「ESG,SDGs とエコシステムの好循環のループ構築を考える」


               ㈱ファイブ・スター 代表取締役                                                 
                  中小企業診断士 金綱 潤
御縁あって、10年間中小企業庁さんの委託事業として年間、約9,000社の事業者さんのご相談をコーディネートする仕事に携わっています。経営面の相談相手として無料で何度でも利用出来る施策になっています。これは国が税金を活用して相談対応事業を支援しているからです。年々の相談に来られる事業者さんの数も増え、業種・業態も経営ステージ(創業前、創業、事業成長、事業成熟、M&A、事業承継、事業転換等)も多岐に渡る中、私も多くの気づき頂きました。
 
今回は、オミクロン株の蔓延、ウクライナ紛争?等、内外共に環境変化が激しい中、次代を切り開く切り札とも期待されるESGとSDGsの考え方とエコシステムに向けた好循環ループ構築についてお話したいと思います。

1:ESGとSDGsの関係


SDGs は、2015年の国連のサミットで採択されたものです。2030年までに全ての加盟国が達成すべき「持続可能な開発目標」(=Sustainable Development Goals)です。SDGs の最終目標は、「誰一人取り残さない、持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現を目指す」であり、「17 のゴール」とそれらを達成 するための「169 のターゲット」から構成されています。
SDGs は様々な取り組みの「ゴール」にあたるものですが、企業活動の「プロセス」に着目をしているのが ESG(環境:Environment、社会:Social、ガバナンス:Governance)という概念です。 ESG を意識して日々の企業活動を行っていくことで企業の持続成長性が向上し、将来的に SDGs の目標達成の実現にも貢献をすることができます。SDGs を 2030 年までにすべて達成するには膨大な資金が必要とされており、その資金調達手段として期待されているのが ESG 金融(投資・融資)です。

2:SDGsに対する正しい理解
 SDGs=環境問題と考える方も多いようですが、前述のようにSDGsには様々な目標があり、多彩です。つまりSDGs に取り組むとは世の中に様々ある社会課題―少子高齢化、省エネ・ゴミ問題、食料自給率、後継者不足、貧困問題、過疎、ジェンダー問題、異常気象等に、事業活動を通して解決を図ることです。多くの企業は経営理念・ビジョン・存在価値として掲げて、既に取り組んでいます。特に日本の企業経営者は、「三方良しの精神」がベース)でお客様と社会と自社とがそれぞれより良くなる」という経営を強く意識しておられるので、新たに何かを始めなくても、自社の取組の中に該当するものがないのか?と言う点について考えてみることが大切です。
SDGs は CSR(企業の社会的責任) の一環であると捉えられがちであるが、SDGs は「経営に活用すべきもの」です。 SDGs が企業に求めているのは「事業そのものによる社会課題の解決」への取り組みで「利益を上げられる持続可能な事業運営」が前提となります。 つまり、企業にとっての社会的責任としての義務や経費の話ではありません。社会課題解決をビジネスチャンスにしていこうと考え方です。

3:ESG投資に関する金融機関の役割
環境が大きく変わる局面では、新たな需要が一気に生まれるので、大きなビジネス•チャンス(新規融資や新たな手数料の源)になります。例えば、2021年8月31日に三井住友フィナンシャルグループは、投融資ポートフォリオの温室効果ガス排出量を 2050 年までに実質ゼロとする旨を公表しました。金融機関として、融資先に有益なアドバイスや提案をし、共通価値の創造を高めてウィンウィンになることを目指されています。
目標(SDGs)とプロセス(ESG)関係なので、SDGsを進めていく上には、何にどのように投資を呼び込みどんな風に頑張っていくのか?について掘り下げてみることが大切です。
迷われたら身近な専門家にご遠慮なくご相談下さい。
ご一読有難うございます。http://five-star.xyz/ 
以上 

 

自然の恵み


 
1:高級焼き肉店さんの事例
(1)コロナ前の状況
 東村山市の西武線八坂駅と西武新宿線久米川を結ぶ商店街に立地する、黒毛和牛専門の焼き肉レストラン。地元では老舗のワンランク上の焼き肉店としての高い認知度を得ていました。その一方、医療機関のMR(薬剤メーカーの営業)の医師との打ち合わせ用の高級弁当を手掛け、所沢にも和牛弁当専門店を開設し、一般消費者向けのお弁当販売も軌道に乗りつつありました。
(2)コロナの影響
コロナの影響が出始め、店への来店客が激減し売上も前年比40%まで落ち込みました。MR向けの仕出し弁当も急激に悪化しました。従来、高級焼肉店のブランド力もあり、コロナ禍で地元の消費者にも売れ行きが伸びてきていた。そこで、早期にお弁当事業に軸足をシフトすることを決断。感染者が急増する中、価格面、サービス面をどのようなレベルで実現していくかが、待ったなしで突き付けられた課題となりました。
(3)支援者が取り組んだコト
当店は、コロナが始まる前からお弁当販売を開始していました。しかし売上全体の1割程度でした。本来であれば、専門店としてターゲット顧客を絞り込む助言が相応しいと思われましたがが、未曽有の感染症社会は未経験であるため、従来の常識は通じないこともある点も事業者さんと許共有しました。さらに自粛生活で食生活に不安を持つ消費者の最大のニーズは安心・安全である点、また先行利益の獲得のためにも即座の宅配・テイクアウトの拡充を助言しました。
(4)事業者さんが取り組んだコトと成果
そこで、相談者はいち早く「コロナ緊急対応」と銘打って、近隣中心に宅配・テイクアウトのポスティング。さらに同時期に非接触型注文決済アプリを促進することで、一層の安心・安全ニーズに応えました。経営者は、助言を受け入れ早期のお弁当販売を立ち上げるため、ポスティングと非接触型注文決済アプリを決断しました。この効果もあり本年3月~6月でお弁当販売の売上は対前年同月比で平均200%増、会社全体は平均20%減に留めました。外食自粛の消費者から高級焼肉弁当に人気が高まり、元気なお店としてTVメディアの取材を受け紹介されました。そうした経緯も経て今では店舗への新規来店客が毎月増えつつあります。
2:コロナを乗り切る知恵
 紙面の都合で一事例のご紹介になりましたが、数多くの事業者さんがコロナで苦しむ中、ピンチをチャンスに変えた事業者さんも多いのも事実です。そうした事業者さんに共通するのが、
①   必要以上に心配しない。②コミュニケーションチャンネルの複合化にチャレンジするコト
②   外部の知恵を積極的に取り込むコトです。
コロナの終結は残念ながらいつになるか誰も分かりません。チャンスに変えた事業者さんは
先を憂えるよりも今、自社で出来ること、したいコト、すべきコトに意識を集中させ、そのことを社内外に浸透させています。又、コロナの怖いところは、お客様、従業員さん、取引先との接点機会が放置していると希薄になる点です。逆に考えると、そうした中、様々なチャネルを使い、情報発信をすることで新規集客につながる事例も増えています。そう言うと「SNSは苦手だ」「キャッシュレス対応は難しい」「ITが出来る社員がいない」等やる前から怖気づく方も多いのですが、コロナ禍、様々は支援機関が例年以上に皆様を手厚くサポートする体制を整えています。遠慮なく、彼等の知恵や知見を借りましょう。事例の事業者さんもピンチに直面する中、この3つの点を徹底されました。
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