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シルクロードを経て、伝わってきたものたち

「水仙」はそれほど好きな花ではなかったのですが、このところいいなあと思うようになりました。一本の茎からたくさんの花が咲く「房咲き水仙」は日本水仙の母種で、中国から伝わってきたそうです。

さらに辿ると、遠く地中海沿岸地方から、長い年月をかけてさまざまな文化とともに「シルクロード」を経由して伝わったとされています。これは各地方の古い文学や美術のなかにも現れているのでぼ定説です。

日本水仙の母種である「房咲き水仙」

ところで「シルクロード」とは何か?紀元前2世紀から15世紀半ばまで使われた東洋と西洋をつなぐ道のことです。主に中国やローマなどの東西都市で貿易をするために使われました。

「シルクロード」という名称は、中国からの名産品として絹織物が多く輸出されていたことから名づけられました。他にも茶、染料、香水、磁器などが運ばれました。商人に巨万の富をもたらしたんでしょうね。

一方、東洋にはシルクロードを通じて、西洋原産の食べ物が運ばれてきました。ぶどうやザクロ、胡桃や胡瓜などもそうです。品物だけでなく、宗教や文化や美術もシルクロードを経て、世界各国に広まりました。

ロマンと危険が背中合わせの旅

全長は何と6,400km以上、旅人たちは、ラクダや馬を使ったり、自らの足で歩いたりして進んでいったのだと思います。荒野や砂漠、さまざまな国や地方があり、旅には常に危険が付きまとっていたんでしょうね。

そう考えると、「早く移動することを第一」としたいまは、実は貧しい時代ではないか。そんなことを感じながら「房咲き水仙」を眺めるのもなかなかいいものです。

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