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何清漣★米国が中国の米国農地買収に警戒を始めた 2022-05-29


まるで小説そこのけの話。5月25日、李克强首相は10万人規模のテレビ会議を開き、中国の経済危機について語った。その三番目の項目は「食料、エネルギー、サプライチェーンの確保」でした。

5月26日、米国議会の米中経済・安全保障調査委員会(USCC)が出した「米国における中国の農業利益・海外投資を通じ食料の安全を強化」は、つまり中国が米国で糧食を得る道を制限しようというものです。

この報告書は、世界の2大食料生産国であるロシア・ウクライナの戦争により、世界の食料価格が上昇し、国連世界食糧計画は、世界38カ国で4400万人が飢餓の瀬戸際に立たされていると警告している時に作成されました。

ロシアが自国資源を利用して経済制裁の影響を最小限に抑えただけでなく、欧州諸国の資源需要に乗じて価格決定力を取り戻したことを考えれば、米国の報告書の政治的な意味合いは無視できません。
 
 ★この報告のポイント

「中国の米国における農業利益」は中国が食料安保方面で直面しているチャレンジを省みて、こうした弱点がいかに米中農業関係の利益に影響をあたえているかを検証しています。

具体的には、食糧生産が直面している課題や、輸入依存度の低減、耕地保護、農業技術の近代化など、中国の農業投資の動機について評価しています。

レポートの重点は、中国の対米投資の主要分野である土地、家畜、穀物、そして農機具や技術などの関連インフラに焦点を当て、その概要を紹介しています。そして最後に、中国の対米農業投資を阻止・制限するために、国会議員が検討すべき分野を提言しているのです。

報告書では、2020年の米国における外国農業投資(AFIDA)年次報告書の@米国内の全私有農地の2.9%が外国人所有」というデータが引用されています。

2021年7月25日の「ボイス・オブ・アメリカ」(VOA)「我らの食料に手を出すな!」中国企業が米国のうちを買い漁る。国会議員が禁止立法へ」によると2020年初め、中国人オーナーが米国内の農地を約19万2000エーカー、18億5800万ドル相当で支配していました。

こうした土地は耕作、放牧、林業に利用できるものでした。カナダは米国の農業用地を最もたくさん所有しており、2019年末時点で、カナダの企業や個人は、合計7,485,000エーカーの米国農地を保有していました。

同報告は懸念される点をこう挙げています。

1;中国人の米国農地所有について、透明性がなく、情報が限られている。

2;米国農務省には外国が持つ米国土地所有権についての報告には関連する規則と透明度が欠如している。土地の所有権と使用、あるいは使用の変更にかかわらず、最初の書類を提出した後の土地の使用や所有権の変更を評価・追跡する規制メカニズムがない。

このため、中国企業は現在の報告要件を簡単に回避し、農務省を恐れることなく購入した土地を再利用することができる。米国政府が自国の安全保障に対する潜在的なリスクを監視し、検討することはますます困難になっている。

3;中国による米国農業の知的財産の盗用は、作物開発および農業技術における米国のイノベーションを脅かす。米国政府、民間企業、学界は、農業科学の研究開発に多大な時間と資源を投入してきた。しかし、中国が貴重な米国の知的財産を盗み続ければ、米国は農業分野で競争力を維持するために必要な自国のイノベーションを維持できなくなる。

4;遺伝子組み換え種子(遺伝子組み換え種子など)の兵器化の可能性もあり、遺伝子組み換え種子のコードが生物兵器の製造に使われれば、米国経済や食糧、安全が脅かされるかもしれない。

5;さらに統合と中国のサプライチェーンとの統合が行われた場合、中共は米国のサプライチェーンに過度の影響を与え、米国の農業関連企業を買収する可能性がある。報告書の筆者は、例として2013年に「双匯国際グループ」(中国最大の食肉加工企業)がバージニア州のスミスフィールド・フーズ社を高値で買収したことをあげている。

これは中国の大型総合企業が、食肉の川上から川下までのサプライチェーンを買収してしまう能力があることを示している。このように中国が米国の大型アグリビジネス企業をさらに買収すれば、米国の農産物市場に経済的な歪みをもたらす可能性がある。

6;軍事施設周辺の外資系土地は、特別な追加監視が必要な場合がある。現行の米国法では、機密性の高い政府施設の近くにある不動産の外国人による購入、リース、譲与は、検討中の取引を拒否する権限を持つ対米外国投資委員会(CFIUS)による審査を受けることになっている。しかし、実際にはそうした監視はほとんど行われていない。

★食料の安全は国策の基本に

中国の資源不足は、各種鉱物から耕地まで多岐にわたるものです。三大主食である大豆、トウモロコシ、小麦も、かつては主に米国から輸入していました。

中国は2010年代以降、巨額の外貨準備を持ち、資源確保と食糧安全保障を目的に、エネルギー、鉱物、農地などを中心に、直接投資、株式購入、M&Aなどさまざまな手法で世界各地に戦略的投資を行っています。

しかし、近年、米・中関係が悪化する中で、習近平は「中国人民の飯盒は常に自分たちの手にしっかりと握られていなければならず、飯盒には主に中国産食糧が入っていなければならない」と繰り返し強調して、食料安全保障を共産党の基本国家政策に位置づけています。

露・ウクライナ戦争が始まって以来、西側諸国によるロシアの政治・企業資産の没収などの対露制裁は、中国に深い危機感を抱かせることになりました。

この米国経済安全保障会議の報告書で取り上げられているテーマからも、農業関係の知的財産盗用や農地買収は、米国にとって長年の懸案事項であったことがうかがえます。

中国の客員学者などがさまざまな方法で、種子を中心とした米国の農業知的財産を盗む事例が多発していました。

特に莫海龍が種子大手のデュポン、モンサント、LGシードから高収性で害虫に強いトウモロコシの機密種子を盗み、企業秘密の窃盗で起訴されたことは特に有名な事件です。

中国のビジネスマンが軍事基地に近い土地を購入しようとしてストップをかけられた事件も何度かありました。2021年9月にはオバマ大統領が国家の安全を理由に、三一集团のプロジェクトを中止させました。

2021年には「新疆一の富豪」孫広新がテキサス州に土地を購入して風力発電所を建設する計画でしたが、現地の環境保護団体から抗議を受け、やがてやがて米国の政界の一部が「敵対国」による「国家安全保障」への脅威と表現するニュースに発展しました。

この時の土地取得は阻止されただけでなく、テキサス州議会はローンスター・インフラ保護法に、特に中国、ロシア、北朝鮮、イランの企業による投資を禁じる条項を追加。これらの国の企業がテキサスの電力網、水システム、サイバーセキュリティなどのインフラに投資することを禁じました。

★露・ウ戦争はグローバリズムの大原則「資本の安全保障」を書き換えた

ロシア・ウクライナ戦争をきっかけにアメリカのバイデン政権が主導した包括的な対ロシア経済制裁は、ウラジーミル・プーチンなどロシアの政界トップやその家族・人脈の各種資産を没収・差し押さえました。

それだけでなく、ロシアの民間資本も没収されました。これはロシアに大きな打撃を与えました。これは、米国が提唱するグローバル化の中での資本の安全保障を否定するものであり、その影響は広範囲に及んでいます。

経済のグローバル化の第一の鉄則は、資本流動の安全性の保障です。すなわち、資本流入国において外国資本の安全と自由な流れが保障されなければなりません。

まず第一に、資本流入国の政府は私有財産聖域の原則を守り、外国資本と資産を勝手に没収したり処分してはならず、政府資産もこの原則に従って扱われなければならないのです。また独裁政権崩壊後の資産処分は、独裁者の国の国民に復興費用として還元されます。

第二に、自由な移動とは、資本が自由に出入りできることであり、資本が流入する国は、法律に従って資本を処理し、恣意的な制限を課してはならないこと。これは米国をはじめとする欧米諸国に代表されるもので、米国では4大金融格付け会社によって定期的に審査・格付けされており、国家信用と呼ばれています。

米国をはじめとする欧米諸国は、中国に対してグローバル化した経済の中で資本の安全性を尊重しなければならないことを長年にわたって教えてきました。その結果、独裁国家(あるいは独裁一族)は、欧米諸国への資産投資や預託を概ね平気で行うようになりました。

しかし、 ロシア・ウクライナ戦争での制裁でロシアの官民の海外投資が大量に没収された今、この件で中国が警戒しないわけがありません。

米国経済安全保障会議の報告書「中国の米国における農業利益:海外投資による食糧安全保障の強化」は、実は「我々の食糧に手を出すな」という内容です。

中国は2021年の食料生産量合計1兆3700億kg、一人当たりの穀物量は長年400Kgを超え、国際食料安全基準を満たし、自給率は100%になる、と発表しているにもかかわらずこうなのだ。

しかし、米国も自分たちの研究基盤を有しており、米・中関係が今後「戦略競争」の段階に入る可能性を考えて、次第に中国の対米国投資の一部を引き締めにかかっており、双方が「チキンレース」ゲームに陥ろうとしているのでしょう。(終わり)

国家安全新领域:美国农地与中国粮食需求
作者:何清涟

2022-05-29 5:09 PM
无巧不成书。5月25日中国总理李克强召开十万人电视电话会议,谈到中国经济危机,第三条就是要“找粮食、能源和产业链供应链”。5月26日,美中经济安全委员会发布《中国在美国的农业利益:通过海外投资加强粮食安全》(China’s Interests in U.S. Agriculture: Augmenting Food Security through Investment Abroad),这个报告就是要限制中国在美国找粮食。时值俄乌这世界两大粮食生产国发生战争,导致全球粮价上涨之际,联合国世界粮食计划署还警告说世界上38个国家的4400万人正在饥荒边缘徘徊。考虑到俄罗斯利用自身资源优势,不仅成功地将经济制裁带来的杀伤力降至最低,还利用欧洲国家对资源的需求成功夺回资源定价权,不能忽视美国此时发布这份报告的政治意涵。

美国这份报告的要害在哪里?

《中国在美国的农业利益》回顾了中国在粮食安全方面面临的挑战,以及这些弱点如何推动美中农业关系的利益。从具体内容看,报告评估了中国农业投资背后的动机,包括粮食生产面临的挑战,以及减少进口依赖、保护耕地和实现农业技术现代化的相关努力。该报告重点研究了中国在美国投资的主要领域,包括土地、牲畜、谷物以及农业设备和技术等相关基础设施。最后,报告为立法者提出应该考虑从哪些方面防范与限制中国在美农业投资。

报告引用了2020 年外国在美农业投资报告(AFIDA)年度报告的数据:美国所有私有农业用地中有 2.9% 归外国所有——据2021年7月25日VOA在《别碰我们的粮食!中企大肆采购美农地 国会议员拟立法禁止》所引用数据,2020年初,中国业主在美国控制的农业用地约19.2万英亩,价值18.58亿美元。这些土地可用于耕作、放牧和林业。加拿大是持有美国农业用地最多的国家。截至2019年底,加拿大企业和个人共持有748.5万英亩美国农业用地。

报告撰写者列举了值得担忧的几方面情况:

  1. 关于中国对美国农业用地所有权的信息缺乏透明度并且有限。

  2. 美国农业部对外国拥有美国土地所有权的报告要求缺乏相关规则和透明度。无论是土地所有权及使用、抑或是使用变更,在提交初始文件后评估或跟踪土地使用或所有权的变化,缺乏跟踪监管机制,中国人公司可以轻松规避农业外国投资的现行报告要求,可以重新利用购买的土地,而不必担心美国农业部的影响。美国政府越来越难以监测和考虑对国家的任何潜在风险安全。

  3. 中国窃取美国农业知识产权,威胁到美国在作物开发和农业技术创新。美国政府、私营企业和学术界投入大量时间和资源来研究和发展农业科学,中国如果继续盗窃有价值的美国知识产权,美国将无法在农业领域保持竞争力所必需的本土创新。

  4. 转基因种子(如转基因种子)的潜在武器化也对美国经济和粮食构成威胁,如果使用 GM 种子代码来制造生物武器,安全性可能会受到威胁。

  5. 如果进一步整合和中国供应链,中共可能对美国供应链拥有不当影响力,收购美国农业企业——报告撰写者列举了2013年双汇国际(Shuanghui International)高价收购了总部位于美国弗吉尼亚州的史密斯菲尔德食品公司(Smithfield Foods Inc.)的案例,认为中国大型农业综合企业有能力收买农产品上下游产业来简化生产线。如果中国通过这种方式并购更多家美国大型农业综合企业,可能会对美国农业市场造成经济扭曲。

  6. 军事设施附近的外资土地可能需要额外的监控。现行美国法律规定,外国人购买、租赁或特许权的土地如果位于敏感政府设施附近的房地产将受到美国外国投资委员会(the Committee on Foreign Investment in the United States, 简称CFIUS) 的审查,委员会有权拒绝正在考虑的交易,但事后很少进行监督。在某些情况下,国际威胁的演变会给美国国防带来新的风险。报告撰写者建议按照安全许可所要求的进行定期审查,有助于缓解国家安全担忧。

中美关系恶化后,粮食安全成基本国策

中国的资源稀缺是全方位的,从各种矿产到耕地都短缺,大豆、玉米、小麦等三大主粮过去主要从美国进口。中国从2010年代开始拥有庞大的外汇储备,在全世界范围内进行战略投资,利用直接投资、购买股份、并购等各种方式,重点集中在能源、矿产与农地,目的就是为了保持资源安全与粮食安全。但近年中美关系恶化,习近平已多次强调:“中国人的饭碗任何时候都要牢牢端在自己手中,饭碗主要装中国粮”,粮食安全成了中共的基本国策。俄乌战争开始后,西方对俄的全面制裁,包括没收俄罗斯政界及企业界在西方的资产让中国产生更深的危机感。

以美国经济安全委员会这份报告涉及的关切话题而言,偷窃农业知识产权与购买农地早就引起美国关注。中国来美访问学者或其他人利用各种方式窃取美国农业知识产权(主要是种子),已经发生多起,最有名的一件是莫海龙窃取种业巨头杜邦、孟山都及LG种业公司的机密高产抗虫害玉米种子,被控窃取商业机密罪。中国商人购买军事设施附近的土地,亦有过数起被叫停的例子 ,2012年9月,美国总统奥巴马签发行政命令,以国家安全为由,要求三一关闭项目,2021年,被称为“新疆首富”的中国知名企业家孙广信在美国德州购买土地兴建风电场的投资案最先引发当地环保抗议,最后演变成一件被有些美国政界称为与“敌对国家”威胁“国家安全”相关的新闻事件。孙广信收购土地不仅受阻,还让德州议会在《孤星基础设施保护法》中增加了一条专门包含了针对来自中国、俄罗斯、朝鲜和伊朗公司投资的条款,禁止上述国家的企业投资德州诸如电网、供水系统和网络安全等基础设施。

俄乌战争改写了经济全球化的第一规则:资本安全
俄乌战争发生后,美国拜登政府领头发动的对俄全面经济制裁,不仅没收扣押普京等俄罗斯政治高层及其家属、关系人的各种资产,还没收俄罗斯私人资本。这一点虽然对俄罗斯造成沉重打击,但对美国倡导的全球化当中的资本安全却是种否定,影响深远。因为经济全球化的第一铁则是资本流动的安全,即资本流入国必须保障外国资本的安全与自由流动:一、资本流入国政府必须遵守私有财产神圣不可侵犯原则,不得随意没收、处置外国资本与资产,政府资产也仿照此原则处理。独裁政权倒台后的资产处理则还给独裁者所在国的人民做重建费用。二、自由流动,则是指资本在一国的进入与退出都必须自由,资本流入国必须按法律处理,不得随意加以限制。美国等西方国家这样示范,并且由美国四大金融评级机构定期加以审核、评级,是谓国家信用。美国等西方国家花了很多年,让中国学会必须尊重经济全球化的资本安全,也因此,独裁专制国家(或者独裁者家族)在西方国家投资或者存放资产,基本上很放心。如今俄乌战争中俄罗斯海外公私投资大量被制裁没收,此事不可能不引起中国警惕。

美国经济安全委员会这份《中国在美国的农业利益:通过海外投资加强粮食安全》,其实就是“别碰我们的粮食”之表态。尽管中国宣布2021年粮食总产量1.37万亿斤,人均粮食占有量连续多年高于400公斤的国际粮食安全标准线,口粮自给率达到100%。但美国也有自己的研究所本,估计美中关系今后可能会在“战略竞争”原则下,逐步收紧限制中国在美国某些领域的投资,双方将陷入“卡脖子”与“不怕卡脖子”的游戏。

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