『通りゃんせ』

童謡は歌詞の解釈によってミステリアスな意味合いを持ちます。

『通りゃんせ』は
江戸時代から伝わる童謡で
青信号のメロディでも使われたりして
よく知られています。

七五三の祝いに天神様にお礼を納める様子を
歌っていますが・・・

「行きはよいよい 帰りはこわい」
という歌詞が腑に落ちません。
なぜ帰りが怖いんでしょうか?

間引き(子殺し)による口減らしの歌という説があります。

江戸時代の生命観では
「七つ前は神のうち」といって
七つまではまだこの世に命が定着していない状態で
「七つまでの子供」は「神の子」とされ
神にお返し(間引き)することが出来ると考えられていました。

生活が苦しく食べるものもなく
仕方なしに神にお返し(間引き)をしに行く
間引き(子殺し)した罪悪感から怖くなるという説です。

『通りゃんせ』の歌詞が成立した江戸時代に
5代将軍徳川綱吉が行なった「生類憐みの令」の本筋は
当時横行していた捨て子や子殺しを予防する政策でした。

”こけし”は
口減らしとして間引きした子供の供養の為に作られた物で
こけしの語源は「子消し」や「子化身」だという
まことしやかな話があります。
信じたくなるような話ですが・・・
本来は子供の健康・幸福や子宝を願って作られた物です。

童謡は色々な解釈があって面白いと思います。

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