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企業価値を増やす「ブランディング+IR」

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中堅企業が企業価値を向上させるためにはIR活動だけでは差別化できない 差別化するには、知ってもらうための活動、ブランディングを組み合わせた方が効果的
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知らない会社で働きたくない!

有名企業を目指す学生たちマイナビの就活支援企業の調査では、2020年の就職人気企業ランキングは、理系ではソニー、味の素、明治グループ、カゴメ、富士通、トヨタという錚々たる有名企業が並びます。ちょっとおもしろいなと思ったのは13位のスカイくらいでしょうか? ちなみにスカイは以前コンサルをしたことがあります。その当時は新大阪にある携帯電話の開発をしている企業で、そこそこ有名ではありましたが、NTTデータを押しのけて就職ランキングの13位に入る感じではありませんでした。 当時か

過去10年で市場の評価を高めた企業がやったこと

中堅B2B企業にブランディングは必要なのか?

B2B企業って何?まずはおさらいから。B2BはBusiness to Businessの略ですから、個人ではなく企業に対してモノを売る商売のことです。B2B企業と一口に言っても、すべての企業を対象とする、コンサルティング会社や広告代理店のような商売もありますし、部品メーカーのように、ある特定の業界でしか使われない部品を提供するような商売もあります。 今回は、後者のようなB2B企業について考えてみます。特定の業種や企業がお客様となる企業です。 B2B企業のPRって必要なの?

ブランディング講座6 動画の威力

動画は文字の5000倍の威力文字と写真では情報量は7倍違うらしく、それが動画ともなると5000倍いらしいです。ほんとかどうかは知りませんが、そういえば何か調べる時、googleでなくyoutubeで調べることが多くなりました。 もう文字読むのも面倒な怠惰な状況です。 特に、車のメンテナンスなんかを調べる時は、確実に動画です。やり方まで絵で見てわかるのは楽ちんです。 料理の時もそうですよね?DELISH KITCHEN見れば、もう作ったような気にさえなります。 たとえば

ブランディング講座5 記憶に留めるツール(ロゴやデザインの開発)

ロゴやデザインなんかで会社が変わるかよ!個人的には、ロゴやデザインっていうのは、どうも、胡散臭い感じがして馴染めませんでした。というのもバブル期のCIブームをマネジメントコンサルタントとして経験しているので、当時の広告代理店やCIコンサルティング会社が濡れ手に粟の商売をしているように見えて、コツコツ商売していた私のような下っ端は、やっかみも手伝い、どうしても好きになれませんでした。 また、企業ロゴなどを変えたいくつかの企業の方からも、「結局、たいした成果はなかったな」という

ブランディング講座4 心に刺さる「言葉」の威力

世の中にあふれる言葉のマジック世の中の多くの企業は、自社のビジネスにキャッチコピーをつけたがります。 ニトリの"お値段以上ニトリ"とかTOWER RECORDの"NO MUSIC NO LIFE'なんかは耳馴染みもいいですし、メッセージがずしんと心に響きます。 こういうコピーを見ると、これをつくったコピーライターさんは、会社のことが好きなんだなとか、一生懸命、会社のことを知ろうとしたんだなとか思います。 企業のブランドステートメントは製品やサービスのコピーと違い、カバー

ブランディング講座3 会社の想いをカタチにする

ブランディングは万能じゃない クリエイターに対する穿った見方私のようなコンサル上がりは、ブランディングと聞くと、1990年頃のCIブームの時の、ヴィジュアルを変えてお茶を濁すデザインコンサルファームの悪業を思い出し、よい感じがしません。 企業名を変えましょう!企業ロゴをもう少しかっこいいのにしましょう!キャッチコピーをビシッと変えてインパクトのあるものにしましょう!わかりやすいのは動画、動画作らなきゃ浸透しないですよ! ロン毛でMac使いのクリエイティブ・ディレクターが畳み

ブランディング講座2 ブランディングが会社の価値を3倍に高めた事例

血沸き肉躍るIPO支援→知られていない会社のIR支援に萎える2015年秋、ひょんなことから私はブランディングの仕事に関わることになりました。それ以前は、マネジメントコンサルティングの分野で、事業戦略だとかIPOなどの企業の成長支援みたいなことをやっていました 企業が上場するタイミングは、目に見えて企業価値が向上するときで(株価がつくようになりますし、上場時にオーナーさんは売り出しをするので、ある程度まとまったお金が手に入ります)、非常にやりがいを感じていました。 ひとたび

ブランディング講座1 なんでうちの会社のこと誰も知らないの

「知る人ぞ知る」誰も知らない会社”うちの技術力はどこよりも高く、他に持って行っても誰もつくることができない”と自慢している会社っていっぱいあります。特に、BtoB型の製造業あたりに多く、お客さんは一部の業界だけなのでPRなんかしませんから、自ずと「知る人ぞ知る」会社になっていきます。 確かに、何時間かインタビューし、工場を見学し、使っているお客さんの声を聴くと、ひとつひとつの技術は非常に高く、優秀な会社であることは、徐々に理解できるようになります。 なのに、その業界を一歩

再生

知らない会社の株は買わない(音声はありません) ブランディング+IRが企業価値を増やす

アルファ・ファンクションの栗本です。 ブランディング+IRで、多くの企業の価値向上に貢献したいと考えています。 3年半前から、日進工具という切削工具の開発製造企業のブランディングプロジェクトに携わり、その間、時価総額が2.5倍(約200億円増加)、出来高が8倍強、株主数が2.2倍となりました。 ※日経NEXT1000の「過去10年間で市場の評価を高めた企業」にも選ばれました。 https://www.ns-tool.com/ja/for_crafting_tomorrow/index.html 当初は、株式市場に限らず、企業認知度を向上させることが目的でしたが、結果として、認知度の向上が株式市場での評価を大きく向上させました。 日進工具は、売上高100億円程度、経常利益が30億円弱の優良企業ではあります。しかし、切削工具というなかなか世間では知られていない業種であり、規模も小さいため、株式市場ではなかなか評価してもらえません。 しかしこの3年、優主なコピーライターの手により会社の想いをわかりやすくキャッチーな言葉で発信し、また優秀なデザイナーの手でロゴマークやコーポレートカラーを一新しました。 さらに、多くの方に理解してもらえるように複数の動画をつくり発信しました。ありとあらゆる方法で、多くの人に知ってらう努力を行った結果、お客様の信頼が高まり、就活生の目にも止まるようになり、社員やそのご家族にも非常に喜ばれました。意図はしませんでしたが、株式市場での評価も上がりました。 企業をブランディングし、企業の想いを伝えることが、様々な面で多大な効果を上げました。 この方法を、多くの企業の皆様に知ってもらい、活用していただければていただきたく、今、多くの方に声をおかけしています。 私個人ができることは知れていますから、多くの方に賛同していただき使っていただきたい。 何をどうやったかなど、全く隠すつもりはありませんし、これで儲けるつもりもありません。 日本の中堅企業の価値を高めるための一つの考え方として定着していけば嬉しく思います。