サファイアの目で見つめたもの
オスカー・ワイルドの「幸福の王子」という童話が子供の頃から好きだった。大人になって久しぶりに読んだ時、なぜか心の琴線に触れまくってしまい、それ以来、どうしても泣かずに読み切ることができない。
息子が小さい頃、いつもと違う本でも、と読み出したはいいけれど、まもなく死ぬであろうツバメと、全てを理解している王子の会話の場面までくると、どうにも先に進めなくて、感情が突如キャパオーバーになってしまい、自分でも引くほど号泣。呆然とする幼い息子を置き去りに、嗚咽するほど泣いてしまった。
その後どうしたか、、、うろ覚えなんだけど「大きくなったら自分で読んでね」みたいなことを本気で言ったかもしれない。
ツバメが死ぬから、無惨な姿の王子の像が壊されてしまうから可哀想、なんじゃない。その王子とツバメの関係性に、自分の人生経験や理想を重ねて、理屈じゃなく体が反応してしまうのだ。子供のうちにはわからない人生の機微。
今日マツコ・デラックスがある番組内で、とても当たるという占い師からメッセージを受け取っていた。EXITと同じくマツコも大好きで、ずっと応援してみてきてるので、その占い師の一言一句がマツコに染みてるのがよくわかる。結論として、来年辺りからグッと楽になるようなので、本当に良かったなと素直に思った。
EXITとマツコ。一見、共通項はなさそうだけど、自分の中では同じカテゴリーに入る人たち。ざっくりすべてを端折っていうと、彼らの共通項は『その身を喜んで犠牲にできる度量がある』ところ。犠牲って言葉で合ってるのかな。奉仕するとか捧げるとか、そういう感じ。だから三人とも、見かけは柔らかくて美しいけど漢なの。
弱さを認めて、時には晒して、そして一番大事な「すっとぼける」ことができるから、本当に強いなあ、好きだなあって思う。全てわかってる。あえてやってる。悲壮感なんて微塵も見せずに堂々と楽しそうに。
幸福の王子、もしくは幸福な王子。オスカー・ワイルドがつけたこのタイトルから感じるものは、冷静な目線の先の穏やかな淡い光。そういったものを涼しい瞳で見つめてる人達がほんとに好きだ。幸せを分けてくれてありがとうと思うし、幸せになってほしいと心から思う。
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