見出し画像

70歳の快挙

 オミクロン株感染者は高止まりで、ロシアのウクライナ侵攻で政情不安の中で結婚式に出席した。ウクライナ危機は突然で避けようがないけれども、コロナ感染が心配される時期の結婚式は賛否両論が飛び交う。2年間外出を控えても一向に止む気配がない。
 コロナで簡素化され儀礼を排した葬儀は実のあるものになったのは有難いが、コロナをこれ幸と略式化し過ぎて恩義ある方の葬儀にも出られなくなった。これは定年して仕事の有り難さが身に染みたのと似ている。なくなって初めてその有り難さを再確認する。結婚式も同じである。それでも感染拡大を容認するのかと問われかねないから、式を挙げる方も出席する方も難しい。感染症が落ち着く気配は見えず、治療法の確立も何年もかかることが予想される。
 正直なところ迷いもあったが出席した。日曜日の電車はソーシャルディスタンスが確保されている。式場のパーテーション等の感染対策も万全で、出席者も静かにマスク越しの話をする。それでいて楽しかった。
 久しぶりに友人たちと再会して話をした。私のテーブルは4名。私以外は女性である。結婚してマスク越しの笑顔が素敵でした。娘達が女性に変わった。
 式が終わって花嫁に手を握ってもらいながら出席のお礼を言われ、にやけたかもしれない。新郎の人柄も良くわかったし、楽しくて温かい式でした。花嫁の友人達はご主人が車で迎えにきたのを幸いに、挨拶をさせてもらった。新婦と我々4人は元職場の同僚であり友人であり、うち一人のご主人も私とは同僚だった。
 なぜ、こんなに嬉しいか考えた。70歳の私が若い新婦の「友人」として招かれた。思えば、これほどの快挙はない。実に愉快である。

 投稿して一週間以上経過した。実は花嫁の友人ではなく元上司だと座席表で確かめた。
「そうだよな。」
私の中では学年主任はヒラだから同僚だと思っているが、30代の女の子が70の爺さんを友人とは書けない。でも彼女も彼女の友人たちも私のnoteを読んだから、私が同僚だと思っていることは伝わった。だから、それでいい。
 70の元学年主任が10年以上過ぎて結婚式に呼ばれたのは快挙に違いないのだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?