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イスラム教徒のインドネシア人と酒を飲んで来た

お久しぶりです

TK工房です

今年10月から舞台を日本→インドネシアに移し、慣れない仕事に忙殺されながらも、有意義に毎日過ごしております

やっとちょっと落ち着いたので、昨日インドネシア人の部下を誘って、飲みに行ってきました

部下と言っても、私と同い年でしかも誕生日も1日違いという、なかなか面白い関係

職場からタクシーで5分ほどの日系居酒屋に到着し、まずは飲み物を頼む事に

私「え、もう一回確認やけど、普段からお酒飲むんやんな??」

彼「はい、ビールは何故かお腹壊しちゃうので、ワインかウイスキーを飲んでます」

私「これも一応確認やけどクリスチャンなんやっけ?イスラム教徒?」

彼「イスラム教徒です!」

私「基本はお酒飲んじゃダメよね?」

彼「悪いイスラム教徒(Bad Muslim)は飲みます!笑」

私「俺はそういう人達をLight Muslim(軽いイスラム教徒)と呼んでる(笑)」

彼「Light Muslim www それ良いですね!ww」

ということで、乾杯

私「何食べる?好きなの選んでええよ。さすがに豚は食べへんねやろ?」

彼「そうですね。鶏唐とマグロ良いっすか?マグロの刺身好きなんですよねー」

私「ええやん。それ頼もう。ところで、昔日本に住んでたんやって?」

彼「はい。静岡の磐田の工場で3年働いてました。で、契約更新のタイミングで引き留められたんですけど、母親一人を残してることもあり、インドネシアに帰ってきたんですよ。それから起業したり、日系の会社で働いたりしながら、当社に入って、あっという間に7年目となり、勤め先としては人生最長記録ですね」

私「当社を気に入って頂いてるようで何よりです。ありがとう。」

彼「TKさんは今までどんな国に住んだことがあるんですか?」

私「俺は日本しかない。今回のインドネシアが初なのよ。担当としては、イラン、イラク、シリアという中東に始まり、インド、タイ、ベトナムと出張ベースでは行ってたんやけどね」

彼「中東、インドですか!何かカルチャーショックありました?」

私「それこそ、イスラム教との接触だね。それまで日本で俺の周りにイスラム教なんて無かったし、テレビで見るくらいの存在でしか無かったのが、実際にその国まで行って、そのルールに従って生活したのが、凄い新鮮だった」

彼「へー、そうなんですね」

私「しかも、イスラム教って、国や人によって考え方全然違うやん?それが面白かったかなぁ。note界にTK工房が誕生したキッカケだね」

彼「確かに人によって違いますよね。ちゃんとお酒飲まない、タバコ吸わない、豚食べないを守ってる人もいれば、全部平気でやっちゃう人もいますし」

私「イランでも、田舎は敬虔度高いけど、首都テヘランでは、教育が進んでることもあり、グローバルスタンダードを知ってしまってるから、脱イスラムな人も結構いたよ。それこそ今イランで凄いデモになってる、ヒジャブ(女性が髪を隠すために巻くもの)問題も、俺が担当してた2015年当時から、話は聞いてた。まぁ、イランは元々、アラブ系じゃないし、イスラム教を押し付けられたという感覚を持ってる人もいるからね。」

彼「え?そうなんですか?イランってアラブじゃないんですか?」

私「それが違うのよね。元々はペルシャでゾロアスター教。イスラム教じゃなかった。でも、歴史の流れでアラブに征服されて改宗させられ、今のイランがあるってわけ。」

彼「そうなんですね!知らなかったです。」

私「そういや、カルチャーショックで言うと、中東のイランですら、女性の権利として脱ヒジャブの動きとか出てる中で、インドネシアって、イスラム国家でも無いのに、ほとんどの女性はしっかりヒジャブ被ってるやん?あれは敬虔なの?それとも周りからの圧力?」

彼「親とか、周りの圧力ですね。もちろん敬虔な場合もありますけど」

私「俺のイラン人の女性の友達がさ、ヒジャブもまかないし、酒タバコ豚肉、全部普通に手を出してたんやけど、その父親は敬虔なイスラム教徒だと言うのよ。それって、親と喧嘩になったりしないのか聞いたら

"イスラム教とは神(アッラー)と自分との関係が大事なのであって、他人は関係ないというのが本質の宗教。だから私の父親も、私にイスラム教徒になって欲しいとは思ってたけど、強制することはなかった。これが本当のイスラム教徒やと思う"

と言ってたのよね」

彼「ホンマそれ!!!」

私「あ、やっぱりそう思う?」

彼「9割はそう思ってると思いますけどねー。1割のイスラム教徒が、他人にまで自分で解釈したルールを押し付けようとして、テロとか起こしてるだけで。でも、やっぱり、インドネシアでも、親が子供にヒジャブ強制したりするのはよくある話ですけどね」

私「それでいくと、日本でも最近はイスラム教徒増えててさ、たぶんインドネシア人やと思うんやけど、日本でもしっかりヒジャブ巻いてんのよね。自分の国を出たら、急に自由に振る舞うイスラム教徒おるやん?特に中東(笑)それとは違って、日本でもしっかり守ってる人を多く見るから、敬虔なんだなぁと思って」

彼「そうなんでしょうねぇ。そういえば、昔日本人の友達とこういう話をしてたんですが、その時に言われて納得した話があって」

私「ほうほう、どんなの?」

彼「日本人は宗教心が薄いけど、何で国としてうまく行くかという話で、彼曰く、人間が向かう先は一緒であり、その方向さえ知っていれば良い。宗教はその方向に繋がってるロープの様な物で、宗教を信じる人はそのロープを辿っていけるから方向を間違うことも少なく着実に進める。その分、ロープを常に握っておかないといけない制限は出る。日本人はそのロープがないから、制限は無い代わりに、ちょっと道がブレる時もあるが、方向は知ってるので、そちらに向かっていける、というものでした。」

私「うーん、なんか分かるようで、分からんな(笑) 何でその方向を知ってんだって話やな。どっちかと言うと、日本人は宗教心が薄いと言われつつも、八百万の神という概念が根本にあって、全ての物に神は宿ると思ってるわけ。例えば、このお箸にすら神は宿ってる。なので、俺が子供の頃とかには、"だから物を粗末にしちゃダメ"という風に教わったのよ。神様はそこら中にいて必ず見てるから、悪いことしたらあかん、と。
他の宗教だとこの世の神は自分の信じる神だけで、後は神ではないでしょ?日本の感覚だと、神はそこら中にいるから、全ての宗教の神もそのone of themで存在すると思っていて、どの神を祀るかはその人次第だと思ってる。日本でも神社が山ほどあるけど、祀ってる神は同じじゃないからね。」

彼「えー!!!そうなんですか!!!なるほど!それで日本は他の宗教や、他国文化に寛容なんですね!!
日本にいた時に感じてたんですよ。日本って何でも取り入れるなと。そういうのがあったんですね。」

私「まぁ、こういう感覚を日本人全員が持ってるわけでは無いけどね(笑) それこそ人による」



というようなお話をしました。久々にこう言った文化、歴史、宗教の話になって面白かったです。

※宗教の話は基本的にはタブーなので、皆さんは真似していきなり、外国人相手に何でもかんでも質問しないようにしてくださいね。相手が敬虔な人だとかなり失礼な行為になり、トラブルになりかねません。私は一応、相手を選んで探り探り話してます。

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