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勝手に振り返る 2019年シーズン東京ヴェルディ~監督、選手編~

 17年、18年と2年連続でJ1昇格PO進出して満を持して挑んだ19年シーズン。怪我人も相次ぎなかなかベストメンバーも組めずに春先からの低空飛行。結局、最後まで続き一度も昇格PO圏内にすら入らずにシーズン終了~。
 クラブ創立50周年と謳いながら、あっけなく終わってしまった今シーズン。独断と偏見で監督、選手の評価をサクッとやっていこう。

監督

ギャリー・ジョン・ホワイト 
22試合 勝ち点29(7勝8分7敗) 得失点差-1(29得点30失点)
 クラブ創設50周年のメモリアルイヤーにJ1昇格の命題という重大任務を託されたイングランドの青年監督。ピッチ上の局部に選手を密集させて数的優位を形成して得点を奪うこと、前線からの積極的なプレッシングでボール奪取と攻守においてアグレッシブなサッカー志す。ただ、試合展開や対戦相手によってはリトリートするなど状況に応じて臨機応変な采配を見せる。基本的には各選手の特徴に合わせてシステムを作るタイプであり4バック3バック、2ボランチや3ボランチと使い分けした。そのサッカー哲学や要求は理論的かつ現代サッカーのど真ん中のいく最先端の指導者という印象であったが、ヘッドコーチの途中退団、相次ぐ負傷者と不運なこともあり厳しい台所事情での戦いを強いられる。しだいに求心力を失い、天皇杯では大学生相手に完敗が決定打となりシーズン半ばで解任。現在は中国でキャリアを再開。見返すようなこれからの活躍に期待。

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永井秀樹
20試合 勝ち点26(7勝5分8敗)得失点差+1(30得点29失点)
 ヴェルディを世界一番愛している男。成績低迷を受けてユースから昇格する形で夏場に就任。現役引退後も将来の監督候補として噂はあったがこれほど早く出番が回ってくるとは思わなかった。中学時代の恩師・吉武博文氏、崇拝するグアルディオラの影響を強く受けてボールを大切に扱い最終ラインから繋ぎ前線に人数をかける攻撃的サッカーを志向する。自分たちが主導権を握るプレーには相手を見ながらというキーワードのもあり臨機応変にプレーしてよいというメッセージがある。前任者と異なり自らの哲学・各ポジションの役割に合う選手を嵌め込んでいくスタイルであるが、選手たちは戦術理解だけで頭が一杯かのように自らとの格闘になっている段階だ。選手が全体的に押し上げることで広大なスペースを突かれ被カウンターを受けることもしばしば。20年シーズンの契約を更新、良くも悪くもブレないが道のりはまだまだ険しい。

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GK

1 柴崎貴弘 出場なし
 セカンドキーパーという難しい立場で一年間支えたベテラン。ハーフタイムや選手交代時のねぎらいを先陣を切って対応する存在も安心感をもたらす。ピッチ外では、幅広い人脈から芸能人との交友も多い。

21 上福元直人 42試合0得点(59失点)
 ”神セーブ”連発で低迷するクラブを支えた守護神。J2ドラフト会議では毎回上位指名され各クラブのサポーターからも評価高くJ2を代表するGKの一人。 たまに更新するInstagramも見逃せない。

26 鈴木智幸 出場なし
 松本から10年ぶりに復帰。シーズン前のパフォーマンスでは開幕スタメンも期待されたが、守護神上福元の牙城を崩せず出番を掴むことは出来なかった。柴崎、河野と並び数少ないヴェルディJ1時代の経験者。 

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34 長谷川洸 出場なし
 柴崎のInstagramでは不動のレギュラーも公式戦出場はいまだにゼロ。なかなか出番が回ってくることの少ないポジションであるが、練習試合では出番を掴みつつあり辛抱の時。プレー中はフェイスガード着用する。

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DF

2 若狭大志 26試合1得点
 チームのムードメーカー的存在。移籍初年度の昨年は出場機会が限られたが、今季はSBやCBでマルチな能力を発揮。攻撃面でも縦パスをバンバン通す選手に成長。

3 近藤直也 28試合0得点
 千葉から加入していきなり主将の大役を務めた説明不要のベテラン。さすがに衰えは隠せないが、随所で力を発揮。冷静で責任感強いタイプであるが時折みせるお茶目な姿のギャップがある。

5 平智広 32試合1得点
 空中戦で抜群の強さを誇るJ2屈指のエアバトラー。畠中、井林と最終ラインを形成していた仲間がJ1へ移籍するなか孤軍奮闘の活躍で守備陣を牽引。京都戦での負傷後で離脱後は序列を下げてしまい、ベンチを温めることが増えたがシーズン最終盤に再びレギュラー奪取。

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15 安在達弥 4試合0得点
 ”アンカズ”の弟としてサポーターの大きな期待を背負って中央大学から加入したルーキー。途中出場でゴールやアシスト未遂があったものの結局数字を残すことは出来なかった。成果を出せるときに出せないという選手になってしまうと勿体無い。

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17 李栄直 25試合4得点
 クラブ唯一の現役代表(北朝鮮)。開幕時はCB、そのあとはDHやCFでの起用と様々なポジションをマルチにこなすJ2で存在感を示す緑のフェライニ。フィジカルの強さ、負けん気の強さは前線起用時にその迫力を増し逆境に強い選手。アニメ好きの一面もあり鬼滅の刃とのコラボではピッチ上では見せないような顔を覗かせた。

22 永田拓也 11試合1得点
 昨年昇格POを争った横浜FCから加入した実力者。こちらは試合に出るとゴールかアシストで結果を出した印象。そのあたりはキャリアを積んでる選手の証拠。勝利のラインダンスでは誕生日祝いではじめたお辞儀パフォが好評だったからその後も継続。

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31 クレビーニョ 13試合0得点
 夏にフラメンゴからレンタル加入した元U17ブラジル代表。テクニック、フィジカルの強さはJ2トップレベルであり、本職のSB以外にもIH起用でもされた 。ただ、気性の荒さから無駄なイエローカードを貰うあたりは要改善。

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MF

4 藤本寛也 16試合0得点
 東京五輪を目指す緑三銃士の一人。U20W杯の日本代表にも順当に選出され、大会ではクラブとは異なりボランチで活躍を見せた。戦術眼と(意外と優れた)フィジカルの強さもありサイド、中央を起用にこなすことが出来る日本の将来を背負って立つ逸材。夏場に負った大怪我から回復が待たれる。

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6 井上潮音 33試合3得点
 ルーキー時代からアイドル的な存在でクラブからもサポーターからも大きな期待を集める三銃士の一人。何人の後輩の抜かれたか分からないが、4年目にしてようやくプロ初ゴールを決める。身体がかなり鍛えられアンカーとしてボール奪取など守備面で大きく向上。あとは1年間怪我なく過ごせるようにしたい。

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7 渡辺皓太 16試合1得点
 コパアメリカにクラブから10年ぶり以上となるフル代表選出でサポーターの夢と期待を集めた三銃士の一人。シーズン途中に主将に任命されて名実ともにクラブの顔となった矢先に横浜FMへの移籍。。。またしても、残念な別れ方をしてしまった選手が生まれた。これからの人生に幸あれ。さらばフラフープ師匠!

8 内田達也 15試合0得点
 監督の影響を諸に受けた選手。昨年までのロティーナ監督ではボランチとして主力選手として活躍するもホワイト監督になってからはパフォーマンス低下もあり開幕から数試合の出場以後は出番を失う。ボール保持を志向する永井監督になり、足元の技術もありCB起用で再びスタメンの機会を得る。最後までひたむきに練習している姿はサポーターなら誰でも知っている。

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9 佐藤優平 32試合2得点
 その風貌とは裏腹に責任感強く、運動量豊富にピッチを走り回る。前半戦アシスト量産も負傷して戦列を離れてからはなかなかよい結果を出せず悔しい思いをしたはず。ピッチを離れれば兄貴肌で澤井、井上、新井、森田ら後輩と楽しくオフを過ごしている一面も。

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13 新井瑞希 14試合1得点
 シーズン途中に富山からレンタル移籍で加入。デビューとなった長崎戦でカットインからのミドルシュートでいきなり期待に応えて、そのルックスとともにサポーターの心をつかんだ。その後は、Instagramでは”あざとい”キャラ?で頻繁に楽しませてくれるもピッチ上ではシュートがポストに嫌われて持ってない感があった。

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14 澤井直人 9試合0得点
 業務提携先アジャクシオ(フランス2部)からシーズン途中に復帰。中盤で起用されていたが、最終的にはSBでプレーすること。大怪我から復帰したもののデビュー当時のキレあるパフォーマンスまで戻れていない印象もある。トップフォームでの躍動が待ち焦がれる。

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16 森田晃樹 24試合3得点
 ヴェルディユースから加入したルーキー。春先から起用されるもプロのフィジカルやスピードに負けて戸惑う場面もあったが、ユース時代の恩師永井監督就任後は、戦術理解度もあり重宝される形で再び起用される。持ち前のテクニックも駆使してプロ初ゴールも含めて3得点は立派な活躍ぶり。

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19 小池純輝 40試合16得点
 愛媛から5年ぶりに復帰。サイドで質的優位を作るドリブル突破、PA内で優れた得点感覚が開花して今季クラブMVP級の大活躍。まさかこんなに得点を積み上げるとはシーズン前に誰が予想しただろうかと嬉しい誤算。ピッチ外のファンサービスにも積極的で模範的な選手。

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20 山本理仁 22試合0得点
 同じくヴェルディユースから加入したルーキー。こちらは現役高校3年生で飛び級である。中村俊輔を超えるレフテイと永井監督からは評され、本職のDH以外にもSBやCBでの起用され正確なパスで攻撃のタクトを振るい、大器の片鱗を十分に見せる活躍ぶり。パリ五輪世代であるが将来はフル代表、海外リーグでの活躍も大いに期待出来る逸材。

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23 田村直也 9試合0得点
 今季限りでの現役引退。チームが一番苦しい時代にピッチ内外で懸命に戦った熱血漢の姿はいつまでも忘れることはないだろう。来年から誰がケツを叩かれるのだろうか。

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24 奈良輪雄太 37試合1得点
 90分タイムアップの笛がなるまで集中して抜け目ないプレーをみせる玄人好みの職人肌。サイドを駆け上がり正確なクロスを上げることをコイッチに「奈良輪マシーン」と名付けられた。敵味方関係なく客観的に分析する試合前、後のコメントは的確で読み応えがある。

33 河野広貴 15試合2得点
 鳥栖からレンタル移籍で8年ぶりに復帰。緑を愛する気持ちを前面に出してプレーする姿はスタンドが一番盛り上がった。かつてのヤンチャ小僧もいまではベンチで年下の選手たちのフォローするなど成長した姿を見せて往年のサポーターたちは涙。

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38 梶川諒太 32試合2得点
 ボールをもらい前進させることに長けていてリズムを作る選手。”あざとい”ライバル新井が加入したからか夏場以降はパフォーマンスもかなり上がってきて中盤でかかせない存在として活躍を見せた。今季挙げた得点はいずれも甲府戦と、甲府キラーになった。

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39 石浦大雅 1試合0得点
 ヴェルディユース所属の高校3年生、二種登録選手。最終節でベンチ入りして途中出場でいきなりトップデビューを果たす。姿かたち、髪型が遠目から見ると同じような選手多くて来年は見分けるのが大変そう。

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40 藤田譲瑠チマ 4試合0得点
 同じくヴェルディユース所属の高校3年生、二種登録選手。急成長を遂げてU17W杯日本代表に選出されて本大会でも活躍。トップチームでも3試合に出場した。中盤の底で起用され、ボールをさばき、パスアンドゴーでまたボールを受ける動き、ポジショニングの良さは光るものがある。来季は大化けするかもしれない。

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FW

10 レアンドロ 25試合7得点
 昨年途中に加入も怪我がちで活躍出来なかったが、契約延長。今季こそはと期待されたがやはり怪我で離脱することがあり稼働率が上がらず。スピードの衰えはあるものの錆びない技術は天下一品で永井監督から”フリーマン”の適役を担い、レギュラーに。

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11 林陵平 16試合5得点
 好調をキープして得点を重ねて春先のチームを牽引。海外リーグでプレーする選手たちのゴールセレブレーションでスタンドを沸かせた。しかし怪我や監督の余波を受けて出番を失い、夏の移籍市場で町田へレンタル移籍。去就が注目される。

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11 ジャイルトンパライバ 11試合4得点
 圧倒的なスピード、フィジカルでデビュー戦となった山口との試合でその猛威を振るって一躍、J2界に名を轟かせた。西が丘に滅法強いのかもしれず、来季は西が丘開催を増やした方がよいかも。

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18 端戸仁 20試合1得点
 得点を期待されて湘南から加入。ドラゴンボールの主題歌が元になったチャントは秀逸。開幕から出番を与えられ持ち前のテクニックで起点となるプレーを見せて流れを変える役割をみせるものの決定的チャンスをものに出来ない場面が目立ち、終わってみたら1得点と寂しい結果に。

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27 ネマニャ・コイッチ 9試合2得点
 体格の良さを生かしたセンターフォワード。5月福岡戦、山口戦で連発してやっとJリーグに慣れ始めたと思ったところ家庭の事情により退団。ベンチ外でも私服でスタジアム内のファンサービスにも積極的に応じるなど良い奴だった。

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30 ヴァウメルソン 4試合0得点
 持ち味のドリブルを武器に個人技で局面を打開することが期待されてレンタル移籍で加入。しかし、守備や組織的なプレーでの戦術理解度が低くく出番を掴むことが出来ずに1年間を終えた。

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50 カンスイル 3試合0得点
 元韓国代表で群馬時代には10得点を記録するなど実績で期待されて低迷するクラブに夏に加入。怪我もありコンディションが上がっていないこともありなかなか出番がなく、宝の持ち腐れ感が強いままシーズンを終える。起用法が変われば潜在能力を発揮できるのでは思うが、来季はどうするんだろう??

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次回は『戦術、采配で振り返る2019年シーズン』でお会いしましょう
では!