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『MAGIC』セルフライナーノーツ-その3(全4回)

 何度でも言います、バンド楽しい!!高校の時に文化祭でコピーバンド誘ってくれて、ドラム始めるきっかけをくれた野中君ありがとう!!!初めてコピーした曲は175Rの『手紙』ですが(時代を感じますね)、そこから今ドラムがこうやって人生の大きな愉しみになっています。ガストバーナー『MAGIC』セルフライナーノーツの第3回です!!

『MAGIC』もうすぐ発売


[9]小さい車

 ガストバーナーの機材車はいつも小さいレンタカー。表面的には世間に馴染んでいても、本質的には社会のマイノリティ達が身を寄せ合うには広すぎるくらいかもしれない。
 車内ではいつも音楽もラジオもかけずに人生の話ばかりをしています。みんな人生に何か抱えている。それは大いなる闇であったり、一筋の希望めいた何かであったり、人生乱気流真っ只中だったり、日々目まぐるしく変化している。そしてそれらは全て人格を形成する重要なパーツだったりする。
 慌ただしい毎日を過ごしている分、こういう移動中の会話が貴重で、話しながら、メンバーそれぞれの人生の位置を確かめながら、同時に自分自身の現在地を確かめているような感覚になる。
 ガストバーナーに関しては、皆それぞれが馬力があるし踏まれても踏まれても生える雑草のように強いのですが、一人一人のパワーが強い分、散り散りな方向にパワーが四散しているので、こうやって話すことで放出方向を整えているんだと思います。

ガストバーナー(L→R:辻斬りっちゃん/16ビートはやお/加納靖識/デストロイはるきち)
見てください。我々のレンタカー、小さくないですか?カミコベの日の写真ですが、周りがハイエースばかりのなか、小さい車で意気揚々と乗り込んだ我々。


[10]Fake

 ではセルフライナーノートの続きを。この曲は「歌謡曲」と題されたはるきちさんの弾き語りのファイルが送られてきたところから始まっています。歌謡曲というくらいだから、歌謡曲っぽいリズムを絶対に乗せないようにしてやろうと思っていました(意地悪)(天邪鬼)(性格悪)。でもそうじゃないと、ガストバーナーが歌謡曲の枠組みに縛られて伸び伸びできないような気がしていました。
 『MAGIC』を作るにあたって最後に作った曲、はるきちさんの当時の心境がよく顕れた歌詞だなと思っています。
 社会との折り合いがつかないのに、折り合いがついているかのように自分に暗示をかけて歯車として生きるのは、正直生きやすい。しかし、それは果たして幸せなのだろうか?そんな気持ちと毎日闘っているような気がします。自分が本来楽しいと感じることも、仕事になってしまうと楽しくなくなってしまうかもしれない。そんな恐怖とも闘っています。
 小さな車で話すメンバーとの人生にまつわる話は、いつもどこか社会に馴染めない寂しさと、馴染む必要なんてないよねという僕達なりの答えを何度も確かめているような気がしています。
 ドラムに関しては、そんな社会の海に彷徨うメンバーの感情が乗りやすいように、ということだけを意識しています。昔、韓国のドラマーさん目立ちすぎじゃない?みたいな動画がよく回ってきたのですが、少しだけそれを思い出しながら叩いている感があります。


[11]Blue Monday

 後半Queenみたいにしようぜとか言い出したのは僕だった気がします。もう完全に悪ふざけで進めている曲です。元の曲案を魔改造しています。「不穏に終わりましょう!」と言い出したのはりっちゃんだった気がします。気がついたら加納さんが爆笑ギターソロを入れていました。僕たちはこの曲でどれだけ真面目に不真面目できるか挑戦しています。

 9mm Parabellum Bulletの1枚目『Gjallarhorn』に収録されている「(teenage)disaster」という曲のドラミングを高校生の時に狂ったようにコピーしてできなかったのですが、その時に生まれた亡霊を、すこーしだけこの曲に詰め込んでいます。全然印象は違いますが。またまた月日を感じる曲ではございますが、多感な時期を彩る楽曲なので仕方がない。

 ポップで狂っていて「月曜が嫌だ〜」と言いながら、アルバム名の「MAGIC」が随所に歌詞に織り込まれていて、僕はこの曲がアルバムに入っていて本当に嬉しく思っています。ガストバーナーっぽい。

[12]飲酒

 僕はお酒を飲むとダメになるのですが、もっとダメになりたい破滅願望というか、破滅癖があります。それは倫理的にダメなことをしたいとか、スマホを無くしたいとかではなく、腹を割って話したいとか、理性のブレーキを外して話をしたいとか、そういうことだったりします。なので本当は記憶をなくす必要は有りません。
 普段の生活で何か抑圧されたものがあるのでしょうか。先日スマホを無くしたとき、会社で「いやぁ、酔っ払って記憶無くしてスマホも無くしちゃいまして…、へへ…」と言ったら酷く同僚に驚かれました。バンドをしていることを特に話していないので、酔っ払って爆発する人に見えなかったみたいです。爆発させているのは会社にいる君たちのせいかもしれないのにな!!!!
 ともあれ、もっとガストバーナーのみんなとは面白い話ができそうだし今後もしていきたいのですが、破滅はなるべくしないようにしたいと思います。飲んでも、飲まなくても人生の話沢山これからもしたいですね。

先日の試聴会での我々。お酒はほどほどに。


 バンドって青春だなと思うのですが、「いつまで青春やってんだよだせーな!」という誰かの心の声が聞こえなくもありません。でも、ずっと青春やれてるの凄くない?自立してる生活してるのにだよ?人生楽しく生きたくない?って感じです。次でセルフライナーノーツは最終回!!みなさん、この世に『MAGIC』が放たれたらよろしくお願いします!

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