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Do-shite馬にのらないの?!

 あなたのお住いの土地に、馬が登場する古い言い伝えや昔話はありませんか? きつねやたぬき、ハクビシン、白蛇はいろいろあるのに、馬はあんまり。私が知らないだけなのかもしれません。三春駒の伝説もありますし、銀狐のような話もあるかもしれないのに、しらないのは淋しいですから、ご存知でしたらぜひ。

 とはいっても、馬は、母屋で一緒に暮らしていたくらいですから家族なのかもしれませんね。しかし馬を持つことはあまり普通ではありませんでした。村で馬を飼っていたのは少数だったようです。馬と暮らす家族は集落の端に居を構えていました。大きな動物ですから、落とし物や死骸の作法は馬を飼う人とその家族だけが心得ていました。そのためにその人達だけが扱うことのおできる特殊な仕事になっていったのでしょう。
 そう考えると、馬って本当に特別ないきものです。取り巻く人達の生活や人生、社会でのスタイルを決定づけてしまうんですから。今の人間主体の社会では表に出てきてはいないけど、密かに自分たちの生活スタイルを守っている。それは民族の習慣や国ごとの文化の違いに似ていて、しかし国や民族に関係なく横断的に共有されているやり方とかライフスタイルだとしたら面白いと思いませんか。人主体であっても、そういう視点を持ち続けている人は一定数いて、もしかしたら馬じゃなくても何か別の主体を中心にライフスタイルが編成されている、そういうのを続けているかも知れません。

 いえ、こんな書き出しになろうとは。
 むかし八ヶ岳の乗馬倶楽部に通い詰めていた時にきいた話。
 世界に名だたる日本企業、その社名の由来は結構安直といいますか、呼称もいれて英語にしてしまっているとか。まぁ、そういった社名の酒造メーカーの社長がアメリカへ視察旅行へ行ったそうな。各地のお酒メーカーをめぐり、親睦をはかり、なかなかリッチな米創業者達と交流を終えた社長。数ヶ月するとおおきなおおきな馬が送られてきたそう。道産子よりおおきな馬で、大昔日本でも流れたバドワイザーのCMに荷馬車を引く姿で登場したあの馬です。(といってもご存じの方はしょうすうでしょう)クライスデールというのだそうです。社長、バドワアイザーの社長ともまみえたのでしょうね。乗馬をしている?と話されたのでしょうか。それなら馬をお送りしましょうという話になったらしいです。ところがそんな大きな馬、管理できるはずもなく、どこかに譲渡されたという話。ホントかどうか確かめようはありませんが。

 しかし足の早い馬は、情報伝達にも、そして軍馬としても重宝したはずですし、オスマン・トルコの時代から欧州の地続きを経由しドーバーを超えて譲渡されてきたでしょう。それはきっと友好の印だったと思いますし、その馬が後の繁殖し、現地との交配で新たな種がうまれたとしたら、それはとても意味のあることです。
 日本の木曽馬とサラブレッドの仔はどんな馬になるでしょうね。小さいけれど力持ちで、おとなしい性格?その違いとか、人間との共存具合とか、それはそれは深くかかわらないと理解しえない深遠なる物語がまっていそうです。

 そういえば、子どもの頃に呼んだ童話『光の国のタッシンダ』。その表紙には光のように白い肌のタッシンダの傍らには小さくてこちらも真っ白でうずをまいた角をのせた馬が描かれています。彼らはどんな夢をはこんでいたんでしょうねぇ。

 大事な人に馬を贈る。
 そんな馬と意志を通じ合う、普通の社会にかきけされた曖昧で密やかな世界を馬は語り継いでいる気がするのは私だけでしょうか。

 どんな馬の話がすきですか?
 転生しなくても、ぜんぜん違う価値観の世界。そんな世界けっこう直ぐ側に転がっているだけかも知れませんよ。馬に乗ると、見えてくるものも変わります。そんなお話あったら教えて下さい。

 Do-shite馬にのらないの?!

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