藤盛槐
藤盛槐のペイント集。売上の2割を被災者支援団体に寄付します。
第二詩集『水底から』の特別改訂版。幾つかの詩の詩句を若干訂正し、新たに十数編の詩を銜えました。売上の2割を日本赤十字・能登半島地震義援金に寄付します。 https://www.jrc.or.jp/contribute/help/20240104/
藤盛槐第二詩集。2012年発行。 売上の2割を被災者支援団体に寄付します。
藤盛槐第一詩集(2009年初出、2012年増補文庫化)。 売上一冊毎に100円を被災者支援団体に寄付します。
藤盛槐第三詩集。 売上の2割を被災者支援団体に寄付します。
そしてぼくは蝶のように 虫取り網から逃れ 糞臭い牛の尾からも逃れ 畑の中を ひらひら、ひら と舞う 人の子らが指差す その虚空の ジグザグ道の上を 辷っていく けれと畑地の上に バラ撒かれた殺虫剤は 虫取り網、ではない。 糞の臭いに塗れた牛の尾、 でもない。 僕たちは ただ それに塗れた 葉を齧るまでの間の 命。 たった少しの、命
きみよ その思いなしによって 背けた耳から 再び 嘆きの音を聞くがいい。 鍵と弦の奏でる 流麗な嘆き いつかまたそれは 宙に響き渡ることになる 嘆き
きみのイコンをテーブルに並べよ 夜明けに 馬が嘶くその時 雄鶏が鳴くその時 揺らぐ朝靄に 時々聞こえる遠くの川の潺に
私の名前はトム・ヨークです。 身長198センチ、体重67キロ、 音楽の才能も有りますが、 絵の才能に優れています。 昨日は橋の下で寝ていましたが、 今朝目覚めると豪邸のキングサイズベッドに 横たわっていました。 キャサリン妃は私が幼稚園の頃からの幼馴染で、 よくプリンスエドワード島で 夏の休暇を一緒に過ごしたものです。 二人でタンポポの花を毟っては 恋占いをしたものです。 電話?ええ、 月に二回くらいは話しますよ。 王室に嫁いだからと言って、 旧交は何一つ変わるものではありま
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日が暮れる。 濡羽色の空に 鏡を置く。 日の出は僅かに 地球の半回転 僕の鏡は何も映し出さない。 ただ青い闇のなかの 一羽の烏以外には。
埋め立てることでは 埋め切れないものが そこにはあるのだ。 夕暮れ 丘の上に立って ふと水平線を眺める。 眩しい鏡面が 橙の空を照らし出す。 飢渇の時間があまりにも長すぎた空は 再び曇り出す。 浜辺を漂う幽霊たちが 白い 凍り付いた息を吐く。 この南島の縁で。 掬わなければ 夜は復た 収容されるだろう。 悴む指先を 背中で結ばれて。