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今年の国際女性デーに露呈したこと~私たちのあり方について思う。

3月8日は #国際女性デー  

今年は、この日を前にメディアが横につながってメッセージを出していくというので期待していたら、とんでもない発信が物議をかもした。

🍄 「なりたくなかったあれ」

それはTBS noteに3月3日に書かれていた。今や削除されているけれど。

フェミニストを「なりたくなかったあれ」などと、いきなり斬りつけたのだ。

小川たまかさんが詳しく書かれている。同感だ。

当然みんな怒りますよ。私も非常に頭に来た一人です。

これにリアクションして、多くの女性たちが、

#なりたくなかったあれは私だ  でツイートしてて素敵だった。

メディアからも批判の声があがった。

 だけど、南さん(男性で政治部、新聞労連委員長)のことは批判しないのに、ビジネスインサイダーの竹下郁子さんがすごく責められている。

メディアの連帯を乱したからだという。

なんだろういったい。。。

病気を治さなきゃいけない医療界が、患者そっちのけで医者だけ連帯してかばいあってるみたいなものじゃないか。

しかも責めやすい人を責める。女性で若いから責めてもいいって言うことなんだろうか?その発想が醜い。

そして、思う。

メディアの女性の中に中途半端な覚悟のない人がいてもいいけど、

世界女性デー企画を引き受けないでほしい。

「公器」をつかって毒や冷笑を巻き散らかさないでほしい。

自分の声が「拡声器」を通じて増幅して、女性の権利を後退させるかもしれない、人を踏みにじるかもしれない、メディアはそういう立場にある。そのことに無自覚でいないでほしい。

なんでそんなに鈍感でいられるんだろう?

そして、かばいあって、「おかしい」と声を上げた女性の声を抑圧しにかかるなんて。

それで、未来に思いをバトンタッチできていると思っているの?


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🍄 プロフェッショナルの役割はなんだろう?

 自戒を込めて言うけれど、弁護士であったりメディアであったり、学者だったり、なんだかわかったように発言しがちな職業だけど、大方世間知らずだ。そして、どちらかというと守られている、資格や大学や会社に。

 女性として最も深刻な差別や貧困を体験し、最も傷ついて、それでも戦っている、声を上げている、そういう人たちが実体験して、格闘して得たものに対して、私たちが体験してることは遠く及ばない。全然甘い。甘ちゃんもいいとこだ(いや、私はとっても苦労してきたんだ! お前に何がわかる、と大声で言いたい人もいるでしょうが)。私たちは、認識も経験も圧倒的に不足している、それを重々自覚しないといけない。学ばないと。

資格があるから、メディアだから、何か勘違いして、偉そうに語れることなんて少ない。そんな私たちに何ができるのか?

私が思うのはこういうことだ。

〇 まず何より、私たちが本来の仕事をすることだ。記者なら調査報道。弁護士なら弁護や政策提言。具体的に、困っている女性たちを助けることだ。
偉そうにフレームワークを設定することじゃない。

一番困っている人たちのところに行って学ぶ。そしてどうやったら役に立てるか考えて、自分のツールを使ってアウトプットを出す。

だから、今年の世界女性デーにあたって今のところ一番優れたメディアの成果はこれだ。

https://digital.asahi.com/articles/ASN346VLWN32ULFA00F.html

https://digital.asahi.com/articles/ASN356R02N35ULFA03B.html

調査報道でセクハラを告発。

忌々しい事実だが、美名のもとに隠されていた被害、不都合な真実を暴き出したのだ。

プロフェッショナルってこう言うことだと思う。黙々と自分の仕事をして人を助けるのだ。

専門知識を動員した論説や提言などで、「説得」するということも社会を変え、人々の意識を変えることも役に立つ。法律や政策を変えるアシストにもなりうる。

〇 調査報道や論説でなくても、せめて、声を上げている人を、実際に大変な中で傷つきながら戦っている女性を励ますことができるだろう。声を上げた女性を応援する記事を書くこと。

でも、長らく伊藤詩織さんだって黙殺されてきた。まして、光の当たらない女性たちの問題はどうだろうか?

各紙が国際女性デーに取り上げている女性たちはどういう人だろう?理不尽に抗して戦う人ではなく。エリートに偏っていないだろうか?綺麗に整ってる取り組みだけ取り上げていないだろうか?

本当に困っている女性を応援したいと思って紙面を作っているのか?逆にいたたまれなくさせていないだろうか?よく検証してみてほしい。

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でも。具体的に助けることもできず、応援できないとしても、最低限出来ること、すべきこと。それは

Do No Harm  害をなさないこと。

メディアで働く女性が、声を上げて戦っている市井の女性を冷笑したり、後ろから刺したり、殴るなんて最低だ。
自分のポジション取りのために誰かを踏みにじることはしないでほしい。

みんな、ただでさえたくさんたくさん傷ついているのだから、さらに殴ったり孤立させてどうするの?

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あなたたち、私たちの姿を若い世代が見ている。あなたたち、私たちの行動は来年には歴史になる。

私は、恥ずかしくない行動や、卑怯な行動だけはを取りたくないな、と思っている。

怒りが、譲れない一線が、行動が、社会を変え、女性の状況を変えることにつながった。

今最前線で傷つきながらがんばっている女性たちを讃えて、励ましあい、助け合い、本当に連帯する力を、この日に限らず作っていきたいと願う。

最後に。


そしてぜひこちらもお願いします!! #刑法改正





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