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CanSEEK™とパイプライン(POINT Biopharma)

イーライリリーが買収したPOINT Biopharma…その目的はなんなのか、調査していきたいと思います。


CanSEEK™テクノロジー

まずはHPの中でも目をひくCanSEEK™!
ここから掘ってみましょう!

POINT BiopharmaのCanSEEK™テクノロジーは、がん治療において放射性医薬品の精度と安全性を高めることを目的としています。
CanSEEK™は、FAP-α(線維芽細胞活性化タンパク質-アルファ)という酵素が腫瘍微小環境に存在する場合にのみ、放射性リガンドが受容体に結合できるようにする技術です。
このアプローチにより、放射性リガンドが腫瘍細胞に特異的に結合することができ、健康な細胞への影響を最小限に抑えることが可能になります。FAP-αは多くの固形腫瘍で高度に発現していますが、健康な組織ではほとんど、またはまったく存在しない特性があります。
※この癌細胞に沢山ある酵素で切断されて放出されるテクノロジーって第一三共のエンハーツ等のデルクステカンファミリーに使われているリンカーと同じコンセプトですね!これはなんか良さそうな匂いがする…

POINT Biopharmaは、この技術を用いて、さまざまな固形腫瘍を対象とした新しい放射性医薬品を開発しています。具体的には前立腺癌の治療に焦点を当てたPNT2002や神経内分泌腫瘍の治療に使用されるPNT2003などが含まれます。さらにPNT2004は、前述のFAP-α自体をターゲットとするプログラムです。

POINT Biopharmaは、放射性医薬品の製造と供給チェーンの重要性を強調しています。放射性医薬品は日々生産され、使用可能な寿命は数日に限られているため、製造と供給チェーンが成功の鍵となります。同社は、放射性医薬品をより効果的にターゲット化し、外来設定で投与できるアイソトープ(同位体)を組み合わせることに注力しています。これにより、これらの治療法を特殊な施設から外来設定へと移行させることを目指しています。

現在注力しているアイソトープがLu-177(ルテチウム-177)とAc-225(アクチニウム-225)などの放射性アイソトープです。これらのアイソトープは、特定の受容体を過剰発現する腫瘍に結合するリガンドと組み合わされ、腫瘍内の細胞のDNAに損傷を与え、細胞死を引き起こす高エネルギー粒子を放出します。

ただ重要な点として、POINT Biopharmaは、Bach BiosciencesおよびAvacta Life SciencesからCanSEEK™のサブライセンスを取得しており、Avactaではこの技術をpre|CISION™としてブランド化しています。なので今回イーライリリーが買収によりCanSEEK™テクノロジーをまるっと得られたか?というと疑問が残ります…

それでは目ぼしいパイプラインはなんでしょうか?続けて掘っていきます。

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