日比谷公園

散り際

 「散る桜 残る桜も 散る桜」*良寛和尚辞世の句

 桜開花予報、桜前線という言葉があるように、日々のお天気同様に咲く前から意識される国民的花が他にあるのだろうか。梅、紫陽花、向日葵、ラベンダーとnewsに扱われる花はあってもそれら多くは地域限定が多く、桜のように身近で触れ合うものではない。
 週末の雨で一気に散ってしまうのかとはらはらしていたが、今年は気持ちいつもより花を愛でられる期間が長いように感じる。
 映画を観終わった後、日比谷公園まで出向く。雨が上がった後の雲が残る夕暮れの中であっても桜の花が咲いているそこには華やかさという明るさがあり、同時に散った花びらがそれもまたきれいな風景の一部になっていた。
 散っていく姿、散り際まで美しい花、今年の桜の季節もあと僅か。
 

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