見出し画像

HS-20089(Hansoh Biomedical)

今回はHansoh BiomedicalのHS-20089を掘っていきます!
HS-20093の前にGSKと契約した開発品です。



B7-H4

まずはターゲットのB7-H4から見ていきます。
B7-H4は、正常組織での発現が限定的である一方、多くのがん組織で高発現していることが知られる膜タンパク質です。
B7-H4はB7ファミリーに属し、このファミリーは免疫系の重要な調節因子です。B7ファミリーのメンバーは、T細胞レセプターやMHC(主要組織適合複合体)との相互作用を通じて、T細胞応答を刺激または抑制する役割を担っています。

正常組織では、B7-H4の発現は厳密に調節されており、ほとんどの正常組織での発現は限定的です。ただし、胸腺、脾臓、腎臓、胎盤、女性生殖器系、肺、膵臓など特定の組織ではB7-H4の発現が観察されています。

HS-20089の副作用もこのあたりが怪しくなりそうですね🤔

B7-H4の発現が増加はがん細胞の免疫逃避につながることが示唆されています。

B7-H4は、T細胞の増殖やサイトカインの分泌を抑制し、免疫応答を抑制する役割を持っています。ここを増やし、使うことでがん細胞は免疫系の監視から逃れることができます。

B7-H4の発現が高いがんには、乳がん、卵巣がん、非小細胞肺がんなどが含まれます。

HS-20089

HS-20089は、ヒト化された抗B7-H4 IgG1モノクローナル抗体と、プロテアーゼで切断可能なリンカーを介して結合されたトポイソメラーゼI阻害剤(抗がん剤)を組み合わせています。この設計により、B7-H4を発現するがん細胞に抗がん剤を標的配送することを可能にする抗体薬物複合体(ADC)です。

免疫逃避をおさえつつ、直接抗がん剤をがん細胞に届けよう!というコンセプトですね。


ここから先は

1,146字
この記事のみ ¥ 100
期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?