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長所、短所を個性ととらえ、丸ごとすべてを活かしていく経営

ヒアリングで感じる「強み」と「弱み」の関係とは?

企業のブランディングが仕事の柱です。プロジェクトのスタートにはかなりの頻度で社員のヒアリングを行います。事前にヒアリング項目を設計するのですが、必ず項目に加えるのはお客さまが感じている企業の「強み」です。

ヒアリングで感じることがいくつかあります。その一つは、強みと弱み、言い換えれば、長所と短所は見方の問題で実は同じだということ。例えば「優柔不断」という短所は、見方を変えれば「慎重」という長所に変わります。

若いときはそうは思っていませんでした。長所と短所にとても敏感で、自分の短所に碧壁していました。だから、長所を伸ばせば、短所は消えるという考えが救いに聞こえました。というよりも、そう思い込ませていました。

すべては個性、状況や環境次第で強みにも弱みになる 

しかし、「長所と短所は実は同じ」と気づいてからは考えが変わりました。なぜならば、短所が消えると長所も消えるからです。「優柔不断」という短所をなくすことは、「慎重」という長所をなくすことになります。

「リフレーミング」という言葉があります。物事を見るときのフレーム(枠組み)を一度外して、別のフレームで見るという意味です。「仕事が遅い」という短所も、リフレーミングすれば「ていねい」という長所になります。

長所も短所も個性の一つです。状況次第で強みにも弱みになります。以来、自分の短所もそれほど気にならなくなりました。要は受け止め方、見方次第。そもそも長所だらけの人間なんておもしろみに欠けると思いませんか。

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丸ごと個性ととらえれば、機嫌の良い社風が生まれる

「リフレーミング」は企業内でも使えます。社員の短所ばかりに目がいくと「あいつはダメだ」「なぜいつもこうなんだ」とネガティブな感情が生まれます。その感情は言動や行動に表れ、イライラした状態が生まれます。

イライラは知らん顔している周囲にも伝わっていきます。漂ってくるのは不機嫌な雰囲気です。とくに上司のイライラの影響力は大きい。厄介なことに、不機嫌は社外にも伝播し、ミスやクレームが発生の要因となります。

いい人材だと思って採用した社員も必ず短所といわれるものを持っています。見方次第で短所は別物になるのですが、期待が大きいと受け入れにくくなります。丸ごと個性ととらえられる人は案外少ないように感じます。

短所も弱みもポジティブにとらえて企業の個性にする

長所で強みと思っていることも、環境の変化によっては短所や弱みになります。なぜならば、冒頭述べたようにどちらも同じだからです。変わらないのはその人なりの個性です。それをどのように受け止めるかです。

自分でもよくわかっている短所を直そうと周りがいじっても、そう簡単には変わりません。だったらポジティブに見直して、個性と受け止め、それを活かして結果を出す環境を整えることの方がはるかに重要です。

中小企業にとって人材の採用、定着、成長は大きな課題です。人材がブランディングの明暗をわけます。長所や短所に振り回されることなく、個性としてとらえ、丸ごとすべてを活かしていく、そんな経営が求められています。

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