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2020年3月の記事一覧
第二十四回「愛と誠」(その4)(2017年6月号より本文のみ再録)
単行本売り上げ7百万部、劇場用映画3作、テレビ&ラジオドラマ化、イラスト集、写真集…。あの時代に『愛と誠』はなぜあれほどまでに読者を魅了し、大ヒットしたのだろうか?これについて、梶原本人は後に次のように述懐している。
「当時、世の中はインスタント・ラブが横行し、連れ込みホテルにはディスコから直行する若者が増えていた。(中略)若者達の間に広がりつつあったインスタントな愛、安易な性意識に対して“男
第二十三回「愛と誠」(その3)(2017年4月号より本文のみ再録)
「そもそもオレが芸能界と接触するようになったキッカケは、昭和四十八年、スポ根漫画にいき詰まり、『愛と誠』という作品を書いてからだ。(中略)映画界とは、原作者として深いつながりがあったが、まだビジターで、芸能界との中枢とはほど遠かった。それが『愛と誠』が松竹で映画化されたことによって、芸能界のヒノキ舞台へとオレは出て行くことになる」(こだま出版刊『わが懺悔録』より)
『愛と誠』が劇画原作者・梶原
第二十一回「愛と誠」(その1)(2016年12月号より本文のみ再録)
『愛と誠』は劇画原作者・梶原一騎にとって重要な意味を持つエポック的な作品である。本作の成功が“梶原一騎=スポ根作家”のイメージを払拭しただけではなく、さまざまなメディアミックスがなされ、これによって芸能界や映画界との交流が広がって、後に映画製作者や格闘技プロモーターなどの多彩な活動にもつながっていく。
そうした意味で、梶原の劇画原作者としての半生を一本の横軸で表した時に、栄光の頂点(ピーク)に
第二十回「新巨人の星」(その4)(2016年10月号より本文のみ再録)
『巨人の星』がそうであったように、『新巨人の星』もまた、読売巨人軍という実在の球団が背負う“常勝”という宿命に強く影響された作品であった。
前者は巨人V9のうちの6年という黄金期に連載(1966~71年)されたことが相乗効果となって一大ブームを巻き起こしたのは誰もが認めるところだろう。だが、『新巨人の星』では、そのことがネガティブな影響を及ぼす。
「青年、成人向けの豪華巨編劇画」、「人生一大