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ギ・ド・モーパッサン『狂人日記』



はじめまして。
最近読んだ本の感想をぽつぽつ書いてみます。
頭の中に浮かんだ言葉で、日記みたいに。

良ければ、おすすめの本を教えていただけると嬉しいです。
たくさん読みたいし、おすすめの本を探しに行くのって、なんだかわくわくします。



『狂人日記』について

サクッと読める作品でした。
中身について触れます。
ネタバレしないで書いてみようと試みたけども、わたしの力では無理だなとさくっと諦めました。




「就いている職と本人の性格が必ずしも一致するわけではないんだなあ」
という感想。
医者の不養生、とは少し違うのかな。
清廉な裁判官が亡くなり、遺品の日記を手に取った人物が知った彼の思考(嗜好とも言うかも)。

狂っている、というのはあくまで他人から見た評価。
本人としてはその感覚は無かったんであろうな。
狂ってるわーって思いながら止められないのは依存な気がする。

彼自身を魅了しているのは、「死」なのか「殺す」ことなのか、どっちだろう。
手の中で生命が途絶える瞬間をかなり好んでいたようだから、この場合は後者?
しかしながら、生きものとは?と問う表現から、生死について独自の理論があるようにも感じる。
「死」を迎えるために「殺し」ているのか、
「殺し」た結果として「死」が付随しているのか。
彼の中で最も「生」を感じる瞬間であったのは確かだと思う。

清廉な、裁判官って簡単にまとめてしまったけど、
犯罪者たちが顔を見るだけで怖がってしまう(かわいい感じになるなあ)人物って、
善良な一般市民からすればめちゃめちゃ心強いよね。
全員を恐怖で統治している訳ではないし、
恐らく行動に一貫性がある人物なのかな?
そんな彼があんなことしていたら、
間違いなく皆が慄く。

日記を見つけた結果、彼の人生への評価は大きく変わる。
でもそれも楽しんでそう。


実は、読む前は裁判官がもっと捻じ曲がった狂い方をしていると思い込んでました。
「こんなことされちゃうのはお前が罪人だから!仕方ないよね!これも正義だから!」
と言った感じで…。
わけわからん正義をぶつけてくるタイプの狂人かと。
分かりやすい狂人でした。




この小説を読んでいて思ったんですが、
作品によって血の描写って全く異なると思いませんか?
いや、当たり前ではあるんですけど、
鮮血なのか、赤黒いのか、(動脈と静脈かな?)
ねっとりとしているのかべたつくのか、といった感覚です。

今回のような殺人ではなく、医療の場面でも血は出てきます。
その場を支配する役割を持つ血は、
「見る者」「枯らす者」「助ける者」「持ち主」のそれぞれから違ったように見えているんだろうなあ。


というわけで、拙い文章ですが、読んでくださってありがとうございました。
最初にも記載しましたが、
良ければおすすめの本を教えていただけると嬉しいです。
小説、文献、ポエム、思いつかないけどいろんなジャンルを読んでみたいです。

次回は『人間椅子』にしようかな。
それでは。


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