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お客様の家系図書けますか?

元住宅営業マンです。
経験談を踏まえて、住宅営業あるあるを綴っていきます。

今回は、ヒアリングについて書きます。
住宅営業の初回接客時に、強いて一番大事なことをあげるとすると“ヒアリング”でしょう。

もちろん、お名前・職業・家族構成・希望の物件エリア・予算等のことは当たり前のように聞いていると思います。
では、お客様の趣味は?出身地は?祖父母の年齢は?ご兄弟の有無・ご兄弟のご職業、勤務先、家族構成、持ち家の有無等々。この辺ってぱっと答えられますか?
恐らく、ほとんどの人がここまでは把握しきれていないのではないでしょうか??

実は、住宅営業において、こんな細かな一見すると全然家づくりとは関係ないように見える内容にこそ、成約への鍵があります。というより、本来成約まで至っていたであろう物件の取りこぼしを防ぐことができます。

この“ディープヒアリング”は大きく2つのメリットがあります。

1.お客様からの絶大なる信頼
2.成約直前で出る“No”の抑制

1.お客様からの絶大なる信頼

住宅営業マンは当然住宅のプロです。
お客様と営業マンの間には、情報格差があることは常に念頭に入れておかないとなりません。お客様が人生で1,2回しかない住宅購入のタイミングで、住宅営業マンばりの住宅の知識をつけることは100%不可能です。
だから、お客様には一世一代の住宅購入のがっちりサポートをしてくれるパートナーが必要なんです。
お客様は自分のことを自分以上に考えてくれるプロを探してるんです。

住宅営業がお客様のことを自分事のように考える上で知っておかなければなければならないことは、お客様のプライベートの全てです。
全てのことを知ってるから、お客様以上にお客様の事を考えられるんです。
自分以上に自分のことを考えてくれるから、信頼してもらえるんです。
自分のことを誰よりも知ってくれる信頼できる人がいたら、その人にお願いしたくなりますよね?

だからこそ、お客様の家系図を全部書けるくらい知っておかないといけないんです。
朝食は何を食べてるか、夜ご飯は何時に食べているか、些細なことも知っておく必然性があるんです。

2.成約直前で出る“No”の抑制

成約直前でお客様から断りを受けることってありませんか?
アポイントの前日でキャンセルを受けることってありませんか?

親から反対されてやっぱり契約できません。。
明日ちょっと仕事が入っちゃって。。 等々。

住宅営業マンが一番がっかりくる瞬間ですよね。
これって仕方ないことなんでしょうか?
お客様のせいでそうなっちゃったんでしょうか?

違いますよね。
営業マンのせいです。
ちゃんとお客様の事を知らないから起こる事象なんです。

例えば、お客様がご長男で田舎にご実家があるとします。次男はまだ実家近くに住んでおり、ご両親の将来のことも次男がいれば心配ないだろうなと、お客様自身は思っています。
上京してきてもう10年以上経つし、ご本人は都心に住み続けるつもりでいます。
子供も大きくなってきてそろそろ家でも建てようかと、まずは住宅メーカー探しをスタートした矢先、あなたと出会いました。

自社のことを気に入って頂き、いい土地も見つかりトントン拍子で商談も進み、いざ契約です!というフェーズを迎えたとします。
しかし、前日になってお客様から、
「さすがに大きな買い物なので事前に両親に報告をしたら、猛反対を受けてしまいまして・・すみません、今回の契約は一旦白紙に戻させてください。」

こんな話ってありますよね?

いやいや、私なら事前にお客様に確認しますよ。って方でも、お客様から自信を持って親からの反対はありませんよ!って言いきられたら、それを鵜呑みにしませんか?それ以上聞きませんよね?

そこなんです。落とし穴は。

本当に、必要な情報って全て集まってましたか?

お客様に「ご両親様はご次男のご家庭と仲良くて幸せですね!ご次男の奥様とお母様が仲いいって、すごく素敵な関係ですよね!住宅の仕事をしていると、嫁姑問題はよく聞きますので・・」なんて会話しましたか?
「実は、近くに住んでるし、次男は家を継ごうとしてるんですが、母とお嫁さんはあまり仲良くないんですよ・・」とかって、話が出てたかもしれないですよね。

この問題を限定質問で見つけ出すのは難しいと思います。
だから、問題の火種がありそうなところをすべて把握しておく必要があるんです。

上記のケースだと、例えばご次男は具体的にどこに住んでいるか、ご両親とすでに同居しているか、してなければどのくらいの頻度で実家と行き来しているか、ご次男の奥様は働いているか、実家はどこか、子供はいるか、保育園なのか幼稚園なのか、どのくらいの頻度であっているかetc.

客観的な事実を知っていると、問題になりそうな部分に違和感を感じることができるんです。後から問題が発覚する部分には絶対に歪が生じているんです。

「実家と次男の家は車で5分くらいの距離なんです。」
これは正常だと思います。
「実は実家の近くに住んでるといっても、車で1時間くらいはかかっちゃうんですよ。」
うん?ちょっと違和感があるな。実家を継ごうとしている人がそんな遠くに住むかな?
、と何かに気が付けるはずです。

これはあくまで可能性の話です。職場の事情等々、理由はいくらでもあると思います。

しかし火種はこういうところに潜んでいます
違和感を感じたことに関しては深堀してみてください。
実は・・という話が出てくる可能性がものすごく高いです!

ディープヒアリングとはこれくらいのレベルの事をお客様から聞き、情報を共有しておくことを言います。

お客様に興味を持って、色々な角度からお客様のことを聞いてみて下さい。
自分に興味を持ってくれることを嫌がる人はいないです。
デリカシーを欠いた聞き方は✕です。
あくまで、興味を持って紳士なスタンスで聞いてみて下さい。
きっと今まででなかったような話が聞けると思います。
と、同時に成約率はぐっと上がるはずです。

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