルを知らない人からするとこのIT導入が現場を大きく変えるのでは?と勘違いしてしまうケースが多くあります。
 リアルとデジタルでどう変わっているのか。という部分が認識できればIT導入自体では大きな差があるのか否か認識することができるのですが、デジタルはよくわからない。という認識を持たれている方からすると、「何が難しいことをやっているのだからすごいのだろう」と感じてしまうことがあります。

IT導入だけではDXしない

 IT導入を行なっただけではあくまでもアナログがデジタルに変化しただけのことです。この変化で「変革」が起きるか。というとそんなことはありません。

 手段がデジタル化しただけでやっていることが「変わっていない」からです。

 仕事の仕方が同じであれば、IT導入しても「変革」はしていないです。
 ではIT導入は無駄なのか?というとそうでもありません。

 IT導入を「変革」を目的に行うことでDXが起きるからです。

DXはまずXだけを考える

 DXを考える際に最初からITのことは考えないでください。
 DXセミナーで必ずお話ししているフレーズです。

 最初は「変革」することを考えます。

 この変革も単なる手段の変化にとどまらず、今を大きく変えることができる変革「X」を考えることが必要です。
 なぜデジタルを最初から考えないかといえば、皆様のしたいことがデジタルだけで実現できる訳ではなく、足枷になるからです。
 そして、変革するポイントを見つけ「デジタル」が使えるのであれば、それが「DX」です。

 つまり、IT導入でDXが起きる訳でも、IT導入だけでDXする訳でもないのです。

 IT導入の先にDXがある訳ではなく、Xを実現するための手段としてIT導入が必要になることもある。程度に考えておくことが必要です。

デジタルを全て一緒に考えない

 「デジタル」という言葉を元に、全てを同じレベルで考えてしまうことでDXを進められなくなってしまうことが多くあります。
 IT導入はあくまでもIT導入、DXはDX、分けて考えることがDXを進めるためには必要不可欠です。

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