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イミテイション・ゴールド 詩6篇
聖夜・八月
夜のまろやかさ
冗談の水飴を塗りたくられたみたいに
今日は、今日も、(たぶん明日も)人を憎んだ(憎むだろう)、こんなに人を憎むのは、僕のたがが外れているんじゃないかと思って、僕はたがが外れているのかなあ、と呟けば、その「かなあ」がどうしようもなく憎くて、いつしか僕は僕以外のものすべてを憎んでいるのだけれど、僕以外のすべてにはとうぜん僕そのものも含まれる
夜の音
パイプが ぎちり と軋む音
それさえも
聴こえないところに行ったら 僕に再び冗談の夜はくるのだろうか?
夜の声
夜を複製する
ときに
こぼれ落ちてしまうもの
暗がりのなかで
僕は
僕の外にある〈それ〉を聴いている
宇宙には涯があるって
この部屋には出口があるって
ほんとうなら ほんとうのことを知らなければよかった
さみしくなんかない
ぐ、ぐ、ぐ、ぐ、ぐ、
アメコミじみて
かすかな夜の声
いったい
何を
複製しようとして
誰の手もとに届けようとしていたのだろう?
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