中国北部6省における小児31症例

エビデンスを求めて三千里、着太郎 (@192study) です。

中国小児雑誌 Chinese Journal of Pediatrics (中华儿科杂志)で3月2日に公開された、西安市児童医院の王端らによる「中国北部6省(自治区)の小児における新型コロナウイルス感染の31症例の臨床分析(中国北方六省(自治区)儿童2019新型冠状病毒感染31例临床分析)」(DOI: 10.3760/cma.j.cn112140-20200225-00138) の紹介です。

期間
2020年1月25日から2020年2月21日まで

地域
陝西省6例、寧夏回族自治区6例、甘粛省2例、河北省2例、河南省4例、山東省11例

性別
男児15人、女児16人

年齢
平均7歳1ヶ月(6ヶ月から17歳)

既往歴
過去に健康で、基礎疾患の既往はなく、計画通りにワクチン接種された

臨床分類
無症状4症例(13%)、軽度13症例(42%)、一般的14症例(45%)

症状
発熱20症例(65%) うち高熱(39.1〜41.0℃)1例、中程度(38.1〜39.0℃)9例、低熱(37.3〜38.0℃)10例
発熱期間は1〜9日、15症例は3日未満、5症例は3日以上
咳14例(45%)、疲労3例(10%)、下痢3例(10%)、のどの痛み2例(6%)
鼻水、めまい、頭痛、嘔吐はまれ

治療
このグループの子供が使用する抗ウイルス薬の種類、使用方法、投与量は病院ごとに異なり、併用薬も異なるため、抗ウイルス薬の有効性を判断することは困難。抗ウイルス薬の負の影響と適用可能な年齢特性を組み合わせて、抗ウイルス薬の有効性と安全性、子供の適用可能な年齢、投与量、治療経過を十分に考慮し、起こりうる副作用を注意深く観察する必要がある。

予後
入院後、31人の児童に一般治療が行われ、短期予後は良好。全児童の体温は治療後に正常に戻り、呼吸器症状または胃腸症状が改善または消失。
2020年2月21日現在、25人のPCR検査が陰性になり、陰性検査の期間は7〜23日、6人は経過観察で入院中。
長期予後を追跡する必要がある。

その他
2019-nCoV 感染症の小児の死亡例は報告されていないが、死の潜在的なリスクは無視できない。重症急性呼吸器症候群と中東呼吸器症候群の流行時、小児の臨床症状は比較的軽度だが死亡例がある。

新型コロナウイルス(COVID-19)の乳幼児に関する情報

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