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ロシア紀行 part 6 ペテルブルク編②ガッチナ宮殿、マリインスキー劇場

6日目 

ガッチナ宮殿

やっと聖地巡礼らしくなってきました(主目的ではない)。

何だかんだ午前が溶け、昼過ぎにガッチナ(都市の名前でもある)に向けて出発しました。ペテルブルクの観光スポットはほとんどが市の中心部に集まっていますが、ガッチナは中心部から郊外行きの電車で1時間ほど。ツァールスコエ・セローも離宮などと言われ、郊外といえば郊外ですが、ガッチナはマジ郊外。さぁ行くぞ! と喜び勇んで始発駅に着いたら、「次の電車は50分後です」と言われ虚無になりました。郊外行きの電車に乗るときは、出発地と行先の都市名を入れて検索できる時刻表のサイトで見ておくべきです。私は窓口でチケットを買いましたが、もしかしたらネットで事前に買えるかもしれません(印刷する必要があるのかも?)。窓口ではQRコードのついたレシートのようなものをもらいます。これを読み取らせて駅のゲートを通るのと、検札があるので、到着するまでなくさないように気を付けましょう。

建物も何もない平原みたいなところを電車でビュンビュン走っていきながら、いやこんなところに住んでるマリア皇太后のほうが偏屈では……と考えていました。外国人観光客もあまり見かけなかったので、初めてのロシア旅行ではなかなか行かないところなのだと思います。ちなみにツァールスコエ・セローはペテルブルク中心部とガッチナの中間くらいにあるらしいです。

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駅から真正面に伸びる道を15分ほど歩いたら到着。一本道なのに、あまりにも周りに人がいなかったので最初反対方向に歩いていました。そして大きすぎて伝わらないガッチナ宮殿。なんかロシアって、土地が開けているし観光スポットがいちいちデカいので、「見つけた!」と思ってから到着するまでがものすごく長いんです。歩いても歩いてもたどり着かないのが結構しんどい。

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全体の模型。この台の手前側が宮殿の正面で、背後には宮殿よりも大きな庭園が広がっています。この規模は……確かに中心部には作れない……

内部を見学してみて、外から見た大きさの割に一部屋一部屋が小さく、それほど内装が豪華なわけではないな、という印象を受けました。もともと1770年頃から、都会の喧騒を離れて森の中でのんびりしようという意図のもと作られた宮殿だそうです。

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マリア皇太后の玉座

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エルミタージュやツァールスコエ・セローなどに比べたらギラギラゴテゴテ具合はそんなにない気がします。

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ガッチナ宮殿で一番大きな広間だそう。それにしては小さい……大劇場の舞台の方が大きそう。

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マリア皇太后の寝室にお邪魔しました。この部屋が一番キラキラしていた気がする。

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広大な敷地。広すぎるのと雨で寒かったので散策は諦めました。

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宮殿を出たあと、中心部まで戻れるものだと勘違いして、マルシュルートカという乗合タクシーでガッチナ周辺の村をグルグルしていました。本当にずーっとこういう畑?が広がっていた……若い人がほとんど乗ってこなかったので、お年寄りが残って、働く世代は中心地に出るんだろうな。

間違ってマルシュルートカに乗ったり、帰りの電車も少なかったりで、ペテルブルク中心地に戻った時には暗くなっていました。他の観光地もほぼ閉まっていたため、とりあえず宿に戻ってごはんを食べました。ちなみに、ロシア滞在中は朝だけパンやヨーグルト、ハム、チーズなどを買って、あとは外食もしくは日本から持っていったレトルトのごはんやカレーなどを食べていました。疲れた時にはレトルトでも日本のものがありがたい。

マリインスキー劇場

ごはんを食べて少し休んだあと、出発前からネットで予約していたバレエを見るために出かけました。マリインスキー劇場は、モスクワのボリショイ劇場と並ぶロシアの由緒ある劇場で、チャイコフスキーのくるみ割り人形・眠れる森の美女などが初演されたそうです。

せっかくロシア行くし、日程合ったら劇場行きたいな~と軽い気持ちで調べてみたら、なんと、くるみ割り人形を見に行ける日がありました。他の演目は結構お手頃価格で空席もたくさんあったのですが、さすがにくるみ割り人形はほぼ満席で、遠い席でもいいお値段しました。いやでもロシアでくるみ割り人形を見られる機会なんてこの先の人生であるか分からない……と、4階席も結構無理をしてチケットを抑えたのです。

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客席模型

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開場して席に着いてみると、高さはあるものの舞台全体が見られそうで、宝塚大劇場後方席からオペラマンとしては何てことなさそうな席でした。愛用のオペラグラスも持ってきたし。クロークルームに荷物とコートを預けるのにチケットを見せる必要があったのですが、係のおじいさんが「オペラグラスは?(私:いりません)いらないの? 本当?(私:自分の持ってます)(おじいさん超びっくり)」となっていました。周りを見回しても劇場貸し出し(有料)のオペラグラスを使っている人か、何も使っていない人が多かったので、隣の小さな女の子がずっと不思議そうな目で私を見つめていました。

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4階席から大活躍するマイオペラ。漢字の書かれた千社札でも貼っておきたかった。

バレエを見るのは、小学校の友達の発表会に招待されたとき以来でした。その時の記憶はほぼないので実質これが初めて。プロジェクターで雪や水面の映像を投影したり、長いドレスを着て台詞のないお芝居がメインの場面があったりと、想像していたバレエ(チュチュを着てクルクル回る)よりもストーリー性が豊かで、鮮やかでした。

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2回あった幕間に1階に行ってみた。大きすぎて何も伝わらない。

そう、びっくりしたんですけど海外の劇場って公式YouTubeに公演をまるごとあげてるところがあるんですね……マリインスキーのくるみ割り人形もありました。いくつか見比べてみて初めて知ったのですが、バレエって劇場ごとに独自の解釈があるんですね……。衣装も振り付けも、香盤っていうのかな、どの場面で誰が出てくるかとかも全然違うみたいです。面白いなぁ。

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カーテンコールは撮ってもよかったみたいだった。女性のダンサーも細く見えるのに、背中の筋肉がすごい。

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帰り道、なんだか雨が大粒になって降ってくる速度もなんだかゆっくりだと思ったら若干のみぞれ