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2021年シーズン 東京ヴェルディの個人的な見所~永井サッカーの集大成を見せよ~

 ついこの前にシーズンが終わったと思ったら、あっという間に開幕を迎えましたね。前回投稿後、練習生参加はあるものの新加入選手の話しは無く、スカッドは変わらずと言ったところだろう。クラブは2月上旬から静岡キャンプを経て開幕に向けてトレーニングを重ねている段階。ではでは、今回で3回目となる個人的な見所を挙げていきたい。

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目標の勝ち点とは

 今季のJ2リーグを戦う上で、まずはレギュレーションを確認しよう。

・参加クラブ:全22クラブ
 J1からの降格クラブが無く、J3から秋田と相模原が昇格。
・昇格枠  :上位1位と2位の2クラブが自動昇格
・降格枠  :下位19位~22位の4クラブが自動降格

 昨季の変則レギュレーションを受けて今季はJ1からの降格クラブが無い。数年に一度起こる資金力あるクラブのびっくり降格による戦前から昇格枠1つが埋まるような事態が無く、昇格のチャンスとみて積極的な補強を行なったクラブも目立った。一方で、降格枠は過去最大の4枠となる。シーズン最終戦まで熾烈な残留争いになることが予想される。過去3年間の上位と下位順位を振り返ってみると、昨季の3位長崎(勝ち点80)は例年であれば2位までには食い込めるくらいの高成績を収めていた。2016年 3位松本は勝ち点84という異例のこともあるが、例年の傾向からして確実に2位になるとなれば、勝ち点84(勝ち点2.0ペース)以上が必要だろう。
 また、残留には勝ち点50クリアが一つの目安だろうか。早めにこの数字を達成することが安心材料になってくる。

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 これらの数字を踏まえて、昨季のヴェルディの成績を見てみると、
勝ち点54(13勝15分14敗)得失点差±0(48得点48失点)と残念ながら降格の足音が近い立ち位置に居る。J1昇格の目標勝ち点84には、なんと勝ち点30点も差があるくらい圧倒的に離されていて、19位町田の勝ち点49とたった5しか離れていないくらいになんとか残留出来るという状態だ。

 先月投稿した上記記事にも記載したように、勝ち点を積み上げていくには、リーグ2番目に多かった15引き分け(1位は甲府の17)と負け数を勝ちへ持って行かなければならず、リーグ12位の48得点の向上が明確な課題だ。

3トップはPA幅の距離感を維持せよ 

 攻撃陣の好不調の波が極端だった昨季。最終ラインからボールを握り、中盤の選手が関与して細かなパスを繋いでいくサッカーを志向しているが、自分の中では、両ワイドの選手同士が絡んだ攻撃が一つのバロメータとみている。ショートパス多用していくため、選手の距離感が近くなることが多く、ボールサイドへワイドの選手まで寄っていくと肝心なゴール前へ進入する選手が少なくなる悪い癖がある。すると、当然のように得点機会が減り、攻撃の迫力も劣る。

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 良い時の攻撃として、ホーム松本戦やアウェイ新潟戦、群馬戦のようにPA内での崩しを考える。多くの選手がゴール前まで進入することで得点の確立は上がり、深い位置まで抉りマイナスのクロスを上げることで相手DFの目線をずらす効果的な攻撃である。

 この攻撃を成り立たせるには前線3トップが先術のようにボールサイドに寄っていくのではなくて出来るだけPA幅での距離感を保つ必要がある。それを実現するには、サイドでの仕掛けや組み立てはフロントボランチと呼ばれる中盤の選手とSBで人数を減らして実行していく。一見すると、局面の打開が厳しくなるように思えるが、得点から逆算すると、ゴール前に多くの人数をかけるために3トップは制限を与えることで最後の崩しに重きを置く。

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 圧倒的な個の力がある選手の補強などが出来なかったため、こうした再現性ある攻撃が1試合の中で何回出来るのか今季の個人的な見所として挙げたい。就任当時から掲げるワイド-ワイドの崩し。山下、端戸、小池の3トップに新井、ルーキーの佐藤凌我と持井、2年目の松橋と阿野がどこまで絡み、誰が出ても機能するサッカーは3年目を迎えた永井体制における集大成になるだろう。

 一喜一憂する日々がもう間もなく、始まる。