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『フランケンシュタイン』(2024年7月13日マチネ)観劇記録@ソウル

7/13 14:00 シン・ソンロクさん&コ・ウンソンさん回

ソンロクさんはドラキュラの役替わりで「あら素敵!」と気になってその後ドラマ(カイロス)も見たりしてたので、いつかミュージカルも拝見したいと思っていたのがこんなに早く叶って嬉しい。週末にドンソクさん回と固まっててよかった。
前日開演前に長蛇の列ができていてなんだろうと思ったらオペラグラス貸出列だったんですが、この日も客席でおそらくオペラグラス慣れしていない人が暗い舞台でピンとを合わせるのに苦戦していて、前後逆に持って「??」となっていた(案内係の方に合わせてもらっていた)。その横は元気なマダムたち5人並びだったし、前日の客層となんだか全然違って面白かったです。
韓国はミュージカルが娯楽としてポピュラーというイメージあったけど、マイオペラグラス持ってるようなコアなファンが多いという意味ではなく、気になったらふらっと観劇する(都度オペラ借りる)ような身近さなのかなと思いました。
開演前のソンロクさんの挨拶で「おぉ~」って声上がってたのも面白かった。やっぱりドラマとかも出てるからかな。キャストもあまり意識せずに来た人が多かったのかも。アナウンスでなんか笑いが起こってたのも何だったんだろう。。

私は宝塚以外のミュージカルで同じ作品を複数回観劇するということをほとんどしたことがない(つまり、役替わりを見比べるということをしたことがない)ので、韓国で二日続けて観るなんてまさか、という気持ちなんですが、言葉分からない(から台詞回しは覚えられない)のにお芝居が全然違う!!人が違うから!!!!という気持ちでした。
舞台の流れとかは前日ので書いたので、こちらは比較的簡潔め。

1幕

〇実験室

ソンロクさんの怪物の叩き方からもう全然違って役替わりってこういうことなんだ~!と理解しました@韓国。ソンロクさんもめちゃくちゃスタイルがいい……。ビクターの衣装本当に助かりますよね。長軍服とウエスト絞られたベスト。

〇ワーテルロー

アンリを助けて「祖国に栄光を」で指揮官の敬礼直して軽くビンタしたの感じ悪くてよかった。上官意識の高いビクターだ。

〇研究室

♪ただ一つの未来
ソンロクさんはフランケンシュタイン初めてなんですか!?こんなにビクターなのに!!!ドラマや他の舞台の映像なんか見ててちょっと翳りのある地声と歌のときのエッジのきいた感じがいいな~フランケンシュタインに合いそうだな~!と思っていた。目力も強いからアンリを引き込むここの場面とてもとてもお似合いだった。

〇ステファン邸

ソンロクさんビクターは帰郷して家族にも客にも見向きこそしないけど、ちょっと立ち止まってから鍵取りに行ってた。ここにも役替わりの違いが。
ルンゲに引っ張って行かれるかわいいアンリ、ビクターより年下なんだなぁと思うとじわじわと良い。細身長身ビクターソンロクさんと並ぶとウンソンさんはがっしり小柄(小柄ということはないんだろうけど)に見えて兄弟みたいでとても良い。

〇酒場

♪一杯の酒
ソンロクさんは実際喧嘩強そうというのはさておき。
机の上に寝転がって顔に実験日誌載せて自棄になってるのはアンリに甘えすぎでかわいかった(年上なのに……)。机に腰かけて話しかけてくれるアンリ、4人のビクターが好き勝手するから対応するのも大変だなと思った。ここでアンリに実験日誌パッと取られて眩しそうな顔したのさすがのソンロクさんだった。
ウンソンさんアンリは一杯飲もう!って言ってくれるのにそのあとはあんまり酒飲みたくないらしくて、ビクターが2杯目を注ごうとするのを断ろうとするも渋々飲み、もう千鳥足になっていてかわいかった。ソンロクさんビクターもそんなにたくさん飲んではいなかったな……(酒盛りウォッチング)。
ソンロクさんって踊るんだと思った。でも両手を握りしめて左右に引きつけるような謎の動きをしていて(気に入ったのかルンゲが入ってくるときも机の上でそれをやっていた)、アンリも付き合ってくれていた。

〇ビクターの部屋

♪僕はなぜ
ソンロクさんビクターは呆然とした顔で椅子の背にもたれていて、アンリの首がほしいのかと言われて「え?」と驚くタイプだった。自覚していなかった驚きか言い当てられた驚きか。

これ歌番組とかかな。僕はなぜ、独り言、後悔があってありがたすぎる。

〇刑務所

♪君の夢の中で
カイロス見てたときソンロクさんの泣き方がいいなと思っていたので、格子の向こうからアンリに向かって必死で説得しながらどうしようもなくハラハラ涙が落ちてくるのを見られてよかった。
ウンソンさんアンリは断頭台に上がる前一瞬止まって階段を見つめて、「一緒に夢見れるなら死んでも僕は幸せ」と歌いながら歩を進めるのがもう……もう……。

〇フランケンシュタイン城の前~実験室

♪偉大な生命創造の歴史が始まる
ソンロクさんビクターは最初片手でアンリの首を持っていたけど桶は床に置いていた。日本語の歌詞で「♪さぁ呼ぶがいい俺を創造主と」のところから首を抱いて、か細い声で泣きながら歌っていた……全然違う……。これを見たあとだと桶持ったままドンソクさんビクターはマジ友人の首を何だと思ってるの!という気になる。

開幕前に上がっていたこの動画もとてもソンロクさんビクター似合う!!と思ったけどあの鬼気迫る実験の動作しながらだと迫力が違う。そしてせり上がってきたアンリを見てまた涙。人の心のあるビクターだ。

この動画もありがたすぎるな。公演では前の動画より半音低く(ドンソクさんと同じ調)なってた。そしてソンロクさんビクターでとても印象に残っているのが、生命創造後アンリを引っ張り出しに行くところです。なんというか、息せき切って装置を戻していくドンソクさんビクターと比べてもたついているように見えた。倍くらい時間かかってた気がする。最後の扉開く装置のところで、ためらい&意を決してバーを上げる、を一瞬のうちにやっていたように見えて、アンリと対面するのが怖いのかなと思った。役替わり見比べ、楽しい……!
これはあとからTwitterを見て知ったことですが、ルンゲを殺したウンソンさん怪物、手に付いた血の味を確かめていたらしくて震えた。み、見たかったなそれ……!そして鎖で首を絞められているときは本当に首ギリギリのところで抵抗していてすごかった。

2幕

〇結婚式

結婚おめでとうございます。やっぱソンロクさん背ぇたっか。ジュリアと並ぶと身長差がすごい。

〇闘技場

2役目の人たちが出てきたあたりからなんとなく思ったけど、この日のキャストはエヴァとカトリーヌ寄りだったのかもしれない。強い女たちだった。エヴァは髪で2本角みたいなの作っててドロンジョ様みたいだった。

♪男の世界
この曲のめちゃ難しそうなやつ(ジャッ!ジャッ!ジャッジャ!て音に合わせて歌うやつ)、音を減らしてやってる人もいれば全部歌う人もいるということが分かった。ソロ曲のキーといいこういう歌い方といい、その人の得意なのに合わせて毎回対応できる柔軟さがすごい。
ウンソンさん怪物は相手の首を折る前に頭を押さえてた。この仕草を時々していて、アンリの記憶が蘇りそうになっていたのかな。
そしてソンロクさんジャックです。こんな様子のおかしいソンロクさん初めて見た(ドラマではいろいろやってそうだけど)。右目の下に水色のハートが描いてあってかわいい。サラサラの肩くらいの長さの髪を時々払っていてかわいいのに目力がやはり強い。

〇地下牢獄

♪そこには
ジヘさんカトリーヌは去っていったジャックたちに拳を振り上げて아씨……って言ってたかな?記憶違いかも、でもこの日1回아씨を聞いた気がする。
ウンソンさん怪物は脇を拭かれるとビビビビッと震えてグゥ~…と唸っていた。

〇闘技場

♪俺は怪物
燃え上がる闘技場で一旦曲が止まるときウンソンさんは床に横たわって胎児みたいに丸まっていた。悲しい。ちょっとくぐもったような声でぽつぽつと歌いだすのも悲しい。

〇森の中

回想、この日のヤングジュリアちゃんがかなり小柄だったのでソンロクさんが床に座り込んでいても同じくらい小さくてとてもかわいかった。ソンロクさんビクターはヤングジュリアと指切りしない。だいぶ大人の男!という顔立ちなのにエレンと別れるとき顔ぐしゃぐしゃにして泣いていてすごいなぁと思った。

〇森の奥

♪傷
ウンソンさん怪物と男の子の関係もまた違うんだなぁ。ウンソンさんはけっこう青年っぽい印象で、男の子に対しても年の離れたお兄さんという印象だった。本当にここの会話、何を言われてどんな反応をするのかちゃんと分からないのが残念なんだけど、首の傷を指さされたときにちょっと驚いたように身を引いていた。この子本当に誰なの。

〇フランケンシュタイン城の前~実験室

ソンロクさんビクターはエレンの死体を抱きかかえてちゃんと悲しげでした。人の心がある。

〇北極

ソンロクさんビクターは怪物に「ビクター」と呼ばれて驚いて近寄るパターンでした。アンリのことが大切なんだなぁ。怪物が息絶えたあと、客席側に向かって歩き回り、坂を上ってあたりを探し回り、怪物のところに戻ってきて腕を引っ張って起こそうとする……(一緒に踊れと言っていたらしい)。一人ぼっちになっちゃった……。坂の部分に腰掛けるようにして脚の間に怪物を抱えててこんな時にあれだけど脚長いな……と思った。

〇カテコ

最後に幕が降りるときも酒場の妙なダンスをしていて、北極の踊れもこれなのかな……このかわいい踊りを……。

はい!観劇2回とても楽しかったです!!とにかく歌がうまく頑固そうなドンソクさんビクターと、心の揺れが垣間見えて泣き方の美しいソンロクさんビクター二人見られてとっても満足!!
しかしアンリ/怪物はハードだろうに、これをベルばらと掛け持ちしているイヘジュンさん、コウンソンさんは化け物だ。見るからにガッチリしているけども。どの立場から言うてんねん案件ですが、大変な中フランケンに出てくれてそれぞれのアンリと怪物を見せてくれてありがとうございます……の気持ちです。
ジュリア、エレンも2日見て随分違う!というのも感じられてよかった。もっと回数があったらジュリアとエレンの関係とかにも注目してみたかったな。従姉妹であり義理の姉妹。
どのキャストでもうまいしどの解釈も正しい。とてもいい観劇旅でした。

あとからプログラムを見て気付いたことですがオケの人数が多い。1日目と2日目で指揮者も違ったし、楽器によっては日替わりの人がいるのかも。管とかしんどそうだし。プログラム上はピアノ2、シンセ2、キーボード1いるのが一人ずつになるのかな?だとしても鍵盤が厚い。
お金がかかっていていいなと思うところはたくさんありました。日本のミュージカルは「シンプルなセットをいかに多様に見せるか」というのも評価する傾向があって、そういう良さももちろんあるんだけど、韓国はそれを全部しっかり作り込む方向に振り切れるのはうらやましいなぁと思った。日本は公演期間短めで全国回るというのもあるけど。
あと今日本版DVDのOvertureだけ聴いてみたらなんか違った!韓国のでずっとジャーーーーって鳴ってるオルガンの音がしない。その代わりエレキギターとドラムの音がする。メドレーに使われてる曲も違う。上演するところによってこんなに違うものなんだなぁ。フランケンシュタインが作られた国で初観劇できてよかったです。