見出し画像

漫画家になるまでの道のり【漫画塾への参加編】

2/19発売の週刊ヤングマガジンで、短編読み切りを掲載していただく予定になりました。
形式上、漫画家デビューという事になります。
ウェブ漫画でもお仕事をしていますが、紙の本に載ることは一つの到達点だと思い、振り返りも兼ねて、漫画家を目指すことを決めてからここに至るまでの道のりをつづります。
長くなりそうなので、章を分けて書いていきます。

漫画家を育成する塾が故郷で開催

「武論尊100時間漫画塾」という、漫画家育成プログラムが私のふるさとの長野県佐久市で2018年頃から毎年開催するようになりました。
あの「北斗の拳」原作担当の「武論尊」先生のふるさとでもあり、最近町おこしにご協力いただいているみたいです。

北斗の拳デザインのマンホールやラッピングバス、佐久平駅の新幹線改札で出迎えてくれるジャギ像などが佐久市を彩っています。
世紀末かな。

しかしこの漫画塾は、武論尊先生が自ら以前から立ち上げたいと考えていたものだそうです。

先生が今まで関わってきた漫画家さん・編集者さん、時には武論尊先生自らが漫画家デビューを狙える作品の作り方について講義をしてくださいます。
しかし、漫画家さん・編集者さんへのギャラは
先生のお財布から支払われ、塾生は完全無料でそれらを受けることができます。

慈善事業ってレベルじゃない…

漫画塾への応募、そして参加

私は2021年5月、やりたい職について考えていました。
私は人の顔色を気にしすぎて自分が嫌われているなど、あらぬ事を考えてしまう癖が生まれつきひどく、人と関わる仕事は合っていないから避けた方がいい、と主治医からも言われておりました。
そこで、自分に合ってて趣味のお絵描きを活かせる仕事である漫画家を選択肢の一つに考えました。

そこで地元で開催している、武論尊100時間漫画塾について調べました。
無料でレジェンド級の講師からの講義を受けられるというノーリスクハイリターンで、さらに故郷での開催だったので精神的に通いづらくなってしまうリスクが小さいという、自分にとって都合の良い要素しかなかったので、応募を決めました。

応募には、4P以上の漫画(原作志望はプロット)・これまでの漫画歴を記した書類を提出しました。

約三年前の、漫画について何も学がない頃の作品なので、完成度の低さは大目に見てください…

落ちても来年また応募すればいいものを、どうしても参加したくて、受からなければ一生の終わりだと思って、一生懸命描き(書き)ました。
選考中の時も、不安で毎日吐き気がおさまらなくて、気が気でなかったです。

そしてその思いが届き、合格の通知をいただきました。
その後、運営委員会の方との面談を経て、2021年9月からの第4回武論尊100時間漫画塾に参加しました。(コロナ禍だったので、開催時期が例年通りではありませんでした)

講義や課題で漫画原作の楽しさを知る

講義や課題の内容は門外不出のためこちらでは描けませんが、初回の講義からとても面白い話を聴いて、興奮がおさまりませんでした。
世の中で人気の漫画は何故人気なのか、その理由がとても本質的で理にかなっていて、そういう話を聴くのがとても好きだったので、そこで私の中の何かが目覚めました。

漫画は絵を描くためだけに今までやってきていたけど、実は原作も楽しいのだと。
受けた講義の内容を活かせているか確認するため、課題も出されました。
私は、自分になかった原作の才能を、育ててくれた講師の方のため、頑張って取り組みました。

その課題の講評は、スクリーンに投影して全員の前で武論尊先生がコメントします。
私の提出したものはプロット・設定資料で、ストーリーなどは厳しめの評価でした。
しかし、開口一番に言ってくれた言葉があります。
「絵がすごく上手い」
これを、何度も言ってくれました。

絵を描くことは、食事や睡眠と同じくらい重要なこととして私は生きていました。
それをレジェンド作家さんに褒められたことが嬉しくて、講評が終わった直後に、次の作品に取り掛かっていました。

この漫画塾でたくさん学びを与えられた、漫画のスキルを育てられたことが、自分が漫画家になれた一番の大きな後ろ盾です。

楽しいという気持ちが最も努力に繋がった

この経験を経て、見出しのような気づきがありました。
私は今まで、勉強もスポーツも落ちこぼれで、とにかく努力ができませんでした。
しかし唯一、絵を描くことはとにかく続けていました。
もっと上手くなりたい、憧れの作家さんのような魅力的な絵を描きたいと常に思いながら描き続けていました。
それは「楽しい」から、勉強やスポーツと違って継続できたことでした。

私は意思を持ってこれをやろう、というのが出来ず
楽しいからこれをやろう、という気持ちを様々な物事の動機としていました。
なので漫画家の夢は叶えたのではなく、気づいたら叶っていたものでした。
努力したという認識も正直全然ありません。
今まで漫画に費やした時間もどれくらいだったか、測っていたら多分自分でも驚くくらいにはなっているかもしれませんが、私の中ではお気に入りのゲームに没頭しているのと変わりないです。

もちろん目標や強い意思を持って夢を叶える、というやり方の人々もいます。
ですが、どうしてもそのように出来ないという方は、私のようなタイプかもしれません。

本筋からずれたような気がしますが、【漫画塾への参加編】は以上です。
次回は「担当さん」がついた時のことについて綴っていきます。

もし面白かったら、いいねやフォローを押していただけると嬉しいです。

この記事が参加している募集

#仕事について話そう

110,545件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?