【雑感】2020年J2リーグ 第31節 対ツエーゲン金沢

東京ヴェルディ 2-2 ツエーゲン金沢

 今節の振り返りは両者の攻撃要点だけです。サクッとご覧ください。

スタメン

 ヴェルディは前節新潟戦からGKマテウス⇒柴崎へ変更、井出が中盤に回り、山下が左ワイドに起用される。
 対する金沢は前節北九州戦から5名変更(石井、高安、作田、窪田、山根)して臨む。

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深さを生かした攻撃

 金沢はボール保持時にSB高安と下川が大外レーン、SH窪田と本塚が中へ絞りハーフスペースに位置を取る。ボールを握ると丁寧に繋ぐというよりも手数かけずに前線へボールを預けて、敵陣へ入っていく。サイド2枚が連携で崩してクロスボール供給していく。
 また、2トップ加藤と山根はヴェルディ最終ラインの背後を狙う動きをしていく。加藤と山根が裏を取るプレーは開始早々から果敢に見せて行き効果的であった。これは前節の新潟もチョンテセが祥平と平の背後を狙ってチャンスを作っていたことを見たかのようで、ヴェルディ最終ラインが統率出来ていないとも受け取れる。

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13分、祥平が裏を取られて、山根からのパスに抜け出した加藤がドフリーになりシュートを放つも決められず決定機を逃す。そのあとも中央突破する大橋のスルーパスに加藤が裏を取る動きを見せるも、ここは通じず。
 先制点となった場面もこの形からだった。27分ピッチ中央からの金沢のリスタートFK。一瞬の隙に加藤が祥平の背後を取り、FKのロングパスにヘディングで合わせて先制する。

 1-2でビハインドとなった65分に金沢はルカオ、杉浦、島津と3枚替えをする。すると、いきなりその采配が的中した。右サイドの若干遠い位置から島津がクロスを上げるとルカオが持ち前の高さを活かした打点の高いヘディングシュートを決める。そのあとも左SB下川が深い位置まで侵入して攻撃を仕掛けるなど好調な攻撃陣が脅威を発揮した。

中盤のマンマークを交わす

 対するヴェルディがボール保持時に左SB福村が1列上がる変則3バックになる。これに対して金沢は1442で構える。2トップ山根と加藤は中盤のジョエルへのパスコースを消しながら最終ラインへプレスをかけに行き、中盤4枚は自分の前にボールが来るとプレスをかけるように縦プレを果敢していく。

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 プレス交わして、ビルドアップしていくと左サイドへ展開することが多かった。山下、福村がサイド深い位置まで入っていく、起点を作るとマイナスのボールにジョエルや井出がPA内からシュートを放つ。 

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 試合が進むにつれて金沢中盤4枚が井出と優平へマンマークをする場面が見られた。特に井出に対しては大橋が執拗にマンマークしておりキーマンという意識があったのかもしれない。この状況をみて優平は中央では無くてサイドへ流れてフリーになってボールを貰う場面が増えて行く。ここへボールが渡ると当然のように、プレスが来る。それによってスペースが生まれ、端戸が下りてきたりジョエルのスペースを突くということが出来た。

 この試合ではジョエルがドリブルで中央突破してシュートまで持ち運ぶ場面が何回か見られたがそれが出来た一因にはスペースを広げたことがあっただろう。

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 試合の方はヴェルデイがボールを握る時間が長く、左サイドからの攻撃が目立った。金沢に先制点を許したもののCKからの二次攻撃で優平のクロス性のボールがそのままゴールインしてすぐに追いつく。

 後半も攻めるヴェルディは中央でジョエルがボールを収めると、優平へ繋ぎ、思いっきりよく豪快に右足を振りぬいてミドルシュートを決める。金沢に追いつかれた後も攻撃を仕掛け、惜しい場面を作るが勝ち越し点は奪えず2-2の引き分けとなった。

まとめ

 こうすれば得点取れるんだよとお手本かのようの攻撃を魅せた金沢。実際にここまでリーグ上位このやり方が間違ってはいないという証拠だろう。基本に返りオーソドックスな攻撃から2得点。人選、配置から見てもその攻撃には迫力を感じた。
 対するヴェルディは前節に続き2得点。組織的なサッカーで組み立ててフィニッシュまで行くも得点は奪えず、PA外からの優平の思いっきりの良いプレーから2得点という結果にミドルシュートなどの大胆さの重要性も感じさせるものになった。一方でここのところ失点が続いている守備陣。特に最終ラインの背後を取られてピンチを招くことが多く不安が残る。