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移籍動向、最新スカッドの整理~帰ってきた俺らの竜士~

 中断期間が長く感じるかなーと思ったら、五輪の熱狂ぶりに時は速く、もう再開を迎える。ヴェルディはこの期間に北海道・十勝にて短期キャンプを行ない後半戦に向けて戦術の落とし込みをしている。
 再開初戦8/9(月)水戸戦を前に、ここまでの成績のおさらいと夏の移籍市場と最新スカッドの整理を勝手に書いていきたい。

ここまでの成績のおさらい

  23試合を終えて10勝5分8敗 勝ち点35 で9位につける。序盤戦の停滞ぶりからすると、よく持ち直してきた戦いぶりである。自動昇格の1つの目安と言える勝ち点ペース2.0に対して、今季のJ2はこれを超えるチームが2つあり、2.0に迫る数字のチームも複数あり、かなりハイペースになっている状況だ。

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 開幕前の予想として、自動昇格の目安を勝ち点84と設定した。ヴェルディが達成するには残り19試合で勝ち点49が必要になる。勝ち点2.5以上の超ハイペースになり、その上に8チームが居る状態のため現実的にはとても厳しいだろう。一方で残留に目を向けると設定した勝ち点50に対してあと15に迫っている状況であり早めに到達して少しでも楽に戦いを進めていきたい。

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ここまでの全試合を簡単に振り返りたい方はこちらへ。

移籍市場、最新スカッドの整理

 江尻GMが明言していたように前半戦の戦いぶりを受けて弱点となっていたポジションに補強が入った。現時点(2021年8月8日)、夏の移籍市場で獲得した選手は以下のとおりである。

 移籍選手一覧                   2021年8月8日時点
・DF 浜崎拓磨(松本山雅から期限付き移籍)
・MF 杉本竜士(横浜FCから完全移籍)
・FW 戸島   章(松本山雅から期限付き移籍)

 右SBに松本から浜崎拓磨を期限付き移籍で獲得した。ここまで、本職の奈良輪が負傷で前半戦の大半を棒に振ってしまい、若狭はCB陣の相次ぐ負傷もありCBで出場する機会が多く、ルーキーの深澤もデビューは飾ったものの負傷がちでまだ計算できる選手にはなっていない状況であった。本来左SBのレフティ福村が右SBを務める試合が続いたあたりはこの苦しい台所事情を物語っていただろう。この状況を受けて浜崎の獲得に至ったのだろう。
 右サイドを本職としており、SBやWBを務める。守備力の高さというよりもプレースキッカーなど足元の上手さが光る選手という印象を持っている。左サイドへ偏重している攻撃のバランスを整えるのにはうってつけのピースはずだ。

 攻撃陣にはJ2での戦いを良く知る即戦力を2名獲得した。横浜FCから杉本竜士を完全移籍で、松本山雅から長身FW戸島章を期限付き移籍で獲得した。小池・山下・パライバ・端戸・佐藤凌我の5名と新井・持井・松橋・阿野・橋本の間でだいぶ力の差がある現状だ。かつ怪我がちの選手も多く、前者のうち1名でも欠くとその迫力が一気に落ちていき勝ち点3が1へ、1が0になるくらいに影響力があると分析する。
 5年ぶりの古巣への復帰になった杉本竜士にはワイドの選手としての役割が期待される。5年前に在籍時は2トップの一角を担うことが多かったがその後の名古屋や徳島では持ち前のスピードと仕掛ける強気な姿勢を買われてサイド起用が中心になり、様々な監督の下で積んできた経験が古巣ヴェルディにどう還元されるか期待したい。完全移籍での加入というのも個人的には嬉しい部分である。
 また、松本から加入した戸島はJ2ではお馴染みの長身CFだろう。いまのヴェルディには無い「高さ」と「力強さ」が期待される。ハイボール、身体の強さを活かしたポストプレーで地上戦中心のヴェルディに3次元のプレーの幅を与えてくれるはずだ。

 新加入選手含めた最新スカッドを考察してみよう。

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GK:顔ぶれ変わらず。守護神マテウスは盤石であるが、順位次第ではJ2の
  プレー強度に慣れさせる意味でも若手の長沢、佐藤久を起用も面白い
DF:右SBには福村の名前を残したが、加入した浜崎の活躍に期待したい。
  主将の平が万全な状態に戻ったらンドカとのCBコンビが上位陣相手に
  どれくらい太刀打ち出来るか楽しみである。
  左SBは定位置確保した山口がファーストチョイス、ここに安在が絡む   
  活躍が待ち遠しい。
MF:加藤、佐藤優、井出に梶川を加えた4名がローテーションで出場すると
  リーグ屈指の力を発揮することは証明された。3つの枠に対して7名と
  実は手薄なポジションであり山本、森田、石浦の奮起は必要不可欠。 
  過多になる他ポジションからのコンバート起用も考えられる。
FW:杉本、戸島の獲得によって質と厚みが増した。永井監督のやり繰りも
  少し楽になるだろう。下位相手にはしっかりと得点を積み重ねられる
  状況であり、前半戦無得点だった上位陣の壁をこじ開けられるか⁉
  苦しんでいる持井、新井、松橋は飛躍のために何かきっかけが欲しい
  ところであるが、状況によっては武者修行の可能性もあるだろう。

限られた予算のなかで十分すぎる補強が出来ていると評価する。戦術の浸透に加えて戦力の上積みで、前半戦で全く歯が立たなかった上位陣を打ち負かす活躍ぶりを期待したい。