見出し画像

映画『男と女 人生最良の日々』・・・ふーむ

当時無名の監督に過ぎなかったクロード・ルルーシュが、28歳の時に長編としては初めて撮った『男と女』というフランス映画がある。

制作されたのは1966年だから、いまから54年前。20代に名画座で観て以来、この作品が好きでこれまで何度も観た。DVDも持っているしね。

映画のスクリプト・ガールをしている女とレーシングドライバーの男がそれぞれの子供を預けている寄宿学校を訪ねた際に、ある偶然から恋に落ちる。

実は二人にはなかなか複雑な過去があるわけで・・・これが作品の奥行きを作り出している。こう書きながら、誰がなんと言おうとも名作だと思う。

真冬のドーヴィルの浜辺のシーンに心を奪われた

ルルーシュの生み出す映像に心が惹きつけられた。とくに真冬の海辺のボードウォークをゆっくりとカメラが前進するタイトルロールは素敵の一言。

音楽はフランシス・レイだ。「ダバダバダ、ダバダバダ」というテーマ曲を聴くと映像が浮かんでくるし、その逆もまた然りなわけで・・・名曲です。

主演は「アヌーク・エーメ」と「ジャン・ルイ・トランティニアン」。フランスの女性は、ムートンコートをこんなに素敵に着こなすんだと思った。

セリフは少なく、二人の表情や仕草から大人の恋愛が淡々と語られる。ベッドシーンは、20代そこそこのこちらにとっては強烈な印象だったなあ。

人は歳を重ね、老いても、気持ちはいつまでも変わらない

とここまでは、いいとして・・・昨日、日比谷シャンテシネマで『男と女 人生最良の日々』が上映されているのを知り、ちょっと迷ったが出かけた。

しかも、監督はクロード・ルルーシュ、主演もジャン・ルイ・トランティアニアンとアヌーク・エーメと前作と同じ、それにしても53年ぶりだよ。

2019年カンヌ国際映画祭で発表、上映後20分にも及ぶスタンディングオベーションが止まらないほどの大喝采を浴びたというのも気になった。

前作の映像が随所に流れ、53年後の二人が描かれていく。当たり前だけども、人は歳を重ね、老いていく。でも、気持ちはいつまでも変わらない。

エンドロールを観ながら、「悪くはない」「これはこれでいいのだ」と自分に言い聞かせた。結論はあまりにも『男と女』が素晴らしすぎるのだ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?