相田冬二、映画×俳優を語る。【第1回 東出昌大 】
※初出:2020/05/31 necorative.hatenablog.com
*今回、本トークショーでMCを担当させて頂いた関係で、簡単な紹介記事を書かせて頂く運びとなりました*
第1回は、東出昌大
2020年4月30日、「ZOOM」を使った「相田冬二、映画×俳優を語る。」トークショーの第1回が昼・夜の2回に分けて開催されました。
題材に選ばれた俳優は、東出昌大氏です。
今回私は、観客であると同時に、MC進行役・ZOOMヘルプ担当を務めさせていただきました。兼ねてからホビー・カルチャー関係の場でMCを経験させて頂いていたこと、また、今年の4月に入ってからZOOMを用いてのリモートイベントを主催・参加する機会が増えたため、なにかお力になれればと思い、立候補させていただきました。
相田氏の映画・演技に向ける情熱~優れた演技とは~
東出昌大氏は、棒読みと評されることの多い役者です。東出氏の演技は棒読みだから良くないと、そのように評されることが非常に多い。筆者自身は東出氏の多彩な出演作を楽しみながら、そのような世間の苦言に対し、言語化できない違和感を覚えていました。
相田氏のトークショーの冒頭は、まさしく私達の、そのような違和感を解決してくれるものでした。
感情豊かな演技表現は、多くの役者により演じられ、多くの観客によって受け入れられるものです。一方で淡々と話す演技は逆に難しいのだと、相田氏は語ります。
なぜ抑揚をつけて話すかというと、感情表現があるほうが伝わりやすいという経験値があるからそれに従っている。淡々とした話し方は、観客に届かないかもしれないという危険性がある。その危険性を伴いながらも、東出氏は、その登場人物がその登場人物でしかない、という表現のできる役者であるとのこと。
東出昌大は、映画に愛された役者だ
相田氏は、俳優の演技は映画そのものを超えてもよいのではと、と語ります。監督の要求にこたえるのは俳優の第一であるが、その要求を乗り越えていくこともあります。
「クリーピー偽りの隣人」「散歩する侵略者」「予兆」で東出氏を起用した黒沢清監督は、自分の意図を超えた演技であってもそれが素晴らしければ採用する、そういった監督なのではないかと相田氏は語りました。
相田氏が東出氏の演技ナンバー1と評した「散歩する侵略者」では、映画が東出に負けたのかもしれない、そう語られました。
東出氏の今後について
東出氏は映画に、ひいては優れた映画人に愛された役者であると、相田氏は評します。すでに優れた結果を積み重ねているので、それを見て起用したいと思うのはとても自然なことだ、と力説されました。
映画業界や映画のプロは、これからも東出氏をキャスティングするだろうと。
東出氏が映画全体・映画監督のステージを上げるのにきっと貢献するだろうとも。
力強く語る相田氏の言葉は、ファンとして心強いものとなりました。
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