ご馳走様でした。ありがとうございました。

昨日は天気が良かった。さらに大学で火曜日に登録している授業が無かったのだ。(コマがないともいう)
よし、出かけよう。こう思うのに充分な理由だった。

ということで出かけた。もちろんマスクもしたし、手の消毒もしっかりとしてである。
久々に電車に乗り、ガタンゴトンと揺られながらの一人旅、適当に降りた駅で昼食をいただくことにした。

駅の近くをぶらつき、いい感じにお腹が空いてきた頃、一つの店を発見した。その店はあまり大きくない、いわばこじんまりとしている、いわゆる、隠れた名店といった感じ。
看板には日替わり定食しか書いておらず、他にはないのか?と私が入るか悩んでいると、店からお客さんが出てきて、私に向かってこう言った。

「この店おいしいですよ!おすすめです!」

団体客(3名程)が店をすすめてくる。そんなに美味しいのか。うーん、これは入るしかない。

入る。
・・・メニューがない。どうやら日替わり定食しかないお店のようだ。
店員はお婆さんが2人。いかにも地元の店という様だ。
席はカウンター席だけで、椅子が10席少々くらいだった。
気になる日替わり定食の中身は

・白ご飯
・千切りキャベツとトマトのサラダ
・おしんこ
・味噌汁
・鯛の煮付け
・鳥の唐揚げ

だった。鯛...鯛かぁ。何という豪華な。
そして値段はなんと「800円」。中々良い感じだ。早速食べよう。

「うまい!」

これが去年なら某鬼退治漫画を真似して

「うまい!うまい!うまい!」

と書いていただろうが...まぁそんなことはどうでもいい。

サラダは瑞々しく、唐揚げは揚げたてでジューシー。食べると油が出てきて、程よく熱いのだ。
鯛もしっかりと煮てあって、味わい深い。
特に味噌汁が美味しかった。

定食を頼んで「1番楽しみな料理は何ですか」と聞かれたら「味噌汁」と答えるくらいには好きだ。そんな私が飲んだこの味噌汁、とても美味しい。
手作りの白味噌で、具は豆腐にワカメというオーソドックスなもの。
この味噌汁のおかげで、歩いた疲れが取れたと言って良いくらいに元気をもらえた。

しばらくして店を出るかどうか悩んでいると、お客の1人が話しかけてきた。そのおばあさんは人と話すのが好きらしい。(席を話して距離を保った上で話しました)


さて、そろそろ出よう。そう思った瞬間、おばあさんが私向かって言った。

「ああ私が払うよ」

・・・なんですって?

初対面で、少し話しただけの相手に奢っていただくのは流石に申し訳ないと思い断った。が、相手の方も「いいの、いいの」と何度も言うため、断る方が段々申し訳なく思えてきた。そこで私は諦めて、奢ってもらった。
ただ、それでは私の気がすまないので、「今度来たら私が奢ります」と、返答した。
不思議な体験だった。しかし、料理は美味しかったし、出会った人々はみんな優しくて、良い場所だった。

おばあさん、奢っていただき、ありがとうございました。
また会いましょう。

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