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1899抹茶ビールができるまで

レストラン1899お茶の水のディナータイムで一番人気のアルコールドリンクである「1899抹茶ビール」。ここではその1899抹茶ビールの誕生秘話をご紹介します。

抹茶ビールができるまで

お店オープン前に看板商品となるドリンクを作りたいという開業スタッフの思いのもと、お店のコンセプトでもあるお茶を使ったドリンクを検討していました。ここ最近アルコール離れが進んでいるとは言え、やはりまだまだ乾杯のビールの注文が多いのも事実。あるスタッフがお茶を使ったビールカクテルを作れないものかと案を出しました。ビールは極端にアルコール度数が高くないものの、プリン体やカロリーなどを心配する方は多いですよね。ビールっ腹なんていう言葉があるくらいビールに対する健康的イメージはほぼゼロに近いのではないでしょうか。そんなビールで、普通のビールを飲むよりも、少しでもお茶の健康的要素を取り込めるものが出来れば素敵ではないかということで、私達はさっそく試作を始めました。

ちなみにこの段階で焼酎や日本酒、梅酒、緑茶リキュールなど様々な案が出ていたため、平行してそれらの開発を進めていきました。

失敗の連続~小さな開発会議室での挑戦~

開発は六畳間程度の小さな会議室でスタッフ3名で行いました。昼間は会議などもあり、そもそもアルコールを昼間から飲むわけにもいかないので開始時間は毎回18時以降。それも美味しいお酒を飲むならまだしも開発は失敗に失敗が重なり、まずいお酒をダラダラと飲み続けモチベーションも下がりぎみになってきます。途中のぞきにきた他のスタッフは、「学生時代に一晩飲み明かしていた時の一人暮らしの家の臭いがする」と言っていました。

開発では様々なものを試しました。まず煎茶やほうじ茶などダメ元でビールと合わせてみましたが、これが見事に予想的中で美味しくなく、次に期待の抹茶を入れてみましたがこれもうまくいきません。
抹茶が溶けずに沈殿、また一部のものは浮いてきてしまい見た目が良くない仕上がりに。もちろんかき混ぜればそれなりに溶けるのですが、ご存知の通りビールは炭酸飲料。美味しい炭酸が抜けてしまい、これもうまくいきませんでした。

そんな中、あるスタッフがグリーンティーリキュールを提案。後日そのグリーンティーリキュールを購入し、期待膨らませ試作を行いました。見た目は深緑よりも黒く綺麗な色でなく、表現しづらいのですが泥のような味で、ビールとの相性はイマイチでした。もともとカクテルで使われるリキュールだけあって期待していた分私達はがっかり。その後、抹茶を温めたり、茶道のように点ててビールと合わせたり、色々試してみましたが、そもそもうまくいかないのに加え、乾杯のビールを提供する時に一つひとつお茶を点てたりする時間も無いことや、ビールがぬるくなってしまうなど、現実的ではありませんでした。

抹茶ビールの誕生~スタッフの苦闘と成功~

そんな試行錯誤の中、抹茶と水を合わせ事前に溶いたお茶と合わせることで何とか開業までに間に合い完成しました。一番の苦労は粉が残ってしまう点でした。今ではスタッフが毎日その日の1899抹茶ビールの素となるお茶を用意し、皆様をお迎えする準備を整えております。

想いが詰まった深緑~1899抹茶ビールのビジュアルと味わい~

1899抹茶ビールを飲まれた方の感想で一番多いのは、ビールのほろ苦さと抹茶の苦味が合う、ビールのネガティヴな香りが抹茶の香りで包まれ、確かに抹茶を感じることができるというものです。気に入っていただき2杯目、3杯目をご注文いただくお客様も少なくありません。お茶にはカテキンやテアニン、ビタミンCなど身体に良い成分が含まれており、さらに抹茶をそのまま飲むことで茶葉をそのまま取り込んでいるので、通常の淹れるお茶では取り込めない食物繊維などの不溶性成分も摂取できます。私達は「ビールをそのまま飲むよりも身体に良いですよ」とオススメしております。

見た目は青汁のような深い緑色をした1899抹茶ビール。抹茶とビールの相性に加え、1899抹茶ビールに我々スタッフが込めた想いも合わせて味わっていただければ光栄です。 レストラン1899お茶の水にお越しいただいたら、まず1899抹茶ビールをお楽しみ下さい。