『MAGIC』セルフライナーノーツ-その2(全4回)
文章を書くのが好きだという理由(本当は少しでもプロモーションになれば良いという下心)で書き始めたセルフライナーノーツ。薄々分かっているんですが、世間一般的にはドラムってあんまり個性が目立たないパートですよね。だからこそ、そんな世間と逆行して抑えきれぬ個性に抗わず楽しく書いていきます。
[5]いつまでバンド続ける?
なんだかよく分かりませんが、もうかれこれドラムは17年、オリジナルバンドは変遷あれど14〜5年ほど続けています。僕の性格的にいつも「終わり」というものを設定しないで始めてしまうので、「ドラムそのものをやめる」という発想には至ったことがありません。
楽しくなければ辞めているんでしょうが、しっかり楽しかったので、楽しいままだらだらとドラムを叩いて生きていたらそれなりの年齢になっていました。
同じ年齢の友人、それは「元」バンド仲間を含めると、子育てに奮闘したり、仕事を頑張ったり、家を建てたり人生を頑張っています。そういう話を聞くと毎度「みんな頑張っていてすごい!!」と思うと同時に、幸せの形は人それぞれだなぁと思うのです。逆に「ずっとドラム叩いてて凄い!!」「人生楽しそう!!」と言われたりもします。
隣の芝は青く見えると言いますが、僕は隣の芝も自分の足元の芝も青いです。なのでどうせ、どういう状況になっても「バンド楽しい〜!」とか言いつつドラム叩いている可能性が高そうです。いつまでバンドを続ける?なんて線引きをしないで人生楽しもうと思います。
[6]ブラックホール
それではセルフライナーノーツの続きを。『MAGIC』収録3曲目、ブラックホールのドラムはヤジマさん(ヤジマX / モーモールルギャバン)の影響を受けています。どこが、どの部分が、という明確なところはないのですが、『野口、久津川で爆死』にインスピレーションをもらっているのは確かです。加えてヤジマX KYOTOの様々から。ヤジマさんのドラムに、音楽に向き合う姿勢から。
ガストバーナーが始動しライブを始めて間も無くの頃、ヤジマXとツーマンする機会があり、曲数の少なかった我々は、「POP!烏龍ハイ」のカバーを披露しました(本人に観られながら演奏するのはとても緊張した)。コピーしながらヤジマさんの引きの狂気といいますか、なんといいますか、そういうものを勝手に感じてしまい、ブラックホールのドラミングに入れようと思いました。
ちなみに僕もヤジマさんもドラクエウォークを続けていましたが、僕がスマホを無くしたことによって引退したので、とうとうフレンドになることなくヤジマさんだけが修羅の道を歩み続けています。
[7]KORECOLE
曲作り中往々に有るのですが、ふとした瞬間に作りかけの曲とは全く異なるギターリフが生まれ、「これはこれで別の曲としていいね」となることがあります。
せっかくだからギターリフだけ録音しておこう、と言ってはるきちさんが残したボイスメモのファイル名が「これはこれ」でした。だからKORECOLE。そんなのでいいのかよ!って感じですが、そんなので良いのです。
後日スタジオの際に「このギターリフならこんな感じのドラムをつけますよ」と、Arctic MonkeysのBrianstormのようなドラムをAメロにつけた。そこから拡がって、結局は消費カロリーの異常に高い曲になりました。というか、この曲もう16年前の曲なんですね。そりゃ僕も歳をとるわけですねぇ。
ドラム自体は難しいというよりは、ひたすらに体力を使います。無理をします。全編全力で叩かないとあの疾走感は出ないし、でもその代わりとんでもなく疲れるし、曲が始まる瞬間が一番「うわぁこれから大変だぞ」と思っています。
高校の時、何の気なしに陸上部に入ってて良かった。3000m障害というマイナーかつ異常に疲れる、体力がガンガン削られる競技をしていて良かった。
仮に万一、ガストバーナーをコピーする未来有望なコピバンが現れ、この曲をコピーすることになった場合、ドラマーを全力で褒めてあげてください。それくらいパワーのみで突き進む曲です。
[8]240さん
ガストバーナー関西スタッフの西尾さん。僕にとっては関西ライブハウス悠久の存在、生き字引だと思っているけれど、付き合いはかなり長い。多分もう12〜3年くらい。
僕がEmu sickSで盛んに活動している頃からライブを見てもらっていて、時に王将会(バンドマン飲み会)に呼んでもらい、僕の悪口に拍車をかけてくれる稀有な存在だった(今も)。Emu sickSがみそフェスに出演した時も同行してくれたり、良い場面でお世話を焼いてくれるのに「面白いからいいよ〜」なんて言って笑い飛ばして楽しんでいる変わった人だ。(今思えばみそフェスで結成前のガストバーナー+西尾さんがそれぞれ別個に関わっている)
はるきちさんは、僕と同じくらい西尾さんと旧い仲だけど、加納さんとりっちゃんはガストバーナーからの仲で、西尾さんは持ち前の能力で気づけば水のように馴染んでいった。
気づけば関西スタッフで、気づけば東京まで来てくれて「面白いからいいよ〜」と言ってバリバリに物販をしながらお酒を飲んでいる。あれ?西尾さんが一番狂ってない?
何よりガストバーナーのメンバーはボケ3人に対しツッコミが僕だけなので、西尾さんが入ってツッコミの解像度が上がる。そこの部分もスタッフしてくれるのかよ!なんて思っていますが、まだまだ深い仲になりそうですし、こういった深い仲の人達を変わらずずっと大切にしていきたいと思っています。これもまた、MAGIC。
なんだかやっぱり僕、しつこくライブハウスに居るし、長く音楽やっているんだな、ドラマー老害かもしれないなって書きながら思っていました。僕が死んだら今まで叩き続けてたドラムから逆に叩かれ続ける無間地獄に堕ちるかもしれませんね!!!地獄に落ちる前に、セルフライナーノーツは書ききります!!では来週!!!
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