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働かないオジサン問題と若い世代の雇用問題

最近なにかと話題になる、働かないオジサン問題。企業側としては何としても、少しでも排除したいところだが・・・

twitterのイーロンマスクの様に世間の批判をブッちぎって働かないオジサンをリストラで一掃してしまいたいところが、日本ではなかなかそうはいかない。

それどころか、上の記事では働かないオジサンを一掃すると若い世代の雇用が犠牲になると言うのだ。え、オジサンを一掃して、何故若い世代に影響するの?と思うかもしれないが、そのロジックはこうだ。

  1. そもそも・・・日本の給与体系は年功序列で年齢給の占める割合が高いのでその人の実力、功績とはかならずしも一致しない。

  2. 日本は基本、新卒一括採用である。新卒は何のキャリアもないので最初の数年は教育とOJT(現場実習)である。企業に対する功績は少ないが給与はちゃんともらっている。(将来性を見込んで)

  3. それより上の中間のバリバリの働き盛りの世代。ここは実際の功績より給与が抑えられている。それは上の新人~若い世代の教育、育ててもらった分を企業はここで取り返しているのである。

  4. 更に上の世代。そろそろ定年が見えてきた世代。ここはパフォーマンスとしては中間の働き盛りの世代からみると随分見劣りする。そろそろウィニングランに入る世代であるが、ここは実際の功績よりも給与を多く貰っている。また、ゴールイン後の花束(退職金)の影もチラホラ見えてきている。

と、いった具合に各年齢のステージ毎に給与カーブが決められている。それに多少ブラスα、またはマイナスαで功績が反映されるというのが典型的な例。必ずしも、給与は実力、功績とは比例しないのである。

さて、こんな状態で後半の世代の働かないオジサンだけを功績が低いからと言って、そこだけスッパリと一掃することができるだろうか?おそらく、「不公平」という言葉があちこちからでくるし、じゃその「不公平」をどう解消、埋め合わせすればいいのさ?って、誰も答えが出せない。

と、なると全年齢に渡って給与体系を見直さないといけない。

上の記事の著者はその人の本当の実力、功績にマッチした給与体系を導入するつもりで言っているのではないか?(実力給)

そうなれば、働かないオジサンも働いた分(功績)に見合った給与になるし、企業は余計に払わなくてもいい。働いた分なので文句も言えない。

そうなるとチラホラ見えてくるのがジョブ型雇用である。私、ワニは
究極の会社の未来像は経営陣と一部の管理部門だけで、残りは非正規のジョブ型雇用だと思う。経営陣と一部の管理部門の社員はほぼ固定であるが、その他は仕事の内容、仕事量によって入れ替わる。

しかし、ジョブ型雇用になると逆に若い世代は不利になる。何しろ新人一年目なんて何のキャリアも実績もないんだから。そのポジションに付きたくても付けないことになる。今は新卒が「金の卵」扱いで企業側から丁重に扱われているが、ジョブ型雇用になると全く立場が逆転するという珍現象がおきてしまう。

ただ、今の会社の労働者側の社員をそのまま非正規雇用にシフトすると会社側が儲かりすぎてしまう。(そりゃ、そうだろ、色々な費用や福利厚生費用がまるまる浮くんだから)なので、福利厚生(健康保険、厚生年金等)の待遇は落とさずに、非正規雇用にシフトする。そうすれば、今までの正規雇用と非正規雇用のような不公平な待遇もなくなる。てか、正規雇用と非正規雇用の区別もなくなるか。同じ待遇だから。

あと、問題がひとつ。その究極の会社の未来像だと、誰も社員を教育しなくなる。ジョブ型雇用はその職務に見合ったスキルの人を採用する形式だから。そのポジションに付きたかったら自分で学ぶか、自分でスキルアップしてから応募しなければならない。今までの日本企業のように手厚い新人研修なんて受けられなくなる。(その分、企業は今までの教育費用が浮くってことか?)

そうなると、社外の社会人向けの色々なスクールが増えてくるのではないだろうか。実際、ジョブ型雇用の米国では、そのポジションに付きたかったら、一旦退職してスクールや大学に通って、スキルアップしてから応募してくるのが当たり前だから。そういうスタイルになっていくのだと思う。

と、思うのだが・・・実際そうなるかどうかは保証の限りではない。

100ワニをパクって退職エントリでバズろうとしたけど、全然バズらなかったワニ。 副業のオファーあればよろしくお願いします。 Twitterのフォローもよろしくおねがいします。@180wani