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ヤクルト新外国人 ドミンゴ・サンタナ 成績予想

はじめに

 ヤクルトがまさかのドミンゴ・サンタナの獲得に動いていることがわかりました、びっくりです。本気出してしまうんか?本当に優勝してしまうんか?という感じです。めちゃくちゃびっくりしてます。正直ヤクルトがイルデマロ・バルガスを獲得するっていう噂があってそっちの記事と動画準備してたんですがそれより先にドミンゴ・サンタナの話をします。こっちは先に公式情報が出たので。

 ドミンゴ・サンタナが最も活躍した2017年シーズンのまとめ動画です。これで彼がどんな選手か何となく理解することができるのではないでしょうか。

 前回のブランドン・ディクソンの記事はこちらです。

 ホセ・オズナに関する記事はこちらです。まあ正直な話をするとヤクルトの弱点って外野手なんですよね、青木とか雄平とか坂口とかベテランが多いのでもうちょっと若い外野手が欲しいみたいなところもありますし、左打者が多いし、というところで右の中堅外野手という選択はイルデマロ・バルガスよりも確実な補強になると思います。

 動画でも同じような話をしているのでそっちも見ていただければと思います。

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基本データ

 ドミンゴ・サンタナはドミニカ出身の1992年8月5日生まれの現在28歳の右投げ右打ちの外野手です。195.6cm/104.3kgという堂々の体格を持っており、外野手です。メジャーリーグ通算77本塁打、2017年には30HRを放つなどその打力は間違いないものがあります。また来年29歳とまだまだ可能性のある選手であり、そういった点も期待が高まります。

通算成績

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 2017年に30HRを放つなどの活躍を見せましたが2018年にはチーム事情や自身が低調な数字に終わってしまいトレードで移籍。移籍したマリナーズでは打者が不利な本拠地ながら2019年に復活の21HRを記録しその打棒を見せつけましたがノンテンダーFAとなり2020年はインディアンスに移籍するも絶不調に終わってしまい結局FAとなってしまいました。

 とにかく特筆すべきはそのパワーで毎年コンスタントに20HRを打つ打力があり、三振は多いながらもフォアボールを選ぶ能力もありIsoDはまずまずの数字を記録しています。長打力不足が顕著だったヤクルトスワローズにとってはぴったりな補強となり、前述のホセ・オズナとともにヤクルト打線を支えることが期待されます。

打撃の傾向

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 打者の指標として近年注目されているバレル率ですがこれもリーグ平均を上回る数字が多く捉えた打球の鋭さは素晴らしい数字です。2020年はバレル率が平均程度まで落ちてしまい、ボールを捉えることができませんでした。

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 長打力が注目される選手ですが実はフライに関してはそこまで多くなく、ゴロの多いタイプである他ラインドライブ性の打球が比較的多い点も特徴です。基本的にGB/FBは1以上を記録し続けていて長打力のある打者としては少し珍しいタイプです。
 パワーを測る指標であるHR/FBは常に高い数字を記録していて2020年も平均を上回っており、2020年の不調はパワーダウンというよりは単純に外野に飛ばすことができなかったと見るべきでしょう。それを示すようにラインドライブやフライが減少しゴロの割合が増加しています。

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 この選手の興味深いところとしては広角打法というところで、好調なシーズンは常に逆方向へのホームランが引っ張りよりも多いという特徴があります。逆方向へ叩き込む技術がある一方で引っ張りにも多くの打球を放っており、広角に打つ技術があります。
 引っ張りにはゴロやライナーが増える一方でフライが減少し引っ張りで長打を打つのは苦手なのかなという印象があります。一方で逆方向にはフライが増加しGB/FBは1を切り、これが逆方向へのホームランの多さにもつながっていると言えるでしょう。引っ張り方向への打球はヒットになっている確率も高く、そういった意味では広角に異なったスタイルの打撃を見せる興味深い選手です。

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 このチャートでもわかるように逆方向へのフライが多い一方で引っ張り方向へはラインドライブ性の打球が多くなっており、ゴロも引っ張り方向が多いです。

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 左右別の成績ですが右相手には打率が高いものの左相手の方が各種指標が上回っており、若干ですが左を得意にしているという傾向があります。

球種・コース

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 ボール球スイング率は常に安定していい数字を出しており、しっかりと見極める力を持っています。コンタクト率の低さは気になりますが見極めができているので問題ないと考えられます。初球のスイング率は2020年に急上昇していて、ここは少し気になります。
 ストライクゾーンのスイング率はメジャーの平均を上回る数字を記録していてゾーン管理能力に長けていると言えるでしょう。ただ単にバットを振らないわけではなく打てるボールと打てないボールをきちんと見極める能力がある打者と言えます。

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スイング率

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空振り率

 ストライクゾーンの外のボールに対してはしっかり我慢できており、低めのボールに対して空振りしていますがこれはボール球なので我慢できていることを考えればまず問題ないでしょう。一方ストライクゾーンは外の高めに弱点があり、空振りの多さが少し気になります。

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 球種に関して今回多めに数字を出してみましたが、ここからわかることとしてはまず直球に対して安定して強い数字を出しているというところと、横に曲がる変化球に対しても安定していい数字を出しているという点です。空振り率こそ上がるものの捉えており変化球への対応力も備えています。落ちる球に対してはムラがありそこの対応がカギとなってくるでしょう。

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 全体的に高めに強く、アウトコースに弱い傾向があります。インコースには強く、来日した場合のインコース攻めにも対処することは可能でしょう。アウトコースに対する弱さは見極める能力があることからしっかりと我慢できる、我慢強い打者と言えそうです。

走力

 sprint speedは2020年に26.8ft/sでメジャー平均と同程度の走力があります。一塁到達タイムは4.5秒ほどでメヒアやバレンティン、ビヤヌエバと同等です。一塁到達タイムを考えると併殺の多さは回避できないかもしれません。

守備位置

 守備は基本的に外野の両翼になると思われますが、この守備力が彼にとってはネックであるという見方もあり、個人的にドミンゴ・サンタナが来日するならDHのあるパ・リーグになるのではないかと思っていました。

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 外野守備に関してはまずマイナスが並びまくっていてちょっと厳しい数字を感じさせます。2019年は両翼合わせて800イニング以上を守っていますがライトでDRSは-6(表の+6は誤り)、レフトでは-10という結果になってしまいました。この年はレフトでたった500イニングにもかかわらず9失策と信じられないほどのエラーを重ねてしまい、守備の問題が露呈しました。
 こうして見ていくとレフトは比較的苦手にしているようですがライトはまずまずの数字が並んでいて2020年はライトでの起用が多くなっています。2017年はライトを1200イニング守ってあの数字なのに対し2019年のレフトは500イニングであることを考えるとレフトはかなり苦手という感じの数字です。ライトでは1200イニングで5失策とやはり守備の粗さが気になるところですが、UZR/150を見るとレフトは-22、ライトは-7とライトはまずまず守れていると言うべきかもしれません。

 2020年のヤクルトはレフトが青木であったこと、青木がリーグ平均以上の守備を見せていたことを考えるとサンタナをライトに回すというのが現実的な選択肢のように感じます。守備力について不安要素はあるもののライトなら何とかなるんじゃないかと個人的には考えています。

成績予想

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 ということで導き出した成績の予想がこちらです。神宮球場のパークファクターも考慮しホームランを増やした予想となっています。メジャーで30HRを記録したパワーと我慢強い打撃は間違いなくチームを引っ張る強打者となってくれることでしょう。個人的には彼を3番において今年のベイスターズのオースティンみたいな感じになったら最高だなと思います。

 来年の優勝に向け、手駒を揃えつつあるスワローズ、期待したいです。(イルデマロ・バルガスは日本に来るんだろうか)。

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