「愛すべきおせっかい」にはファンが多い
「おせっかい」という言葉があります。「出しゃばって世話を焼くこと」「不必要に人のことに立ち入ること」の意味です。いまは干渉を嫌う風潮が強いので、少々めんどうくさくて、今風にいうとウザい相手になります。
求められていないけど、されたらうれしいことを提案する
でもね、こう思うのです。モノを販売したり、サービスを提供するのは、相手の要望・期待に答えること。多かれ少なかれ、おせっかいの要素を含んでいます。問題はそのおせっかいが相手にどのように受け止められるかです。
中小企業のブランディングを支援していて感じるのは、ファンの多い会社は愛すべきおせっかいな存在です。「こうだったらいいのになあ」を把握し、提案をしてくれることがドンピシャ、だからファンになるのだと思います。
「求められていないけど、されたらうれしいこと」を提案する・・・これが「愛すべきおせっかい」の条件です。「○○さんならこれははいかがでしょうか」「おおっ、これを待っていた」という信頼関係があるわけです。
愛すべきおせっかいに求められる「相手研究・自分工夫」
愛すべきおせっかいは、「相手研究・自分工夫」(プライベートの詮索はNG)の達人です。「相手をよく観察する」「何をしたら喜んでくれるかを考える」「自分側を工夫して提案する」・・・これって仕事の基本です。
とはいえ、愛すべきおせっかいと思われるのは簡単ではありません。こちらの思いと相手の受け止め方が異なるから、ときにはアレルギーも発生します。だから「相手研究・自分工夫」です。実際にはこの反対が多いのです。
社内で共有することも大事です。ある会社の営業マンは「取引先の社長が風邪気味だった」といった小さなことも報告します。翌日、内勤の女性が連絡した時に「お風邪の具合はいかがですか」、この一言で信頼が深まります。
傍観者を好む人はブランディングには向いていません
それでも、おせっかいを鬱陶しい、ウザいと感じるのならば、無関心がいいのでしょうか。これが常態化した会社を何度も見ましたが、社内には冷え冷えとした空気が漂っていました。多くは顧客満足にはほど遠い会社です。
マザー・テレサは「愛の反対は憎しみではない、無関心だ」という言葉を残しています。傍観者であることを好む人はブランディングには不向きです。ヒリヒリするような現実を直視しないのならば経営者にも向いていません
ここで質問です。「おせっかいと思われるので見ぬふりをする」「いいことも悪いことも気づいたらきちんと伝える」・・・あなたの会社の文化はどちらですか。もし、前者だとしたら「おせっかいの文化」を育てましょう。