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2022年のふりかえり

あまりこういう記事は書かなかったが、これほど多岐にわたった経験ができた年もあまりなかったので書きまとめます。

SFアンソロジー『新月/朧木果樹園の軌跡』への寄稿

商業出版への寄稿は、厳密に言えば、川島書店「事例研究・教育法―理論と実践力の向上を目指して」(2004)に短い拙文を掲載いただいたことはあるが、執筆陣にきちんと名を連ねる形は初めて、しかもSFの創作である。それまでの私の狭い交友関係からも「SF?」となったのではないだろうか。初めて聞いたときには。

おかげさまで書籍は重版出来となった。力作ぞろいの他の執筆陣に並ぶと自分の作品は凡庸なアイデアやストーリーではあるが、自分の周囲の、歌う人たち(日頃はSFは読まない)からは、共感とともに評価してもらえて、その点では満足している。

この2年間で書いたテーマは、新法制定、道路工事、援助技術、発声法、人口減少……。たぶん私が書ける作品は、自分の興味関心と地続きになっているものに限られるのだと思う。示されたお題に対して、自分なりの切り口からアンサーを返す。知己を得たいわゆる文学クラスタの人たちの「書かずにはいられない」情熱にはとても及ばないが、来年も自分なりに書くことを楽しみ、苦しんでいこうと思う。

デュリュフレ・レクイエムのバリトン・ソロ

所属する合唱団では、6月にひっそりと「演奏会」を開催した。新型コロナの第7波拡大の直前ではあったが、まだまだ合唱には向かい風。関係者だけの招待に止めつつ、M・デュリュフレの「レクイエム」を含めて、コロナ禍の中でリモートで取り組んできた曲たちに一区切りをつける発表を行った。

予算事情が大きかった(プロの歌手を呼ばなかった)わけだが、曲中2か所あるソロパートを任せられることとなった。自パート(より低音のバスが本業)にとっては音域も高く、さらにレチタティーボ的な歌唱も含む、技巧的で難しいものであったが、やりがいもあってそれなりに満足はできた。このステージのためにウイングカラーのドレスシャツ買っちゃったよ。。。

それ以上に痛感したのは、同じレクイエムステージで、プロのソプラノ歌手によるソロ曲を聴いたときの「格の違い」だった。ホール全体に響き渡る声量、響きの豊かさ、繊細な歌詞表現、そのたたずまい。同じステージにソリストとして立ちながら、軽自動車とレーシングカーほどの差を実感し、『新月』同様に「プロってすげー!」となった。

発声も音楽表現も、もう少し高められなかっただろうか。ソロか合唱かに限らず、まだまだ探究・追求は終わらない。

余談ながら、今回のピアノトリオ(ピアノ・ヴァイオリン・チェロ)による伴奏(中山博之氏による編曲)は、30〜40名位の規模のアマチュア合唱団で取り組むにはちょうど良いのではないかと思う。作曲者自身による3rdバージョン(室内楽編成版)でも、ティンパニーとかトランペットとかあって、普通の合唱団にとっては楽器のパワーが強過ぎる気がする。

身辺何かと慌ただしく

具体的には書かないが、その他にも私事でダイナミックな動きがあった一年だった。突然だったり規模が大きかったり長く続くものであったりちょっとフォーマルだったり・・・。いずれも2023年に引き継がれていく事案であるが、その発端として2022年は節目の年になった。

5年前なら、今年のような状況は(合唱以外の他のこと諸々)想像もつかなかった。では5年後はどうなっているのか。今からではとても考えつかないような状況になっているかもしれない。でも、そうした変化の連続であることを覚悟しておけば、少しは気が楽になるだろう。

というわけで一年間をざっくり振り返った。2023年もどうぞよろしくお願いいたします。