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駄作MS番外編 「MS-RGM79D ゲファンゲナー・ゲム」

はじめに

 今回のジムについてですが、以前私が書いたnoteの関連記事となっておりますので前回の記事も読んでいただけると幸いです。

窮鼠

 第653MS大隊は祖国の守り戦闘団の主力部隊として活躍、オデッサ防衛作戦においてもイタリア北部を守り切り見事にその防衛任務を果たしていた。一方でその戦力は疲弊しており、当初24機のザクがいたもののすでに動けるザクは10機まで低下していた。オデッサ防衛司令部からは装備の転換と戦力の補充を指示されたもののオデッサの陥落によりそれも叶わぬものとなり、第653MS大隊大隊長のヨハン・クラーマー少佐はイタリア北部アルプスの山中で生き残りをかけた戦いを続けることを決めた。

 大隊の戦力が消耗していたことからクラーマー少佐は戦力の補充として敵軍のジムを回収することとした。撃破された5機のパーツで大破した3機を修復し、運用することを決めたのである。これにより稼働するジムを3機手に入れることには成功したが、相変わらずモビルスーツは13機と数は十分ではなかった。これらはゲファンゲナー・ゲム、虜囚ジムと呼ばれる機体であった。
 その上鹵獲したジムに乗るパイロットを募ったが、ジムに対してのパイロットたちの反応は芳しくなかった。よってクラーマー少佐が命令によりゲムのパイロットを決め、無理やり搭乗させることとした。

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 鹵獲した機体であり、かつ部品も十分でないことからゲムの整備状況は決して良くなかった。しかし彼らが得たジムはRGM-79Dジム寒冷地仕様であり通常のジムよりも性能の高いものであった。基本的な改修は股間部のエンブレムに対しパイロットたちがよくない反応を示したためこれを埋め、全面的な塗装の塗り替えのみに止まっている。
 第653MS大隊第一中隊第二小隊にこのゲムが配備され、小隊長であるクルト・ベーケ少尉は上記の通常型ゲムに搭乗していた。彼はそれまでに敵機を3機撃破していたが乗機のザクを撃破され乗機がない状態が続いていた。よってクラーマー少佐からパイロットとしての適性を評価されゲムが与えられた。ベーケ少尉も当初は拒否感を示していたが実際に搭乗してみるとジムの高性能に感動し、「こんな機体が次々出てくるようではジオンが負けるのもしょうがない」と戦後に語っている。

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クラーマーのザクキャノンと共に

 第二小隊のジム部隊にはキャノン砲が搭載されたカノーネンゲファンゲナーゲムも一機配備されていたが、ザクよりも軽量で機動性に優れるジム寒冷地仕様を生かすため基本的には遊撃隊としての活動が多かった。寒冷地仕様のマシンガンにはグレネードランチャーが装備されていたが弾が補給できなかったため実質的にマシンガンのみで戦っていた。
 ベーケ少尉のゲムに関してはビームサーベルが足りなかったため武器はマシンガンのみであったが、シールドを使って敵モビルスーツを撃破するなどして格闘戦を生き抜いた。

 ミハエル・ケルシャー曹長のザクキャノンは653大隊の主戦力として活躍していたが砲撃ポイントが連邦に発覚、11月25日に激しい攻撃を受けることとなった。これに対しベーケの小隊が敵の砲兵陣地への強襲を仕掛け、ガンタンク3機を撃破する活躍を見せた。ジオン軍残存戦力はザク10機程度と見積もっていた連邦軍イタリア戦線司令部であったがこの強襲によりモビルスーツ30機以上がモンテ・グラッパ周辺に展開しているとし(実際には13機)、モンテ・グラッパを回避して欧州解放を目指すことを決定した。またこの強襲でマシンガンの予備弾倉を多く獲得し、戦闘継続が可能となった。
 その後も連邦軍イタリア戦線は定期的にモンテ・グラッパに攻撃を仕掛けたもののその規模は徐々に縮小、最終的に忘れられた戦線となった。
 宇宙世紀0079年12月18日、連邦軍の哨戒部隊として陸戦用ジム3機が襲来、このジムに対してベーケ少尉はクラーマー少佐の命令を無視して奇襲を仕掛け、これもまた全滅させた。これによりベーケ少尉の通算撃破数は10となり、一躍653大隊のエースパイロットとなった。

恥ずかしながら

 宇宙世紀0079年12月29日、またしても連邦軍の攻撃部隊がモンテ・グラッパ攻撃を仕掛けてきた。今回の攻勢に対して遠距離からの砲撃で戦力の多くを撃破することとなったが、その砲撃の弾着観測を行っていたのがベーケ少尉のゲムであった。ジム寒冷地仕様の通信能力は通常型ジムよりも高められており、弾着観測用の機体として優秀であった。その後攻撃部隊の殿をクラーマー少佐とともに攻撃、ベーケ少尉の通算撃破数を12機まで伸ばした。

 宇宙世紀0080年1月13日、ジオンが降伏してから2週間余りが経過したことにより完全にイタリア戦線は忘れられたものとなっていた。モンテ・グラッパ残存戦力についても降伏したものとして処理がなされており、戦後復興が始まりつつあった。一方で653大隊には降伏の事実が伝えられておらず、戦闘行為を継続していた。連邦が周辺地域の偵察のために連邦軍が飛ばした偵察機ディッシュをベーケ少尉が発見、少尉はこれを撃墜した。
 さらに墜落現場を確認するためにやってきた非武装のジム1機を撃破、これにより通算撃破数を13機まで伸ばした。

虜囚ジム

 ベーケ少尉によればゲムの性能はザクを圧倒的に上回るものであったと語っている。彼の乗機には数多くの弾痕が残っていたが、これはザクマシンガンでは決定的なダメージを与えることができなかったということでもある。
 ゲムのシールドをザクのシールドに交換する案もあったが傷だらけのまま使用していた。これについてもザクのシールドは使いづらく当てにならないと感じていたことによるものであり、大きく硬く使いやすい標準のシールドを高く評価していた。

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 武装は一時ザクマシンガンを使用していた時期もあったようだが標準マシンガンの弾薬を補給してからはジムのマシンガンのみを使用し続けた。ジム寒冷地仕様の標準マシンガンはプルバップマシンガンよりも命中精度に優れている上反動が小さく、加えて連射速度の低さから中距離での射撃も可能ということでベーケはこれを高く評価していた。
 塗料が十分でなかったことから最終盤は激しく塗装がハゲていたもののそのままにしていた。これもジムの性能ならば迷彩塗装である必要などないという理由によるものである。

 ベーケ少尉の最終的な通算撃破数は13機で無事エースとなり、653MS大隊では二位の撃破数を記録することとなった。

あとがき

 ということで、ゲファンゲナーゲムを組みました。

 3月23日に買いましたのでまあ2週間ぐらいですが、天気が悪くて塗装できなかった日もあったので10日ぐらいで組みました。

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 というわけで組んだわけですが、改造ポイントは基本的に股間のエンブレム部分をプラ板で埋めるとかその程度に止まってます。肩アーマーを持ち上げて腕を長く見せるとかそういう手法は見かけたんですがめんどくさそうだったので回避しました。

 あとは塗装の変更だけですがこれはこの前に組んだザクと同じ塗装です。明灰緑色とフィールドグレイです。で、鹵獲機体なのでやはりダメージ表現についてはかなり強めに入れました。シールドの傷については熱した刃物で実際にシールドを切って作ったのでかなりリアル感は出てると思います。弾痕はピンバイスで削ってデザインナイフで仕上げる感じです。ありとあらゆるところに傷をつけまくるのは罪悪感も凄かったですが結構楽しい作業でもありました。

 正直関節がぶっ壊れたりいろいろあって疲れた部分もなくはないんですが、鹵獲ジムをカッコよく作りたいという気持ちがあったのでカッコよくなって良かったと思います。ザクとならぶと造形の違いが凄まじい感じもすごいですが......。

 そんなわけで、ゲファンゲナー・ゲムでした。

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