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【3分で読める】セールス担当も着地まで責任もて(木戸)

博報堂時代の『心・技・体』…心その⑧

こんばんは。HDAの木戸です。

今日は、僕が博報堂のスポーツ局にいたころに、当時の上司にコンコンと言われていた心得について共有します。

博報堂スポーツの部署にいた僕は、当時2つの役割を担っていました。スポーツビジネス部という、主にゴルフコンテンツをプロデュースするスタッフとしての役割と、業務推進部という、いわゆる”セールス部隊”としての役割の2つです。

主に、スポーツコンテンツをプロデュースする前者の役割では、自身がスポーツイベントの現場に立ってプロデュースする立場ですが、業務推進部の立場はセールス部隊なので、原則、協賛企業を獲得すれば、あとのプロデュースはプロデューススタッフに任せるのが一般的です。

ただ、当時の上司は、セールス部隊である『業務推進部』も「自身で決めた(獲得した)企業協賛のアクティベーション(施策)は着地(=現場)まで行って仕切れ」というメッセージを常々伝えていました。

個人的には、「責任をもって最後まで見届けるのは当然」と受け止めていましたが、改めて上司の指導を想いかえすと、スポーツビジネスにおける大切な視点がそこにあったように思います。

スポーツコンテンツのスポンサーセールスを経験すると非常に実感することですが、セールスとプロデュースは1つの輪でつながっている、ということです。

1つの輪というのがどういうことかを説明しつつ、着地まで責任を持つ重要性を2つ挙げます。

スポーツコンテンツをセールスする際には、協賛費の対価としてベネフィットと呼ばれる、得られる協賛メリットを提供します。

例えば、看板の広告枠だったり、放送があるコンテンツは、番組内のCM枠が代表的なベネフィットです。

他にも、サンプリングやキャンペーンなどのアクティベーションの実施権だったり、時には出場選手のイベントへ起用する権利などもあります。

セールスの際に、ベネフィットを提案し、協賛を決めた企業へ価値提供の「約束」をするのです。

着地まで責任を持つ重要性の1つは、この、「約束」を見届けることです。

約束を守り、価値を提供できれば企業側のコンテンツと我々に対する信頼度は高まり、次のスポンサードにつながります。

だからこそ、着地まで責任を持つことが重要です。

もう1つは、次回に向けてコンテンツの価値をさらに高めるために、現場を見て改善点を抽出する必要がある、ということです。

セールス⇒プロデュースの関係は、以下の図のようになっています。

セールスプロデュースの図

セールス時に行った約束をプロデュースの部分で全うする。

それと同時に、プロデュースの現場で次なるセールスに生かせる改善点を見つけるのです。

博報堂生活を通して、常に「現場を見ろ」と言われてきました。

机上の空論では見えてこないことが、現場に行くことで、大小さまざま見えてきます。

例えば、企画書上では映えていた企業(商品)露出の場所が、導線上あまりよくない立地だったり。

競技スケジュールにも関わりますが、選手とファンが触れ合うポイントをつくってコンテンツに対するファン満足度をUPさせたり。

さらには、事前・事後の施策としてクライアントの社員を巻き込んで社内モチベーションを向上させる施策を次回に向けて練ってみたい、など。

現場にいると、アイデアが溢れるように出てきます。

少し余談ですが、スポーツコンテンツの目的は、大きく分けて以下の5つです。

【スポーツコンテンツのスポンサードの目的】
①認知度UP
②ブランディング(イメージ醸成)
③販売促進
④社内施策(インナーモチベーション)
⑤社会貢献

上記の目的が頭に入っていると、現場を歩いているだけでアイデアが出てきます。

こうした、今大会の改善点を次につなげる視点が、非常に重要なポイントです。

一般的なマーケティングの用語でいうと、PDCAをまわす、というのに近いですが、そこで次の開催に向け改善やコンテンツ力の向上を果たせば、セールスする際に、それは生きてきます。

次回に向け、集客力がUPするなど、目に見えるメディア価値の向上はより強いアピールですが、そうでなくても、選べるベネフィットを増やしたり、既存ベネフィットがより魅力的に改善すれば、総合的にコンテンツ力UPにつながるので、セールス力も自動的に向上します。

スポーツ協賛は一種の投資なので、企業のスポンサードによりコンテンツを育てて、さらに大きな価値を「約束」できるかは非常に重要なポイントになります。

これが、セールス⇒プロデュースは1つの輪になっている、という意味であり、着地まで責任を持つ2つ目の重要性です。

この教えは今の仕事でも生きており、博報堂を退職しフリーになった今は、企画⇒現場に全て関わる必要があります。

企画⇒現場の全てに責任を持つ意識は、博報堂時代にも当然のように持っていたので、今でもそう心がけています。

以上。今日はこのへんで。(木戸)

このnoteでは、★色んな働き方、生き方があるということをシェアして、結果的に、多くの人が目の前の仕事に忙殺されるだけの人生ではなく、自分の意志で取捨選択した人生やキャリアを歩める世の中になることを願って書こうと思います。僕にとっては、博報堂時代のサラリーマン人生も、その後のフリーの木戸俊介としての経験も、どちらも欠かすことはできません。両方あるから、今の木戸俊介がいると思っています。そういう意味では、特に、今後の将来に対する期待と不安が入り混じる同世代、★29歳~38歳の企業マンに向けて話すつもりで書けたら良いなと思っています。

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