【雑感】2024年J1リーグ 第14節 対ガンバ大阪~牙城崩せずスコアレスドロー~

東京ヴェルディ 0-0 ガンバ大阪


スタメン

 前節・鹿島に3点ビハインドから同点に追いつき引き分けに持ち込んだヴェルディ。契約上出場不可だった林と染野が復帰。松橋優安、翁長と左サイドを入れ替える。山見はG大阪からの期限付き移籍のため出場不可である。
 一方のG大阪は前節・名古屋に1-0勝利し2戦連続完封勝利。ネタラヴィと食野の2枚入れ替わる。食野はヴェルディ在籍の弟がベンチ入りならず兄弟対決は実現しなかった。古巣対戦となる山下がサブに控える。

前半

 5月15日、Jリーグの日にふさわしいオリジナル10クラブ同士の対決は2013年J2リーグ以来の顔合わせとなる。味スタでの試合時は雷雨中断もあった懐かしい思い出だ。記念すべき日に合わせての試合に中3日のG大阪と2日のヴェルディで臨む。

 連戦の回復度に1日の差がどれくらい出るか注目のなか、まず挨拶代わりにミドルシュートを放ったのは前節鹿島戦は出場不可で元気一杯の染野だ。遠い位置からだったが振り向きざまに思いっきりよく放つと、枠へ飛び意外と惜しかったが一森に防がれる。よく見ると、一森、半田、福岡、鈴木、岸本、宇佐美、坂本に監督と知ってる顔が多かった。

 リーグ最少失点の堅守を誇るG大阪はボール非保持時に坂本と宇佐美の2トップ化で1442。DH森田晃樹に対しては主に宇佐美がマークする形を取り、後半には自陣深い位置まで戻ってマーク。ヴェルディのCBがSBへパスしようとするとSHが縦スライドで対応し、ヴェルディはそのSH裏を狙う形を取る。上手くいかないときは染野が下りて綱島悠斗ともにIH化して中盤3枚になるビルドアップの出口にもなる。

 堅いブロックを敷くG大阪相手に中央を刺すようなボールがなかなか入れずサイド攻撃が主となる。右サイドは山田楓喜が、左は松橋優安と翁長のコンビネーションでサイドからのクロス。相手に当ててCKからの攻撃となった。
 右サイドからのCK。楓喜がファーサイドへ速いボールを蹴り込み千田が合わすもクリアされてる。千田は初ゴールならず。24分には左からのCK。こぼれ球からヴェルディが何度も押し込もうとするも結局決めきれず。セットプレーからチャンスを作るも得点は奪えない。

 一方のG大阪のビルドアップはシンプルに2CB+2DHで構築。ヴェルディも1442で守る。2DHは横並びのため染野と木村も横並びからスタートし背中で消しながら中谷と福岡へプレス。連動する形で晃樹か悠斗が縦スライドしてDHダワンと鈴木をマークする。左サイドではSB黒川が大外に張りSH食野は中へ絞り気味。右はSH岸本が張って半田は内外の位置を上手く取る。岸本には優安と翁長で対応。スタメン起用されたこの2人はスピード溢れ良い守備を魅せた。

 G大阪は上手くボールがつならずチャンスらしいチャンスは6分にカウンターからだった。坂本が中央でキープしてドリブルで持ち運び並走する食野へパス。カウンターチャンスも宮原が絞って対応し坂本の仕掛けからチャンスもシュートには至らず。なかなかシュートすら出来ない展開にDH鈴木がCB左へ下りて3バック化してヴェルディ2トップに数的優位を形成してビルドアップに変化つける。ビルドアップの形変えてからボールを握れるようになったヴェルディのブロックと即時奪回もあり外回しを強いられてシュートまで持って行けない。
 ヴェルディは前節の反省を活かしてプレー強度高い前半の入りが出来たと思う。
 G大阪はボールを繋ぐよりもシンプルにヴェルディ最終ラインを走らせるように裏を取る動きの方がチャンスの匂いがしたが結果的には前半ATの宇佐美のFKしかシュートはなくお互いにスコアレスで折り返す。

後半

 0-0で折り返すとヴェルディは優安に代えてハイパーゲームチェンジャー齋藤を投入し左SHに入れる。ヴェルディは左右サイドの形を変えて仕掛けて行く右はSB宮原が低くSH楓喜をサイド張らせてDH晃樹がインナーラップ。左はSB翁長を張らせてSH齋藤がインナーラップ。

 60分すぎに悠斗と楓喜に代えてチアゴと見木を投入。チアゴが入ったら左右の攻撃方法も反対になる。左はSHチアゴ張らせてDH見木が上がる。SB翁長はチアゴの守備カバーに重心置き控えめになる。

 単騎突破ができるチアゴを投入し、先制を目指す矢先アクシデントが発生。チアゴが脚をたった10分あまりで負傷交代となり袴田を投入し翁長を前へ出す。見木、晃樹、齋藤の中盤3枚は流動的にプレーするが4-4ブロックのG大阪守備陣形は簡単には乱れずクロスなどから強引ながらも木村や染野がシュートを放つも枠を捉え切れず、晃樹も狙い澄ましたミドルシュートを打つも一森に防がれて得点を奪えない。

 G大阪は古巣対戦になる山下がSHに入ってから強引にも縦へ仕掛けることで勢い出て翻弄される袴田は途中出場途中交代となり稲見が左SBになる。圧倒的なスピードの山下からのチャンスを作るとPA内で倉田がシュート。決定機になるも林のブロック炸裂しゴールを割らさない。

 3戦連続後半ATに得点を挙げていわゆるヴェルディ劇場の時間になりスタジアムの声援も大きくなる。前節・鹿島戦と同じように中央でFKを獲得。キッカーは同じく翁長。丁寧にファーを狙って蹴り込むも飛び込む千田がうまくボールに触れられずそのままゴールラインを割り得点ならず最後までG大阪からゴールを奪えず記念すべきJリーグの日に行われた一戦はスコアレスドローに終わった。

まとめ

 連戦で迎えた一戦を引き分けてリーグ戦11戦負け無しとしたヴェルディ。着実に勝点を積み上げているが前半の入りとG大阪の攻撃からしたら勝ちたかった試合であった。2戦続けて複数失点していた守備陣は身体張ったプレーもあり完封も攻撃陣はG大阪の守備ブロック、試合全体のプレーテンポを破壊出来ず得点の気配が遠かった。お互いに守備意識高く、ボール保持時のビルドアップ体形に変化つけてこじ開けようとするもアイデア、個の質の部分で精度に欠いた印象がある。
 ヴェルディの攻撃を牽引するチーム最多得点者の木村は連戦中2日でフル出場でさすがに疲労の色は隠せず身体は重く見えた。染野と木村のベストコンディション時のパフォーマンスは素晴らしいが、2名に頼りすぎると夏場から後半戦にはどこかでその代償が出てきそうな予感もあり第3のFWが待たれる。負傷交代したチアゴが離脱となるとなおさら直近のリーグ戦ではベンチ外が続く河村慶人や山田剛綺には早くパフォーマンス上げて欲しいと願う。次節は昨年激闘を繰り広げた東京クラシック・町田戦。絶対に勝たなければいけない相手だ。