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幼稚園児が天文宇宙検定4級を受けてみた

エビデンスを求めて三千里、着太郎です。
もう昨年のことになってしまいましたが、息子が天文宇宙検定4級を幼稚園年長で受験したときの様子をまとめてみました。


宇宙への興味と関心

幼稚園の年中の頃から「サイエンスZERO」や「コズミック フロント」、「高校講座 地学基礎」などの番組を録画して再生すると、一緒に視聴する程度には科学や宇宙について興味を示している息子。

しかし宇宙の図鑑を買っても、「たまには読んでみたら」と声がけをしたり調べ物をする時に開くぐらいで、寝ても覚めても宇宙のことが気になる宇宙少年にはほど遠い、ごく普通の感じの関心度合いである。

『はやぶさ2の全軌跡』などは寝る前に何度か読み聞かせしたものの、自分で本を開いて読むようなことは1〜2度程度で、それっきり。

国際宇宙ステーションが気に入った様子だったのでプラモデルを買ってみても、日がな一日眺めているということもなく、飾りっぱなしである。

そんな折、福井県の小学生の大森くんが小学2年生で宇宙飛行士の公募に応募したことを紹介する記事と出会い、「天文宇宙検定」というものがあることを知った。

天文宇宙検定

天文宇宙検定を調べてみると、準1級を含む1〜4級の5階級で構成され、回答方式はマークシート式。2011年に始まり、2021年から年2回の開催になって既に12回が実施されていた。

監修委員には、インフレーション理論の提唱者として知られる佐藤勝彦、はやぶさ2ミッションマネージャーの吉川真、元宇宙飛行士の土井隆雄など、聞いたことのある顔ぶれが並んでいる。

天文宇宙検定監修委員の一覧
天文宇宙検定監修委員

第12回の過去問を見てみると、4級3級はふりがなが振られていて、回答方式も4択式なので、これなら幼稚園児でも問題なさそうである。

第12回天文宇宙検定4級問題・解答の例

4級受験の提案

過去問は問題なさそうなので、漫然と本や映像番組を見るよりは目標があった方がいいだろうと、早速息子に天文宇宙検定の受験を勧めてみた。

話してみると当人もやる気になったようなので、公式テキストと公式問題集を買った。履歴を確認すると購入日は2022年5月5日で、受験日の半年前に購入したようだ。

公式の問題集アプリもあったが、値段は紙版の公式問題集と同じ。既に紙版を購入済みだったのと、幼稚園児にスマホで学習させるのには抵抗があったのでこちらは断念。

受験対策

受験対策として、まずスケジュールを立てた。といっても、Googleスプレッドシートで受験日から逆算して何日頃にテキストがどこまで終わっていないといけないかを確認しただけだ。

毎晩寝る前にテキストや問題集を読み聞かせしたり、ラミネートした過去問を風呂場で解いたりした。Adobe Illustrator で作り込んだおかげで結局第12回の過去問しかラミネートを作れなかったのはここだけのヒミツ。

ラミネートした第12回天文宇宙検定4級の過去問

2022年5月29日開催の第13回は既に申し込みが締め切られていたので第14回を申し込むことになったのだが、履歴を確認すると8月9日頃に受験申込をしているようだ。費用は税込4,400円。高くも安くもない絶妙な値段である。

マークシート方式での受験は今回が初めて。第12回の解答用紙のサンプルが提供されていたので、慣れるためにこちらを印刷して実際に過去問を解かせてみた。4級は6割の正答で合格だが、一応8割ぐらいは正答できていた。

ただ、結局スケジュール通りには進まず、学習が十分とは言えない状態で当日を迎えてしまうことになった。

受験日当日

第14回の試験日は2022年11月20日(日)で、東京会場は新宿の「東京調理製菓専門学校」か飯田橋の「家の光会館」のいずれか。試験会場は任意で選べず、今回の試験会場は新宿の東京調理製菓専門学校となった。

英検Jr.をオンラインで受験したり四谷大塚のテストを受験したことはあったが、色んな年齢層がいる大規模会場での検定試験を受けるのは初めて。
親が遅刻しがちなので少し早めの30分前に着くように向かったらまだ開場していなかったようで、狭い西新宿の裏路地に長蛇の列が。教室は狭くなかったが、エレベーターは4〜5人くらいしか乗れない1台のみで、人数規模としては厳しい空間だった。結局狭い階段で5階まで登るはめになった。

教室に入るとオレンジ色の宇宙服を着た小学生がいた。ちょうど一月前の10月22日に開催されたJAXA相模原キャンパス特別公開2022でも同じ服装の子を見かけたので、ひょっとしたらその子だったのかもしれない。普段、息子から何かしらの「熱」のようなものを感じることが少ないので、できれば彼のように気合いが入ったことをしてほしいと無い物ねだりをしてしまう親心。

息子にとっては初めての雰囲気だが、多少緊張の面持ちはあるものの特段おかしな様子は見られず、問題なく受験できそうだったので、励まして試験会場を後にした。過去問では80点が取れるまでになっていたが、さてどうなることやら。

即席販売所

試験会場では狭い空間でグッズの販売や書籍の1割引販売が行われていた。試験後は相当の混雑が想定されるので、次の受験に備えて3級の公式テキストと公式問題集、2級の公式テキストを先に購入。テキストは2021〜2022年版なので次回用としては古くなってしまうが、内容は大きく変わらないという話だったので1割引で買っておくことにした。

天文宇宙検定2級と3級の公式テキストと公式問題集
天文宇宙検定2級と3級の公式テキストと公式問題集

お迎え

試験が終わるまで時間があるので、大学時代に時折利用していた近くのベローチェで待機することに。地下は喫煙室があり空気が悪かったので賑やかな1階でお茶を飲みながら先ほど買った3級と2級のテキストを読んで待機。

時間になって迎えに行くと大丈夫そうな様子。聞いてみると時間が随分余って暇だったようだ。合否はともあれ、大規模試験会場での受験は良い経験になったことと思う。

受検結果の通知

試験日から約2ヶ月後の1月13日に、12月に受験した地学オリンピック一次予選の結果と共に天文宇宙検定4級の合否通知が同日に届いた。

天文宇宙検定と日本地学オリンピックの合否通知

合否通知在中の封書を開けてみると、松本零士のイラストが書かれた合格証が。どうやら無事合格したようである。

天文宇宙検定の3級と4級は100点中60点以上で合格となる。成績表を見てみると得点は66点だったようで、どうやら合格点ギリギリだったようだ。試験後の余裕な様子だともう少し高得点かと思っていたが、やはり幼稚園児のためか回答にムラがあったようである。

天文宇宙検定4級の成績表

何はともあれ、合格という形に残るものが得られたのは自信にも繋がると思うので、良かったと思う。

次の受験

さて、無事合格することができて宇宙への興味も保たれたが、子どものことなのでいつ興味が無くなるかは分からない。せっかく宇宙のことを覚えたので、引き続き天文宇宙検定を受験することを勧めたところ、当人もやる気になっていた。次の2023年5月に受験した天文宇宙検定の様子はまた別の記事で。


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