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不便益という発想

ハロー通信スタッフコラム4、読書で学んだこと第二弾です。 

ごめんなさい、もしあなたがちょっとでも行き詰まりを感じているなら、不便をとり入れてみてはどうですか? ~不便益という発想
著者 川上浩司 京都大学デザイン学ユニット特定教授

少し前にハロー通信で出てきた「不便益」。面白い言葉だなと思い、Amazonでキーワード検索をしていたらこの本がヒットして読んでみました。不便益の定義からその効用、ビジネスへの応用まで教えてくれます。

これまで私たちは、物理的にも心理的にも労力をかけずに済むようなものを技術発展の成果だと考え喜んで取り入れてきました。今後はさらなるテクノロジーの発展によって運転のみならず仕事までも代替されると見込まれ、本当にそれって幸せか?と言う段階に来ているかと思います。便利商品や便利テクノロジーは、私たちが「しなくてよい」ようにしてくれるモノですが、裏を返すと「させてくれない」モノでもあり、結果的に私たちの楽しみだけでなく知識や能力も奪っていることに気づかされます。ナビに頼って運転していたら、街並みに目がいかず道も覚えられない、GPSが狂ったら今どこにいるかも分からないとなりますが、地図を予習して出かければ地理感も持てるし、その成り立ちなど色々なことに興味が湧き楽しめそうです。

実は、不便を取り入れた方が私たちにとって益があることってたくさんあるのではないでしょうか。この本では不便益の効用として、主体性が持てる、工夫できる、発見できる、対象系を理解できる、俺だけ感がある、信頼安心できる、能力低下を防ぐ、上達できる、といった点を挙げています。

社会の生産性向上のために便利化の流れは止まらないでしょうが、個人や親としては、ふと立ち止まって、手間をかけ頭を使う不便を楽しむようにしたいと思います。


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