見出し画像

別れた恋人からのプレゼント


皆さんは、別れた恋人たちからのプレゼントをどうしていますか?


全部捨てる?全部残す?気に入っている物だけ残す?残すけど身に付けずに、引き出しの奥深くに眠らせておく?そして時折そっと取り出し眺めて、センチメンタルな気分に浸る?
 


私は全て残し、なおかつ別れたあとも身に着ける派である。

私はアクセサリーを日常的にほぼ身に着けない。ネックレスは首が痒くなるし、ブレスレットは仕事中には相応しくないかなと思う。
そんな中、唯一毎日身に着けているのがピアスである。


学生の頃はプチプラの物もたくさん持っていたが、社会人になって断捨離し、安物は全て捨ててしまった。数百円の物を付けてても気分は上がらないし、すぐに錆びて耳が痛くなってしまうから。
今は厳選した5種類をローテーションで付けており、そのうち3つは元恋人たちが買ってくれたものである。


それは毎度同じシチュエーションで、私の誕生日に、何が欲しい?と相手から聞かれ、
「あなたが私に似合うと思うピアスを選んで、プレゼントしてほしい」
とお願いして与えられた。

当然といえば当然だが、それらのデザインはそれぞれ全く違っていて。
あの人には私がこんなふうに映っていたんだなあと、一緒にいた頃をたまに思い出す。


その3種類のピアスを付けるときは、かつて愛してくれた男達にありがとうの気持ちを唱えながら耳に通している。
例えそれらがどんなに悲しい幕引きで、最後は互いの気持ちがなくなってしまっていたとしても。

あの時、あなたが私に似合う形を一生懸命選んでくれた、その愛は本物だったと疑いなく思えるから。
このピアスをプレゼントしてくれた3人を、私も本気で愛していたから。


美しい思い出として残し、死ぬまで身につけ続けたいと思っている。


逆に、私が好きになれなかった人からのアクセサリーは絶対身につけたくない。し、受け取ることすら拒んできた。


今まで男性に用意してもらった中で一番高額だったのは、間違いなくあの人からの婚約指輪だけど。
パカッとそれを見せられたとき、一ミリも嬉しくなかった。本物のはずのダイヤの輝きが、ダイニングの白々とした蛍光灯に照らされて、この上なくチープなイミテーションに見えた。



人生、上手く行かないねえ。



手に入らないものこそが、永遠に思い出の中でまばゆく輝き続けるのだとしたら?


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?