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ヤクルト新外国人? イルデマロ・バルガス 成績予想

はじめに

 今回の記事なんですが、明確なソースはありません(11月30日現在)。あくまで憶測、推測をもとにもしイルデマロ・バルガスがヤクルトに入団した場合の成績の予想をしていきます。

 以前紹介したホセ・オスーナの記事は下に貼っておきます。

 今回話題になっているのはイルデマロ・バルガスというスイッチヒッターの内野手で、昨シーズンロッテにいたバルガスを思い出させる選手です。他にもスイッチヒッターの選手がNPBに来た例は存在しますが大活躍した例は少なく、直近だとアルモンテが活躍を見せたぐらいの印象ですね。
 例えばあまり成功しなかったパラデスなんかは左打席で結果が出ていても右打席ではからっきしだったのでそういう左右両方できっちり打てないとスイッチヒッターの野手は難しいという傾向にあります。アルモンテは安定して左右打席で結果を出しており、なんなら右打席の方が成績がいいぐらいの結果を残しています。

 ではイルデマロ・バルガスはどうなんでしょうか、分析していきたいと思います。

 動画でも同じような話をしているのでそっちも見ていただければと思います。

基本データ

 イルデマロ・バルガスはベネズエラ出身の内野手です。ベネズエラ出身の野手といえば西武のメヒアカブレララミレス、45年ぶりの三冠王ミゲル・カブレラなどがいて、ベネズエラの野球選手は豪快さとテクニックを併せ持つスタイルの野球選手が多いように感じています。バルガスは1991年7月16日生まれの29歳で182.9cm/77.1kgの内野手です。

通算成績

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 バルガスの通算成績はこんな感じです。2019年にMLBで92試合に出場しまずまずの数字を残したものの2020年はチームを転々とし成績も1割台と低迷してしまいました。一方でAAAではPCLであるものの打撃成績は飛び抜けていて2019年には4割を記録しているなどその打撃センスは既にAAAのレベルではありません。
 またバッティングスタイルはコンタクトヒッターで打率が高く、二桁本塁打を打つだけのパンチ力も備えもつという感じの選手です。

打撃の傾向

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 コンタクトヒッターなのでバレル率はメジャーの平均を下回っています、これは致し方ないところではあると思います。

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 ラインドライブ性の打球が比較的多いタイプのバッターで、安定して20%以上の数字を記録しています。またゴロが多く、ここからも彼のコンタクトヒッターらしさを伺えます。

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 打球の方向としては引っ張りが多い印象でついでセンター方向、逆方向へのあたりは思ったよりも多くない感じです。

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 左打席での打球傾向を見ると逆方向へのラインドライブ性の当たりがあり、引っ張り方向への打球は比較的多くない、広角に打ち分けている印象です。

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 一方右打席では逆方向への当たりは飛距離が明らかに伸びておらず、逆にホームランはよく出ていて右打席ではパワフルな打撃をしているという傾向が見えます。引っ張りへの打球も目立ち、右打席ではプルヒッター的な傾向があると言えます。

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 左右での打撃成績を見ていくと興味深い数字が見えてきます。左打席でコンパクト、右打席でパワフルな打撃という傾向でしたが通算成績を見ると右打席のほうが明らかに打撃成績がいいシーズンが多いです。左の方が好調だったのは2018年ぐらいで、あとは全て右打席のほうが結果が良いです。長打だけでなく打率出塁率でも右打席が勝ることが多く、右打席のほうが得意にしている印象です。ただ左打席は安定して高い打率を記録していてよりコンスタントに打っていけるのは左打席という見方ができます。
 左打席で気になるところとしてはちょっと三振が増える傾向があるところで、フォアボールも若干減るような傾向があるところです。左打席は長打も減少するので、そういった点では左打席に不安があると見ることもできます。

コース 左打席

 まず左打席のコースについて見ていきたいと思います。

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 左打席のインコース低めの対処に問題があると思われます。インコースが苦手なので左打席で長打が出ないという傾向があるのではないかなと思います。

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 左打席で結果が出ているのはアウトハイのボールゾーンという面白い結果が出ています。実際映像で見てもよくこの辺のボール球をレフト方向に打ち返していて高めの外角が得意なんだろうなというのがよくわかります。一方でインコースはかなり悪い数字が残っていて左打席のインコースを如何に克服するかどうかにかかっているでしょう。

コース 右打席

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 右打席もインコースの空振り率が気になるところと、低めの数字も悪目な感じです。一方高めのボールはやはり好きなようで積極的に振っています。

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 インローのボールゾーンとアウトはいのボールゾーン、かなり積極的に打っていくバッターですがここまでボールゾーンが好きなのは面白いです。真ん中高めも空振りこそあるもののかなり危険なゾーンです。一方真ん中低めは絶望的な数字で低めには苦手意識があるようです。

球種

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 直球に対していい数字が並んでいる一方で落ちるボールに対しても悪くない数字で、昨シーズンも打率こそ悪いもののxwOBAは直球よりもいい数字が出ていて、きっちり捉えられていることがわかります。
 一方曲がる変化球に対しての数字は芳しくなく、苦手であろうことが予想されます。もちろんスイッチヒッターなので逃げる変化球について考慮する必要性がなくなるのは良いのですが、こういった変化球に対する対処法を考える必要がありそうです。

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 フォアボールをほとんど選ばないバッターと言ってもいいですがボール球スイング率はそう悪くない数字で、コンタクト率はメジャー平均を上回っています。初級のスイング率もメジャー平均を下回っていて初球はそこまで積極的に打たないバッターのようですが最終的にフォアボールは選ばない、ゾーン管理能力の高さを伺わせる数字です。

走力

 sprint speedは27ft/sでメジャーリーグ平均と同等の数字です。平均的な脚力を持ち合わせていると言え、2018年にはマイナーで二桁盗塁を記録するなどある程度の機動力を使えそうです。

守備

 1番の問題となる守備ですがメジャーではセカンドでの起用が最も多く393イニングを守りUZR -0.3 DRS 4とポジティブな数字が残っています。ただヤクルトは山田が残留したためセカンドで起用される機会はそう多くないと思われ、この可能性は低そうです。

 ショートとしては16イニングでUZR 0.5 DRS ±0となんとも言いづらい数字で、ショートで起用するのは未知数という印象です。2018年にはマイナーで920イニングを守るなど経験が浅いわけではないので、ヤクルトの西浦や廣岡などがいる中で競争を促すという目的は果たせるかもしれませんし、場合によってはショートでの起用が普通にあるかもしれません。

 サードとしては98イニングでUZR -3.2 DRS -2と守備力には疑問があり、サードで起用するのは厳しそうです。三塁にはホセ・オズナが加入することなどから、サードで起用されることはよほどのことがなければないのではないかと思います。

 2020年はファーストとしての起用もありましたが経験が浅いこともあり数字はあまりよくないものが残っています。外野を守った経験もありますが、これもイニング数が少なくどの程度守れるかは未知数です。

成績予想

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 マイナーでの数字とメジャーでの数字をもとに予想した結果がこちらです。ファンの間では第二のエスコバーになるのではないかという不安も聞かれますがエスコバーよりもパワーがあり、エスコバーの二の舞となることはないのではないかと思います。

 マイナー通算の数字では.298 13HR 出塁率.344、メジャーでの数字では.270 22HR 出塁率.306です。やはりフォアボールを選ばないバッターなので出塁率が低いものとなってしまいましたが、ショートを守る選手でこれくらいの打撃成績があればかなり助かるのではないでしょうか。あとはショートを守らせるとしてどれぐらいの守備力があるのか、そこが問題となってくることでしょう。

 そんな感じのイルデマロ・バルガスの成績予想でした。

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