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このコロナ禍の一年間、日本政府は何をしてきたのか

こんばんは。今日もお疲れ様です。

1.新型コロナウイルスのワクチン製造工場が、遂に国内に建設される

まずは、ひょうご経済新聞の2021年3月4日付けオンライン記事をご覧ください。

医薬品メーカーJCRファーマ(兵庫県芦屋市)は4日、新型コロナウイルスのワクチンの原液を手掛ける工場を神戸市西区の工業団地「神戸サイエンスパーク」に新設すると発表した。コロナワクチン向けの新工場は国内で初めて。
 同市から土地を購入し、平屋建ての製造棟と3階建ての事務棟を建設する。7月に着工、2022年10月に完成する予定。23年から製造を始める。投資額は116億円。
 同社は、英製薬大手アストラゼネカが日本政府に供給する1億2千万回分のうち、9千万回分の製造を担う。

嬉しさのあまり、上記のサイトから画像をお借りしてきました。
この工場が稼働を始めた暁には、いつ送られてくるのか見当もつかない外国製のワクチンに頼らなくてもよくなりますね!

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しかし、着工が今年の7月!

工場が完成するのが来年の10月!!

稼働に至っては、再来年!!!

新型コロナウイルスとの闘いは、長期戦だということがよく判ります。
・・・等と、達観している場合ではありません。

コロナ禍って、去年の1月末頃から大騒ぎしてましたよね!?
それなのに、「コロナワクチン向けの新工場は国内で初めて」建設着手するのが今年の7月ですか!
その間、日本政府は一体全体何やってたのでしょう?

厚生労働副大臣と政務官が、ダイヤモンド・プリンセス号対応の最中、不倫してたってことは知ってます。
それはさておくとして、工場竣工が来年の10月って、もう少し早くできないのでしょうか。
もっと早くできるように支援できないのでしょうか。

セメント袋買って、新幹線で東京から神戸に向かったら、少しでも工期が
短縮できるなら、私喜んでやりますけど。

いや、もっと具体的な支援方法教えてくれたら、全力で情報拡散しますけど。

とりあえずここで、「JCRファーマ頑張れ!」と叫んでおきます。

2.香港市民は、中国がファイザー社からライセンス供与を受けて製造したワクチンを接種開始

香港駐在の友人から、凄い話を聞きました。

香港では今月3月3日から、ビオンテック/ファイザー(BionTech/Pfizer)製の
ワクチン(Comirnaty=中国名「復必泰」)接種のネット受付が開始されました。
医療従事者の次に、60歳以上も優先接種(無料)を受けることができる
グループになっているため、私の友人は、早速当日の午前中に申し込み
しました。
一方、中国の製薬会社シノバック(Sinovac、科興控股生物技術)が開発した
ワクチンは既に2月26日から接種受付が始まっており、今回オンライン予約画面では、ビオンテックかシノバックをまず最初に選択できるようになっていたそうです。

このシノバック、予約画面では製品名が「Comirnaty COVID-19 mRNA Vaccine (BNT162b2)」とはっきり書いてあるそうで、これはまさに
ビオンテックとファイザーが共同開発したワクチンのことです。
中国では、ビオンテック/ファイザー製のメッセンジャーRNAワクチンの独占
販売権を地場の製薬大手上海復星医薬(Fosun Pharma)が所有しており、報道ではビオンテックと上海復星医薬が共同開発したワクチンという表現が多いそうですが、中身はビオンテック製の「BNT162b2」と同じです。

香港では、シノバック、ビオンテック・ファイザー、アストラゼネカ・
オックスフォードの3種類のワクチン各750万回分、合計2,250万回分の供給を受ける契約を締結したようです。

中国産のワクチンは、従来の不活化ワクチンとアデノウイルスなどを使ったウイルスベクターワクチンだからと言って、馬鹿にする議論もありましたが、実は中国はこの一年で、メッセンジャーRNA ワクチンを量産する体制を構築し、結果を出しました。
中国政府は、その威信にかけて、香港市民に対して最高級のワクチンを提供する作戦に出た、ということです。

米中で経済戦争がトランプ政権時代から勃発していましたが、おそらくその渦中をかいくぐり、中国政府の首脳が、米国ファイザーと交渉して、
ライセンス契約にこぎつけ、ファイザーが欧州で生産しているものと全く
同一のワクチンを、中国国内でライセンス供与を受けて自力で生産し、
香港がファイザーやアストラゼネカから受け取るのと同量のワクチンを、
その2社よりも早く香港市民に提供を開始した、ということです。

新型コロナウィルス対策に関する限り、日本に居るより、中国や香港に居た方がよっぽど安全ですね。

中国政府の役人達は、ちゃんと仕事してるよなー。

3.同じ頃に接種開始した韓国にも抜かれる

韓国も、香港と同じく2月26日から接種を開始し、日本が2月17日から半月間で39,000人あまりに接種できたのに比べて、1週間で225,000人あまりに接種できたそうです。

韓国の場合は、日本が現在唯一の頼みの綱とする米ファイザーの製品は
4,000人程度しか接種していないのですが、アストラゼネカから大量に輸入して、これが決め手となってます。

同じく、韓国政府の人たちも、頑張ったのでしょうね。

4.日本の体たらく

日本は、そもそもコロナ禍の最中に司令塔が途中で逃げ出しちゃったし、
後を引き継いだ方は、工場を早く作るとか、そうした地味な仕事は本来
得意の筈なんですけどね。

そして、中国の工業技術力は、改めて強調することでもありませんが、製薬に関する限り、明らかに日本の製薬企業の技術力を凌駕しています。

日本の場合、メッセンジャーRNAワクチンをちゃんと製造できる会社が、
一体何社あることやら。

日本の製薬会社は、やるべきこともしっかりやれてないところばっかりですから。

医師から処方された水虫の薬を飲んだら、実はそれに睡眠薬が混入されていたという大事件が起きた。決して推理小説の中の話ではない。昨年、日本で起こった実話である。小林化工(福井県あわら市)が製造・販売する抗真菌薬「イトラコナゾール錠」に、睡眠導入薬のリルマザホン塩酸塩が混入していたのだ。
同じくGMP違反を発端とした突然の供給停止によって、国内の医療現場が大混乱に陥った医薬品がある。「リュープリン®」の名称で、武田薬品工業が製造・販売する医薬品である(一般名:リュープロレリン、以下リュープロレリンに統一して記す)。リュープロレリンは、乳がんや前立腺がん、子宮内膜症や子宮筋腫などのホルモン依存性疾患の治療に用いられる重要な薬剤である。
アメリカの規制当局であるアメリカ食品医薬品局(Food and Drug Administration、FDA)は、2019年10月18~26日にリュープロレリンの製造工場である武田薬品工業光工場(山口県)に対して、アメリカ向け医薬品の製造所として査察を行った。
 その際に、重⼤なGMP違反が観察された。その違反内容は、無菌製造(無菌製造の完全性試験の不備、Clean roomの管理不適)、Quality Unitの機能がGMPに適合していないということであった。
 本来、医薬品は当然無菌操作で製造・製品化されなくてはいけない。そのために、製薬企業の行うGMPとしては、その無菌操作について、まずはそのプロセスをシミュレーションし、その過程において欠陥がないか十分検証することが必要である。
 シミュレーションを重んじるのは、医薬品であるから人体で試験・検証することは困難だからだ。そのシミュレーションに問題がないことを確認できたならば、次はそれを手順書として文章化することが強く求められる。なぜなら、GMPの基本コンセプトは、だれが、いつ作業しても、必ず同じ品質でかつ高品質な医薬品を作ることができることだからだ。武田薬品工業は、この適切な文書化された手順の確立および遵守を怠ったのである。
 この重大なGMP違反に関して、武田薬品工業の提示した改善計画が不⼗分であったため、FDAは2020年6月9日に警告書を発出した。警告書(Warning Letterという)が、FDAのウェブサイトに掲載されることの社会的意味は大きい。国民に周知することだけではなく、その製薬企業に社会的な制裁を加えることになるからだ。その結果として、その製薬企業の社会的信用は地に落ち、場合によっては、株価が下がり、収益が落ちることになる。Warning Letterの発出とは、それくらい重いペナルティーなのだ。

もう、読めば読むほど情けない状況が綴られているだけですので、これ以上は引用しませんが、日本の製薬業界は、すっかりこうした状況になって
しまいました。

ワクチン接種者が国民の間に広まって、集団免疫を獲得するためには、
そもそもあちこちにメスを入れていかないといけない、ということだけは
よく判りました。

一体どこからメスを入れていくのが正解なのかもまだよく判りませんが、
前に進むためには皆で頑張るしかないのでしょうね。

頑張りましょう。


では、また。

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