Merry Clitoris
皆さん本日は12月25日です。人のつながりが薄くなっている昨今、とくにコロナ禍で実際に会って何かをするなんてことのリスクが明らかになっていて時代の変化に少し寂しくなる時だってあります。だから私は皆さんに向けて手紙を書かせていただきます。こんな時だからこそあえて手紙で書けることがあるでしょう。
メリークリトリス!
母さん、お元気にしていますでしょうか。私は元気です。最近は寒い日が続きますが、体に気を付けてくださいね。そうそう、この手紙が届くころには、クリトリスですね。
クリトリスといえばやっぱりチキンに限るよね。よく父さんがローストチキンを作ってくれたのを思い出します。他にもクリトリスといえばプレゼント、ほしいものを手紙に書いて母さんに渡していたのを思い出します。クリトリスプレゼントを贈ってくれてたのは母さんだったってことに気づいたのは、小学4年生の時でした。
クリトリスが待ち遠しくてしょうがなかったあの頃、僕はベッドに入るといつも寝ずにクリトリスの正体を見破ってやろうと思っていました。でも結局すぐ寝ちゃうんですよね。そして、いつも朝起きたらクリトリスプレゼントが枕元に置いてありました。
航空巡洋艦最上が欲しいといったあの日、僕は朝起きて航空巡洋艦最上だけじゃなく駆逐艦秋月に軽巡木曽までついてきたのを見て震えたんです。
そうです、勃起です。エレクションです。「えっ、艦隊編成できるやん、艦隊エレクションやん」なんて思ってテンション上がったんです。いやエレクションしたんです。
思えば中学時代、勃起がエレクションであると聞いてなんかカッコいいなとおもった中学時代でした。文房具店でフリクションを発見しては「勃起じゃん」と思いながら過ごした中学時代だったのです。そしてフリクションという言葉が摩擦という意味であることを知ったあの日、それって「オナニーじゃん!」とか思って喜んでいたあの日が思い出されます。
話題をクリトリスに戻しまんこ。クリトリスの思い出を思い出すとなんだかたくさんの楽しかった思い出が出てきます。
クリトリスといえばケーキでしたね、母さんは僕と妹を連れて糖尿病のパティシエが営むケーキ屋さんに連れて行ってくれました。糖尿病のパティシエというだけでなんかおいしいんじゃないかという気がしてくるのはなぜでしょうか、ちなみに友達の友達のお父さんでした。
そして妹とどのケーキにするかでよく口論していたのを覚えています。これはクリトリスとは関係ないですが、父さんの誕生日は決まってモンブランでしたね、父さんは栗が大好きでした。栗を愛していました。横浜中華街にいる栗を押し付けてくる中国人が大嫌いな父さんでした。
父さんと僕の出会いはいつだろうかといつも考えてしまいます。でもいつも思い出せません。そして思い起こすのはあの日、そう、中学3年生の夏のことです。
あの日僕はお気に入りのAVでシコっていました。いえ、せっかくのクリトリスにこんな書き方をするのはよくないですね、エレクションしてフリクションしていました。つまりエレフリクションしていました。エレフリクションシコシコしていました。ばあちゃんの家に引っ越してすぐのことです。僕はばあちゃんが21時に寝るということを生かして、ばあちゃんが寝静まった夜に1人エレクシコリカルパレードをしていたのです。ヘッドホンを使って大画面大音量を活かし、嗚呼、そのパレードはどこまでも続いてゆく……。
いえ、どこまでも続くことはなかったのです。ヘッドホンに大音量で聞いていた僕は気づいていなかったのです、トイレに起きたばあちゃんに。そして僕の夜中のエレフリクションシコシコを見た祖母はあろうことか母さんに連絡しましたね。
翌日、気づいたら母さんはプレステ2のACアダプタをこっそり盗んでいきましたよね。母さん、何も言わずにそれはひどいよ。昔あんなに僕に頭を下げてエレフリクションシコシコしないでくれってお願いしたのに、中3になったら黙ってACアダプタだけ盗んでいくなんてひどいじゃないか。
その日の夜、父さんが家にやってきました。そして父さんはただ「男がエレフリクションシコシコするのは仕方ない」とだけ言って、僕が持っていたAVの中から教育上よくないと判断した作品たちを父さんは持っていきました。
その中に僕の中で伝説となっている綾波レイがいます。綾波はどこに行っちゃったんだよ父さん!綾波を返してよ父さん!
ごめんなさい、この手紙は母さんに宛てたものでしたね。
昔僕が小2だったか、「お待たせ」を「おまたー」って言う人がいるみたいな話を車内でしました。そしたら妹が「それって股みたいで嫌だ」みたいなことを言い出しまして。いやでも「お待たせ」の「お待た」なんだからいいだろうが!みたいな口論になりました。
そんな時母さんは「下品だからやめなさい!」と怒りましたね。今でも覚えています。
そんな僕は今となってはインターネットに下品な話しか書かない男になってしまいました。だからこそせっかくのクリトリス、両親を悲しませることのないような文章を書きたくなったのかもしれません。こうして今僕は筆を執っています。
僕は母さんが嘉門達夫のあったら怖いの一節、「毛の生えたミートボール」でちょっと笑ったのを忘れません。毛の生えたミートボールって何ですか?僕はあの日からその答えを探しています。奈良に行く車内で、毛の生えたミートボールで笑った母さんが気になって仕方なかったんです。
あの日から僕はミートボールを見るたびに毛の生えたミートボールを想像し、そしてそのたびにアレで笑っていた母を思い出すんです。母さん、僕はおかしくなってしまったのかもしれません。あの日から僕の心の中に毛の生えたミートボールが生まれて、それがムクムクと成長し続けているんです。この毛の生えたミートボールをどうにかしてほしいんだよ、母さん。
だからクリトリスプレゼントはその答えにしてください。それさえ教えてくれたら僕はもう心残りはないんです。27歳にしてプレゼントをねだるような息子でごめんね。
もしそれがダメだって言うなら、僕にアクメ機関車をください。
でもさすがクリトリスだね母さん、アクメ機関車は売り切れだよ。クリトリスといえばアクメだからね。僕はアクメ機関車になりたいんだ。A.C.M.Eしたいんだよぼくは。Locomotive Orgasmしたいんだよ、母さん。LOしたいんだ、僕は。LOがいいんだよ。
そんなことは置いといてさ、母さん、僕はあれから変わったのかな。昔っから怒られてばっかりで、お兄ちゃんとしてしっかりしなきゃいけないと言われ続けてきた僕だったけど、あれから少しは変われたと僕は思ってる。少しはマシな人間になれたかもとか思ったりしてる。
あの日の下品な男、エレクションさせることしか能がなかった僕はいつしかエレクションの角度が小学校時代より衰えたことに気づいて悲しくなったりするようになったよ。人の苦しみや悲しみを理解することができる人間になれたよ。多分、僕が下ネタで笑ってるのを見て母さんは傷ついてたんだよね。ごめん、その痛みに気づいてあげられなくて。今なら母さんの気持ちが僕にはわかるからさ。
だからこれからは母さんに優しくしていかなきゃなって思ってるんだ。これから親孝行とか、ちゃんとしてかなきゃって思ってるんだ。
だから母さん、心から言うよ。
メリークリトリス
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