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高齢者の動向

日本の人口は、1950年代に8000万人台であったものが徐々に増加し、2008(平20)年に約1億2000万人とピークを迎え、その後減少に転じました。
2070年には9000万人を割り込み 8700万人になるとされています。すでに日本は少子高齢化だけではなく、人口減少社会になっています

2015(平成27)年では75歳以上高齢者1人を20~64歳の4.4人で支えていたのが、前述した人口構造の変化に伴い、2045年には2.3人になると見込まれており、少子高齢化の影響が顕著に表れています。

介護が必要となった主な原因をみると、要介護者では認知症が最も多くなっています(2022(和4)年国民生活基礎調査)。わが国では、2012(平成24)年の段階で認知症の人の数は約462万人、軽度認知障害(MCI)の人の数は約400万人と推計されており、また、2025(和7)年の認知症の有病者数は約700万人とされています。
このような状況を踏まえ、2019(和元)年6月に、「認知症施策推進大綱」がとりまとめられ、認知症の人やその家族の視点を重視した、共生と予防を両輪とした施策、社会保障制度改革を行いました。

地級包ケアシステムは、「2025年問題」を解決していくためにとても重要な現組みです。
ただ、すでに国の社会保障をめぐる議論では、「2040年間題」が取り上げられ始めています。

2040年は、団塊ジュニア世代(1971~1974年に生まれた世代)が65歳以上になる時代です。
このとき、稼働年齢人口(20~64歳)は5543万人と推計され、一方、65歳以上の高齢者は3821万人に上るときれています。その高齢者も単身世帯、85歳以上が増えます。
また就職水河期に安定した雇用を得ることができなかった世代がそのまま高齢期を迎え、生活の困窮化も進むかもしれません。

いっそう厳しい状況が予測されますが、希望がないわけではありません。介護の現場でもICT(情報通信技術)が積極的に導入され、また、介護ロボットや介護に関するAI(人工知能)も開発されていくことでしょう

介護報酬改定の概要

2024(和6)年度介護報酬改定は、人口構造や社会経済状況の変化を踏まえ、「①地域包括ケアシステムの深化・推進」「②自立支援・重度化防止に向けた対応」「③良質な介護サービスの効率的な提供に向けた働きやすい職場づくり」「④制度の安定性・持続可能性の確保」を基本的な視点として、以下のような方向性で実施されました。

①については、認知症の高齢者や単身高齢者、医療ニーズが高い中重度の高齢者を含め、要介護高齢者等に質の高いケアマネジメントや必要なサービスが切れ目なく提供されるよう、地域の実情に応じた柔軟かつ効率的な取り組みを推進していく。具体的には、1:質の高い公正中立なケアマネジメント、2:中山間地域等の訪問介護事業所の評価などの地域の実情に応じた柔軟かつ効率的な取り組み、3:医療と介護の連携の推進、4:看取りへの対応強化、5:感染症や災害への対応力向上、6:高齢者虐待防止の推進、7:認知症の対応力向上、8:一部の用具についての貸与と販売の選択制の導入などの福祉用具貸与・特定福祉用具販売の見直しに取り組んでいく。

②については、高齢者の目立文校・重度化財止という制度の趣旨に沿いい多職種連携やデータの活用等を推進するため、1:リハビリテーション・機能訓練、口腔、栄養の一体的取り組み等、自立支援・重度化防止にかかる取り組みの推進、2:科学的介護情報システム(LIFE)を活用した質の高い介護を行っていく。

③については、介護人材不足のなかで、さらなる介護サービスの質の向上を図るべ
<、処題改善や生産性向上による職場環境の設に向けた先進的な取り組みを推進するため、1:介護職員の処遇改善、2:生産性の向上等を通じた働きやすい職場環境づくり、3:効率的なサービス提供の推進に取り組んでいく。

④については、介護保険制度の安定性・持続可能性を高め、全ての世代にとって安心できる制度を構築するため、1:評価の適正化・重点化や
2:報酬の整理・簡素化を進めていく。

以上のほか、基準費用額(居住費)の引上げ、公平性を欠く状況にあると考えられる自治体についての地域区分の特例の創設などを行う。

となっています。

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